れれれこしゃんしゃんさんの投稿一覧

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21 - 30件目/全132件
  1. 評価:5.000 5.0

    野獣は意外と紳士的

    最初、タイトルの露骨さに思わず笑ってしまったのですが、読み始めると、比較的スローな流れで、いつ物語が展開するのかなと楽しみになりました。野獣といわれる赤城さんは仕事の出来るエリートな商社マンで、野獣というより、むしろ紳士的で気遣いのできる男性だと思います。ヒロインの有紗は、年齢の割に奥手で、誠実で勤勉に働く、どちらかというと地味な女性です。赤城さんに惹かれますが、内気な性格から自分をアピールするのが苦手で四苦八苦する様子が可愛いです。そんな有紗を見初める赤城さんに振り回されながら、自分の気持ちに気づいていく有紗の心模様が微笑ましい作品です。赤城さんの積極さと情熱に飲み込まれても大丈夫だから、思い切って飛び込んでみたらと応援したくなる作品です。

    • 0
  2. 評価:5.000 5.0

    過酷な生きざま

    妖のお話が好きで、しかし、のどかな妖ほのぼのストーリーではないんです。かなり過酷な妖と人間の生きざまが描かれており、人間社会との共通点もありますが、妖特有の厳しさ、悲しさ、脆さが随所に垣間見える素敵な作品です。天狗の匡と実沙緒の出会いは幼少期に始まり、匡の修業期間の10年間の空白を経て、二人は再会します。それからの二人は宿命に翻弄されながらも互いを尊重しあい、絶えず相手のことを思いやるあまり傷つけあいながら、お互いの思いを成就すべく運命と戦います。その過程があまりに素晴らしく、時には痛々しく、何故ここまで追い詰められなければいけないのかと思うほど過酷さを背おわされていますが、二人の決して諦めない生き方が感動的です。唯一の癒しは太郎、次郎、三郎の三つ子の天狗が可愛いことかな。

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  3. 評価:5.000 5.0

    内容はタイトルそのもの!

    主人公の郷原さんは、半端なく熱心なスカウトマン! 日本国中、神出鬼没で精力的に金の卵を探し、見守り、育て上げ、プロの野球選手となるべく送り出す。その手腕、行動力、情熱がとにかく凄い! 光る才能を見つければ、中学生の頃から見守り続け、親子関係、家族状況、経済事情までも考慮して選手に対応する。才能を開花させる為の、あらゆる手段を駆使して選手を理解し保護しようと試みる。仕事とはいえ、郷原さんのぶれない姿勢と情熱には驚くばかりで、頭が下がる。彼に見出された選手は幸せかもしれない。でもその栄光を勝ち取るのは選手次第。彼の仕事はプロに送り出すまで。心底野球が好きでなければできないだろう。好きなだけでもできない。彼の不屈の魂とエネルギーはどこからくるのだろう?

    • 2
  4. 評価:4.000 4.0

    組織の膿って凄いね!

    会社の人事に関わる久我さんは、少しおせっかいだけど、懐が深く、我慢強く、仕事熱心な女性で、あらゆる困難を持ち前の知恵と行動力で解決していく。それは簡単なことではない。尊敬する上司を疑わなければならないこともあったし、ゆるい後輩を鍛えなければならないし、傲慢でやる気のない社員にカツを入れなければならない。そして一人では戦えない正直な弱者に自信を与え、自己肯定感を高めることに精力的に働きかける姿は頭が下がる。決してきれいごとでは済まされない人間の恥部も含めて、久我さんは、前向きに挑む。そして決して諦めない姿勢が素晴らしい。組織は大きくなればなるほど膿がたまるようで、それに流されないように果敢に戦う姿は清々しい。久我さんのエネルギーはいったいどこから来るのだろうか?

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  5. 評価:4.000 4.0

    順序が前後しても

    貴族社会は女性に相続権がないから、嫁に行かざるを得ないし、結婚するしか生きる道はない。ましてやレベッカのように結婚より錬金術の仕事を続けたいなんて問答無用。そんな彼女に差し伸べられた救いの手は、公爵から婚約の提案。王宮からの強い要請で結婚せざるを得ない状況での契約婚約は、錬金術を続けたいレベッカと、結婚しなければならない侯爵の利害の一致を可能にする。誠実で寛容な公爵はレベッカの仕事に理解を示し、十分な財力で彼女を支える。そして天真爛漫な彼女に惹かれていく。のびのびと仕事ができるレベッカも公爵の人柄に心を開く。出会いのきっかけは契約であっても、二人の心の変化が自然で微笑ましい。多少順序が違っても、二人が互いに求め合うなら、それもありではと思わせる展開がとても楽しい。

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  6. 評価:5.000 5.0

    彩芽の成長した姿が見たい!

    黒龍、朔と彩芽の出会いは、彼女が生贄として捧げられたものであったが、朔は不幸な生い立ちから声を失った彩芽の悲しみを知り、彼女を慈しみ大切にする。彩芽も彼の優しさや深い思いやりに触れ、二人は心を通わせ、寄り添い共に生きたいと願うようになる。話せない彩芽の筆談で気持ちを伝える健気な姿が朔の心を打つ。今は名ばかりの夫婦で、彩芽は朔のために何をしていいかわからないが、これから色々学んで、困難や試練を乗り越えて、ただ愛されるだけではなく、朔を心から愛し支える強い妻になれることを願い祈る。いつか名実ともに朔の妻と胸を張れる彩芽に会いたいと思う。

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  7. 評価:4.000 4.0

    日本のどこかで.....

    フィクションとわかっていても、今でも日本のどこかに存在している状況のような気がするのは私だけでしょうか? 村八分のような閉鎖的な慣習が躊躇いもなく行われて、誰もそれが当たり前だと受け入れ、違和感すら感じない人々の心模様が恐ろしい。それに歯向かおうとすれば、ことごとく潰される現実は凄まじい。嫁姑バトルを利用して、権力と財力にものを言わせて町全体を牛耳る、その行為の数々はもう犯罪レベルに達しているにもかかわらず、戦おうとする人が少なすぎて呆れるばかり。しかし、これも世間というものの、ある一面でもあるから無視することはできない。平等な世界がどんなものかは知らないが、少なくとも自分らしくあるがままに生きて暮らしていけたら、私はそれでいいと思っている。

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  8. 評価:5.000 5.0

    当たり前の中にある幸せの尊さ

    森に住む母猫は、幼い子供たちを懸命に育てている。それは猫だけでなく、母を亡くした竜の子や悪魔の子に至るまで、分け隔てなく慈しみ、愛情を注ぎ、育む姿は微笑ましい。そのように育って巣立った子供たちも自分が育てられたようにわが子を育てる。母猫に育てられた竜はその恩を忘れず、多くの猫たちの子供を立派な大人の猫に育て上げる。幼い弱い子供を育てることは当たり前の事だが、愛情と信念と忍耐が必要とされる。当たり前のことは棚から牡丹餅ではなく、並大抵の覚悟と努力が必要で容易いことではない。そのたゆまない努力の結晶が私たちが感じる幸せなのではないだろうか? この物語は私達にその大切さを静かに優しく諭してくれる、心温まるエピソードで溢れている。

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  9. 評価:5.000 5.0

    バネッサは、いったい何者?

    足長おじさん的要素を含んだ物語展開が微笑ましい。先生と呼ぶ支援者からの助けで、孤児のバネッサが何故、英才教育が受けられる学院に入学することができたのかが疑問だ!バネッサがいい子で賢いからかもしれないが、それだけではないだろう。夏休みも避暑地に滞在し楽しく過ごし、ギドウという魔法使いと親しくなり、時折バネッサに会いに来るが、彼が支援者の先生ということをバネッサは知らない。おそらく、バネッサ自身も気づいてない特殊な能力が彼女にはあり、それを育てる為に彼女の支援が必要なのではないだろうか?バネッサはそろそろ卒業後の将来の職業を悩み始めているが、在学中に彼女は能力を開花させて、おのずと道は開かれるだろう。彼女の希望する未来が広がることを願い、彼女の幸せを祈る。
    余談だが、私はㇹニルが欲しい!

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  10. 評価:4.000 4.0

    ノスタルジーの風に吹かれて

    高校が舞台であることを途中で気づいて、あら、中学生ではなかったのって思ってしまっつた。それくらい主人公の椿は素直で心根の優しい少女だし、椿の憧れの五十嵐君も誠実で率直で、清々しい少年だから。高校生なら、もっと現実的で、合理的かつ損得勘定に敏感で、ある種のあざとさがあるはずだから。教室で繰り広げられる人間関係の亀裂やいじめも、陰険ではあるけれど、陰惨で悲惨な犯罪レベルではないのが救いかもしれない。タイトルにある「隣の席の~」がいかにも中学生ぽさがあって可愛い。中学であれ高校であれ、椿と五十嵐君の交流は、物語の始まりを表し、二人の気持ちの変化が微笑ましい。通り過ぎた昔を懐かしむような優しさと安らぎがこの作品には溢れている。

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