みんなのレビューと感想「前科者」(ネタバレ非表示)

前科者
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  1. 評価:4.000 4.0

    罪と許しと無償のサムシング

    まず、元受刑者の造形がいい。
    この漫画は、不運にも犯罪者になってしまった善人と、その社会復帰を支える保護司の人情物語、ではない。
    元受刑者は、極悪人ではないにせよ、読者が全面的に同情できるような悲劇のヒーローでもない。
    微妙だ。
    気の毒ではあるが、正直、「そんなザマやから犯罪者になんねん」と言いたくなる面もあり、その微妙さが、罪と、それを許すことの難しさや複雑さを、私たちに問いかける。

    また、この漫画で、保護司は無償なのだと知り、愕然とした。
    はっきり言って、私なんか、百万回生まれ変わっても、そんな仕事を無償ではやらない。
    そんな大切な仕事がボランティアに依存しているとは、知識もない中での感情論で申し訳ないが、国家のシステムとしてトチ狂っているとしか思えない。

    ただ、主人公の「無償なのにやる、ではなく、無償だからやる」のだ、という主張には、ハッとした。
    読んだところまで(13話)ではまだ明らかになっていないが、この主人公自身もおそらく、何かの罪を抱えているのではなかろうか。
    それが、社会的に裁かれる罪かどうかは別にして。

    「無償なのに」ではなく、「無償だから」。
    そういう生き方も、あるいは、償い方も、あるのだろう。
    繰り返し、私は百万回生まれ変わっても、そんな生き方は出来そうにないのだけれど。

    by roka
    • 56
  2. 評価:5.000 5.0

    良かった

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    地に足ついた作品。
    前科者の罪を犯した理由も、自分だってそういう立場にならないとも限らない、と思わせるリアリティーがある。
    罪を終えた前科者が、死なせた兄の墓参りに行きたいと思う気持ちもわかる。罪を犯したから、悪人なわけでもない。
    周りの人の証言に、自分が思い違いで罪を犯したのかと動揺する姿も、もしそうならなんて悲劇なんだろう、とドキドキしました。
    でもどんな時にも、前科者の心に寄り添う保護司の主人公の姿に、こういう方が世の中に沢山おられたら、再犯率下がるだろうと思った。

    • 20
  3. 評価:4.000 4.0

    前科者に対する周りの目

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    無料分だけ読みました。

    まじめに更生しようとする出所者に出鱈目を吹きこんで気持ちを乱す元同僚。(保護司なんか続けていたら)「絶対に不幸になるよ」と保護司の主人公に断言してくるコンビニ店長。

    胸が悪くなるけど、これが出所者を取り巻く現実なのでしょう。

    という私も、自分の娘が保護司になって、犯罪をおかした人と二人っきりで夕ご飯を食べていたりしたら、心配でしょうがなくなって、何でそんな馬鹿な事をするのかと問い詰めてしまうかもしれません。

    阿川さんの気持ちが裏切られることがなければ良いな、と思います。

    • 14
  4. 評価:5.000 5.0

    更に生きる

    無料分から入り最新話まで、購入しました。逮捕されなくても、人を傷つけたり陥れる人で溢れた世の中で、主人公は自分の弱さも受け入れながらも、懸命に生き保護観察対象者と家族のように向き合います。作者さんはすごい読書家なのでしょう。文学作品を引用しながら、心に響くセリフがたくさんあって、人生に疲れた時にもぜひ読んでほしいです。

    • 10
  5. 評価:5.000 5.0

    読みごたえのある作品

    前科者とその更生を泥臭くサポートしていく保護司のストーリー。
    登場する前科者たちは、極悪ではなく腐りきっておらず不遇な環境など同情の余地があるので応援したくなりますね。
    互いに憤りつつも関わり合って前へ進んでいく過程が描かれており、支えたり支えられたり、自分や人に向き合う時に何が大切かを教わっているような読みごたえのある作品だと思います。
    特にみどりさんは魅力的。肝が座っていて頭がキレる、粗野で強引なんだけど的を得ているから痛快。彼女の存在が、綺麗事とか皆の脆さやら辛気臭さを払拭してくれる。カッコええです。

    by anten
    • 2
  6. 評価:5.000 5.0

    映画化おめでとう

    WOWOW実写版ドラマで観たあとに、読み始めたら、同じ話しであって全く別物。一話一話、新鮮な気持ちで読み続けてます。最終話が来たらつまらなくなっちゃうな。
    有村架純の実写版WOWOWドラマも終わっちゃって哀しかったし、ね。
    映画化されて観に行こうか迷ってるのは、原作から展開が予測出来そうだし、原作を読み始めた時のような意外な感動が期待出来ないかもしれないと恐れている。この作品には、映画でも漫画でも残念な気持ちを抱きたくないから。逃げてるのかもね。
    でも、この話が全国の皆さんの知るところとなるのは嬉しい。
    保護司のこと、頑張ってる人たちがいっぱいいる事、世の中のみんなに知って欲しい。人は皆んな未完成だから、そこの貴方、自分と戦ってる自身の頭を撫でて抱擁してあげてください。

    • 1
  7. 評価:5.000 5.0

    価値ある作品

    内容ペラっペラの漫画もたくさん出回る中、構成や登場人物の心理描写などきちんとしており、安心して読み進められます。
    1話の値段は他より安いのに内容はちゃんとしています。

    無料分だけだと阿川さんは自立したボランティア精神に溢れた人という感じでしたが、読み進めるうちに妙に幼稚な部分などが度々垣間見えるようになり、最初のイメージの人物像ではなくなりました。
    今後どのように展開されていくのか楽しみです。

    by 匿名希望
    • 1
  8. 評価:4.000 4.0

    仕事

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    仕事ってなんのためにするんだろうと、疑問を投げかけられているような気がします。
    新聞配達、コンビニバイトと掛け持ちして疲労困憊なのに無償の保護司をしている主人公。その理由は「お金のために生きているのではない」ということを自覚するためです。
    グサッと来る言葉です。
    仕事ってお金を得るだけじゃなくて、誰かのためになったり、仕事自体が自分の喜びだったりする。でも、それって一部の人間だけの感覚なんじゃないだろうか?
    すべての人がそういう高尚な気持ちで仕事をしているわけではないだろうな。と思いました。
    今後が気になります。

    by 匿名希望
    • 2
  9. 評価:5.000 5.0

    根深い家父長制

    日本社会の、根本的な根深い問題を色々な局面から、そして一人の女性の視点から描いていて素晴らしい作品です。
    私事ですが、私自身も世間のいう女性偏差値の低い(女の子らしくない)女性、かつサバイバーであり、若い時には際どい生活も送りました。そして社会の家父長制的構造の中で存在をかき消されました。
    この作品を通して私たちの「声」を届けてくださることを本当に感謝します。
    そして何より驚いたのが、作者がおよそ60代の男性であること。セクハラを当然とし、私たちの存在をかき消してきた、いわゆる特権層(コンビニの店長がまさにそのメタファーかと思いますが)の中にいたご本人が、こうした視点でストーリーを紡いでくださることに、日本の漫画の奥深さと希望を感じます。
    湘南という田舎と都会のまさに狭間的ロケーション設定も素晴らしいと思います。
    引き続き楽しみにしています!!

    by わd
    • 0
  10. 評価:5.000 5.0

    神聖な仕事

    この漫画で、保護士の仕事を初めて知りました。
    ボランティアで、報酬無しで、様々な犯罪を犯した出所者に寄り添う仕事と知り、自分なら出来るか?自問自答をしました。
    罪を犯した出所者を、それも男の人を自宅で出迎えるなんて恐くて無理です、、、。
    一緒に頑張りましょう!!と、銭湯のチケットに手作り牛丼でおもてなしする。
    尊い神聖な仕事だとびっくりしました。
    刑務所から出所して初めて罪を赦してくれる人、おかえりなさいと、生きて頑張って、踏ん張ることを教え、寄り添って行く人。
    スゴイスゴイと読み進んでしまいました。
    Netflixで有村架純さんがドラマで演じています。

    • 0
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