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当たり前の中にある幸せの尊さ
森に住む母猫は、幼い子供たちを懸命に育てている。それは猫だけでなく、母を亡くした竜の子や悪魔の子に至るまで、分け隔てなく慈しみ、愛情を注ぎ、育む姿は微笑ましい。そのように育って巣立った子供たちも自分が育てられたようにわが子を育てる。母猫に育てられた竜はその恩を忘れず、多くの猫たちの子供を立派な大人の猫に育て上げる。幼い弱い子供を育てることは当たり前の事だが、愛情と信念と忍耐が必要とされる。当たり前のことは棚から牡丹餅ではなく、並大抵の覚悟と努力が必要で容易いことではない。そのたゆまない努力の結晶が私たちが感じる幸せなのではないだろうか? この物語は私達にその大切さを静かに優しく諭してくれる、心温まるエピソードで溢れている。
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猫と竜