4.0
「好き」が溢れてるぞ、諒
必要に迫られて行う、男女の友達同士の契約結婚、実は「ずっとあなたが好きでした」ってパターンの何と多いことか…。そしてその多くは、相手の気持ちが分からず、やきもきするばかりなのに、こちらの作品は違います。ヒロインちひろに、面と向かって気持ちを伝えるシーンこそないものの(素面では)、諒の発する言葉の端々や、ちょっとした表情の変化の中に、彼の気持ちが透けて見えて、もうニマニマしてしまいます。諒にとってちひろは、まさに「溺愛フレンズ」 ちひろの窮状を知って、彼女を手に入れることのできる千載一遇のチャンスに、迷うことなく飛びついた諒の気持ち、女子冥利に尽きるよなぁ…。
では、ちひろにとって諒は? 諒を男性として意識し始め、少しずつ変化していくちひろの気持ちに、じれったさを覚えつつも、やはり応援したくなる二人でした。「王道」「ベタ」といってしまえばそれまでですが、その分ヒーローの気持ちが透けて見える安心ラブコメ、肩肘張らず読めるのでオススメです。
- 5