3.0
悪党の造形
壮絶ないじめを受け、挙げ句、両親を殺された主人公による、バイオレンス満点の復讐劇。
「敵」サイドは清々しいくらいに腐りきっているしイカれきっているので、こちらとしては何の良心の呵責もなく、主人公サイドに乗っかることが出来た。
まあ、エンタメとしての復讐ならば、これくらいが気楽でよい。
しかしまあ、悪党の造形が凄い。
申し訳ないが、これは褒めているわけではない。
高校生でありながら、どいつもこいつも尋常ではないぶっ壊れ方をしており、さながらサイコ野郎の見本市である。
こうなるともう、サスペンス漫画の悪役、という枠からは完全に逸脱してしまっていて、テイストとしては、完全にバトル漫画の「悪の四天王」みたいな(まあ六人いるけど)それである。
結果、「復讐モノ」という作品の文脈からはレールを外れてしまったように感じて、私はあまり入り込めなかった。
なお、主人公もバトル漫画ばりの身体能力と殺_人テクニックを発揮するが、それを主人公に叩き込んだのは元軍人の祖父である。
おいおい、お祖父ちゃん。
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