4.0
リアルな物語
作画はさほどうまいとは言えないが、人物の区別はちゃんと描かれていて見やすい。震災も多いこの国では親を亡くした孤児が祖父母に育てられるケースは珍しくない。本作品は、疎遠になっていた娘が事故で他界し残された孫を祖父が引き取り一緒に暮らす話。子どもの描写はほぼ誰が描いても可愛いが、5歳のニタは更に聞き分けがよくでき過ぎているほど。ジジは初めは亡き娘への懺悔の気持ちで孫育てを始めるが、日々の生活の中でニタに気付かされることも多くかけがえのない存在になっていく。ジジが葬儀会社を経営している設定もよく考えられているし、ジジの弟やニタの生みの父親の存在も話にふくらみをもたせている。ジジが亡くなる時、ニタは葬儀会社を継いでいて凛々しい青年になっている。その姿にウルウルきた。ジジは安心して旅立ったと想像できる。もう一度じっくり読みたい。
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じじまごぐらし