4.0
哀しい
この時代、話と同様に、女性には人権などなく、家や建て前が優先されたが、実の父親が娘の事を愛し守ろうとした事が救いだった。
内容は2人のすれ違いが多く、今はスマホなどで直ぐに連絡出来る若い読みてにとっては、イライラするかもしれないが、昔はこの様にまどろっこしく話が進むことが多く、懐かしく思った。ストレスや、恨み、憤懣の理由をぶつけていくのが、同じ女性に向くのが辛い。
辛く可哀想な話だが、話自体はサクサク進み読みやすかった。この小説が書かれた当時の読者にとっては、肉体は病魔に侵されても、心からの愛の強さをか弱い女性に担わせ、輝かしく心を勝利させた事が、共感とともに、新しい時代を感じたのではないだろうか。
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