愁人の同僚の芦屋さんが押し付けてきた家族観はまさに日本の社会を代弁している。この物語の主要テーマだと思う。
-
0
2390位 ?
愁人の同僚の芦屋さんが押し付けてきた家族観はまさに日本の社会を代弁している。この物語の主要テーマだと思う。
子どもの成長って本当に早い。知り合いの子や近所の子が大きくなったのを見る時自分の年齢を意識させられる。自分の名前の由来を知っていることは大切だし生きていく上で力になることもあると思う。ハルヒのは前に触れていたかな?
愁人が思うように、大きくなったらハルは憶えていないかもしれない。でも、その時の嬉しい気持ちはしっかりと心に残ると思う。
自分だったらここまで言えるかな、多分言えない。他人の人生に関わること、責任を持つことには覚悟が要る。これ以上見て見ぬふりはできない状況への過程と心の動きが丁寧に描かれている。
キナさんと母親との関係性を見たのは初めてなんじゃないかな。実家とは距離を置いていたことは暗示されていたけど。
ハルがキナさんに布団をかけた後、自分も一緒に寝てしまったシーンにホッコリ。子どもによくあることを何気なく描いている。冬馬はチョコをくれた女子の話に刺激を受けて一歩前進だね。
この物語は展開がとても自然。自分と同じような境遇の人は気になるよね。自分だけじゃないんだと思えば気持ちが楽になるし、見ている世界が少し広がる。
おばあちゃん、随分柔らかくなってきた。「言い方がきつい」とも言えそうだけど。連れ合いからの指摘もあるけど、キナさんから言われたことも効いたのではないか。利害関係のない他人からの指摘って大きい。
ユリカの祖母の厳しさは結婚当初同居していた姑から引き継いだものと知り納得。あるんだよね、実際今でも。ただ、祖父とパパがユリカママの味方で何かと擁護してくれるから心強い。三世代同居の場合、緩衝材になる人が居ないと育つ子供に悪影響を及ぼすよな。
職場の仕事ぶりをちゃんと描いてあるから、二人の互いの住まいを行き来する場面と相まって、話に現実味がある。ここまで読んできてこの物語の良さがそういうところにもあるのではないかと思う。
の、ような。
081話
第34話(1)