5.0
全部読み終えての再投稿
全部読み終えました。最初の印象とは全く違ってきたので読み終えたあとの感想を。渋谷くんの心の闇は想像以上に深かった。ヤンキーで家庭を顧みない父親と脳内お花畑で多分なんの考えなしに10代で大海や弟を生んで親の自覚を持てない母親。そんな両親のもとで弟の面倒を見ながらなにも言えず全てを飲み込んで歩んできた人生。最初はぼくとつで飄々とした男の子のイメージだったけど違った。仕事が忙しいのに妹の保育園の送り迎えや世話(親が大海に頼りきりで世話をしない)、大好きな先生、神田くん、弟、いろんなことが起こりすぎてもう彼の心の安定がオーバーフローして溢れだし精神崩壊をきたす。感情のコントロールを失った彼は遂に暴力事件を起こす。ホント切なくて抱き締めてあげたくなりました。側に神田くんと先生がいたおかげでようやく立ち直って人生をやり直した大海。最後は自分の子だよね、保育園に迎えにいったのは。とても穏やかな顔をして子どもを抱き締める大海に涙が出てきました。
両親やリズのその後、大海と先生の子どもが生まれるまでの大海の心の回復と寄り添った先生のエピソードもあったら良かったのにって思いました。
これ、途中でやめずに最後まで読んでほしい物語です。
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