3.0
かつては娘だった
「きのう何食べた」から本作に来た。高評価で母娘の話とあったので興味を持ったが、期待はずれだった。主人公の雪子と母親は言いたいことを言い合い口喧嘩が絶えないが、内実は信頼と愛情で結ばれた親子であることが最後で示される。個人的には、母親とその母(雪子の祖母)との関係が胸に刺さった。幼い時から可愛いと言われた母親が自惚れないようにと顔の不細工を取り立てて言い続けたため母親はそれがステイグマ(心の汚点)となってしまう。親から、褒められることはおろか顔や性格の欠点を何かにつけて言われると傷つくし大人になって許せても一生忘れることはない。子どもは親の所有物ではないし、同じ一人の人間なのだ。2編目の女子大生の話はいきなり唐突な出だしで内容も他から浮いて見えた。本作で特に気になったのは顔の描き方で、斜めから見る横顔の目尻の幅がやけに広くて不自然に見える。
-
0
愛すべき娘たち