前科者
- タップ
- スクロール
あらすじ
現代日本のリアルを抉った核心的人間ドラマ!!現代日本において再犯防止を考えるのは、必須の課題である。「罪を犯してしまった」者や「道を踏み外した」非行少年の社会更正の橋渡しをするのが、保護司の役目だ。保護司は法務省が委嘱する非常勤で無報酬の国家公務員であり、ボランティアである。立場の弱い人間が抱える問題に、主人公である保護司・阿川佳代は真摯に対峙する。保護司制度の存続が危ぶまれている今、保護司に求められている姿とは何であろうか?本作は現代日本が抱える問題を掘り下げる本格ヒューマンドラマです。
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みんなのレビュー
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罪と許しと無償のサムシング
まず、元受刑者の造形がいい。
この漫画は、不運にも犯罪者になってしまった善人と、その社会復帰を支える保護司の人情物語、ではない。
元受刑者は、極悪人ではないにせよ、読者が全面的に同情できるような悲劇のヒーローでもない。
微妙だ。
気の毒ではあるが、正直、「そんなザマやから犯罪者になんねん」と言いたくなる面もあり、その微妙さが、罪と、それを許すことの難しさや複雑さを、私たちに問いかける。
また、この漫画で、保護司は無償なのだと知り、愕然とした。
はっきり言って、私なんか、百万回生まれ変わっても、そんな仕事を無償ではやらない。
そんな大切な仕事がボランティアに依存しているとは、知識もない中での感情論で申し訳ないが、国家のシステムとしてトチ狂っているとしか思えない。
ただ、主人公の「無償なのにやる、ではなく、無償だからやる」のだ、という主張には、ハッとした。
読んだところまで(13話)ではまだ明らかになっていないが、この主人公自身もおそらく、何かの罪を抱えているのではなかろうか。
それが、社会的に裁かれる罪かどうかは別にして。
「無償なのに」ではなく、「無償だから」。
そういう生き方も、あるいは、償い方も、あるのだろう。
繰り返し、私は百万回生まれ変わっても、そんな生き方は出来そうにないのだけれど。by roka- 64
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5.0
良かった
地に足ついた作品。
前科者の罪を犯した理由も、自分だってそういう立場にならないとも限らない、と思わせるリアリティーがある。
罪を終えた前科者が、死なせた兄の墓参りに行きたいと思う気持ちもわかる。罪を犯したから、悪人なわけでもない。
周りの人の証言に、自分が思い違いで罪を犯したのかと動揺する姿も、もしそうならなんて悲劇なんだろう、とドキドキしました。
でもどんな時にも、前科者の心に寄り添う保護司の主人公の姿に、こういう方が世の中に沢山おられたら、再犯率下がるだろうと思った。by ぐみにゃんさん- 22
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4.0
前科者に対する周りの目
無料分だけ読みました。
まじめに更生しようとする出所者に出鱈目を吹きこんで気持ちを乱す元同僚。(保護司なんか続けていたら)「絶対に不幸になるよ」と保護司の主人公に断言してくるコンビニ店長。
胸が悪くなるけど、これが出所者を取り巻く現実なのでしょう。
という私も、自分の娘が保護司になって、犯罪をおかした人と二人っきりで夕ご飯を食べていたりしたら、心配でしょうがなくなって、何でそんな馬鹿な事をするのかと問い詰めてしまうかもしれません。
阿川さんの気持ちが裏切られることがなければ良いな、と思います。by アスカイ- 15
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5.0
更に生きる
無料分から入り最新話まで、購入しました。逮捕されなくても、人を傷つけたり陥れる人で溢れた世の中で、主人公は自分の弱さも受け入れながらも、懸命に生き保護観察対象者と家族のように向き合います。作者さんはすごい読書家なのでしょう。文学作品を引用しながら、心に響くセリフがたくさんあって、人生に疲れた時にもぜひ読んでほしいです。
by こぜみちん- 10
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5.0
保護司という仕事
37年前に63歳で他界した私の祖母が保護司をしていました。当時小学生だった私はそれがどんな仕事なのか全く知りませんでしたが、祖母の葬式に参列してくださった方の中には、保護司として関わっていた若い方もたくさんおられたようでした。比較的若くして亡くなった祖母の遺影を前に、「先生!先生!」と泣き崩れた女性もおられました。
本作品を読み、改めて無報酬でやる仕事としては本当に責任が伴う業務だと実感しました。全国の保護司の方々には尊敬と感謝の念しかありません。by Kysky- 2
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