4.0
真の復讐のために
敵を見誤らない主人公がとても素敵です。
敵の息子は、かわいそうな面は大いにありますが、あくまで恵まれた環境に育ちながら戦うということをしてこなかった人間。事情を知らずとも、結婚相手である主人公への言動の時点で“無し”ですし、一家そろって復讐されてもおかしくなかった。
あくまで敵は彼の存在のみとする主人公が素晴らしいです。そして真の復讐のために、親しい人からどう思われようとも、という覚悟もある。
もともと仕組まれた、愛などあるはずもない結婚、きちんと離婚し、きちんと愛し続けた人と一緒になっているのも大変好ましいです。
有能な女性がその才や努力を踏みにじられたりしない自由な世界(それは決して優しいものではないけれど、自身の意思と才と努力が報われるためのチャンスが、環境がある世界)。主人公が求める世界がどんどん広がっていくといいな、と思います。
- 3