5.0
居心地の良い居場所
誰でも居心地のいい居場所を求めるのは本能だと思います。ここに登場する護と友人の御曹司たちも園と父親の営む居酒屋に癒しを求めて集まるようになります。園は護がかつて働いていた会社の御曹司であることから天上人と最初は思いますが、次第に彼の優しさに触れ互いに心を通わせます。護も園と父親の暖かさに触れ、心のよりどころと安らぎを求め、互いに惹かれあいます。ここに登場する御曹司たちは嫌味な高慢と偏見がなく、いい人ばかりなのが非現実的ですが救いです。立場や環境の違いはあっても、人は誰でも、深呼吸ができて、ありのままの自分でいられる場所を求める習性があり、居心地の良い居場所を嗅ぎ分けて生きていけたらそれだけで幸せだと思います。この物語の中の静かな穏やかな流れが好きです。
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御曹司の並ぶ店