5.0
出会うべくして出会えた二人
10年の時を経ても決して鳴りやまない音が、なのはの心にはいつも響いていたから、その旋律を覚えキーボートで弾いていた。ひょんなことから、その音を作り出した憧れのミュージシャンが、現在の職場の仕事に厳しくうるさい鬼上司の羽場であることを知った。 ある時偶然、なのはのキーボートとセッションした羽場は憑りつかれた様に演奏し始める。 職場とは違う関係が生まれ、羽場はなのはを誘いセッションを重ねる。なのはにとって嫌いな上司は、最高のプレイヤーであり、二人の息はピッタリ合う。どんなに苦手な上司であっても、彼が創り出す旋律とリズムはなのはを虜にする。それぞれの思惑とは別に、二人の奏でる音が溶け合う様子が、まさに音楽がもつ醍醐味と言えるのではないか? 頭で嫌いな奴でも、奏でる音は嘘をつかない。なのはの中で羽場の音が溶けて浸み込んでいく有様が興味深い。
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2
大嫌いな運命の人