5.0
痛みと喪失感
私の母は東京大空襲の日に高い階段から落ちて、命は取り留めたが左足のくるぶしの脊髄を損傷した。歩行可能ではあるが、障がい者手帳を持って90歳で死ぬまでを過ごした。母の中に「たられば」はない。ないが、すずさん、あなたの住む世界には、母は生きられませんでした。なんてうつくしい世界なのだろう。
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私の母は東京大空襲の日に高い階段から落ちて、命は取り留めたが左足のくるぶしの脊髄を損傷した。歩行可能ではあるが、障がい者手帳を持って90歳で死ぬまでを過ごした。母の中に「たられば」はない。ないが、すずさん、あなたの住む世界には、母は生きられませんでした。なんてうつくしい世界なのだろう。
戦争という非現実的世界と、その戦時下を懸命に生き抜く主人公を丁寧に描いた作品だと思います。
淡々と流れる日常をもっと丁寧に生きようと思わされます。
ただ戦争が辛いとか可哀想とか
そんな言葉では語り尽くせない苦悩や、葛藤や、純愛、家族愛、たくさんのものがつまっていたように思います。
誇張も装飾もない、ありのままの当時の様子が描かれていたような気がします。
広島で戦時中を生きた人の穏やかな日常があったことを現した物語り。一人一人自分らしい生活があり、好きな人がいて、幸せもある。時代が違えどそれは誰しも願うもの。戦争によってそれが失われること、叶わない悲しみ、怒りを静かに現している。
アニメも見たし、この作詞さんの他の戦争後漫画も読んだ。とにかく凄いのは日常、そして戦争、これを庶民の目線で淡々と描いて、我々が見入ってしまう世界観を作れること。
すずたちが懸命に生きたこの世界を、戦争を知らない私たちがちゃんとうけとめられる。
優しいタッチなのも良かったです。
ドラマで拝見しました。私の知らない時代のことは信じられないけど知らないとだめだなと改めて思いました。日常がとてもありがたく幸せです。
戦争の悲惨さを語り継げる人たちが高齢でいなくなり、子供たちが、戦争の怖さを全く知らずに生きていくのが危険だと思う。
ほんの数十年前までは、こんな世界があったと
リアルに教えてくれる名作。
映画もお勧め。
若い人にこそ読んで欲しい。
戦争がどれだけ悲惨で得るものがないか。
今まで読んだ事、観た事がないタイプの戦争のお話でした。
主人公の性格や絵のタッチなど、フワっとした雰囲気が一変して悲しく切ない物語になり、心に沁みる辛さとそれを乗り越える希望と力に涙が溢れました。
おばあちゃんが戦争体験者でした。もっと色々話を聞いておけばよかったなぁと今なら思います。こう言うのは後世に残しておきたい内容です。電子だけでなく紙でも。