3.0
勝手にアルフォンス・ミュシャ風
正直、無料分だけでは、このお話の面白さは分かりません。ヒロインイリーナがタイムリープしている上に、異能力のあるなしが加わって、そこへ謎の言葉「夜を盗む」…ざっくりいうと、イリーナがイアンの夜を盗むのですが、それ自体も読者が煙にまかれているようで、実際あったことなのか、誰かが夢で見たことなのか、それとも想像上のことなのか…。2周目の人生では失敗しないようにと奮闘する、イリーナの努力は認めたいけれど、もう少し分かり易い設定の方がよかったかなぁ…。
画のほうは、好みが分かれるところ。勝手にアルフォンス・ミュシャ風と語っておりますが、多色刷り石版画のような輪郭線のはっきりした感じと色使い、画が静止している感が、ミュシャ風だなあと勝手に思っています。ミュシャ推しの自分としては、結構好物ですがね。
いろいろと謎の多い本作ですが、一番の謎は「誰の裏切りに感謝するんか?」です。順当に考えれば、1周目で夫だったヘンリーなんだろうけれど、そんな簡単でいいんかい?難解な分、読解できた暁には、優越感この上なしの作品になりそうです。
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