5.0
悲恋を期待する!
多くの読者がハッピーエンドを期待する作品かもしれないが、私は悲恋の物語を期待する。種の違う者同士の難しさは生物学的見地のみではなく、日常生活の上でも無理があること。事実、宗伯は紗枝の血におののき、野生の本能を開化し襲いそうになる。どんなに二人の心が求めていても、異種間での種族の維持は弊害が大きく、互いの立場、状況、生い立ちにまつわる壁が立ちふさがる現実があること。どんなに二人が思いあっても、その思いが成就できない場合があることを描いてほしい。それは、私たちの人生の中で、どんなに欲しくても手に入らないもの、どんなに努力しても手が届かないもの、どんなに願っても叶えられないものがあることを学ぶことが必要だと思うから。私たちはその辛さと苦しさを背負って生かされているから。
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白狼の妻