赤い雲さんの投稿一覧

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1 - 10件目/全96件
  1. 評価:5.000 5.0

    時代劇漫画の中で一番好きかも

    小説、ドラマ、そして漫画、この作品はどれも味わいが違ってどれも素晴らしいんですよね。
    さいとうたかを先生の剣客商売もカッコいいんですが、私は断然、大島先生の方が好きです!
    最初の方の主人公親子や三冬さんの姿はさいとう先生のキャラクターに似ていますが、3巻あたりから大島先生のものになっていきます。
    絵に温かみというか、そこはかとなくぬくもりを感じるんですよね。池上正太郎作品の魅力のひとつは、人の世のやるせなさ、割り切れなさ、不条理、「さが」としか言いようのない人間の闇の部分が巧みに描かれるところです。そしてそれはこの剣客商売でもきちんと描かれます。ただ、どうにもやりきれないような結末のお話を描いた時でさえも、大島先生の絵には、そこにひと雫の憐憫、大袈裟に言うと「慈愛」の目が注がれているような気がするのです。
    あと、男装の美剣士・三冬さんが本当に凛々しく麗しい!サービスショットなのか、水戸黄門のお銀か?ドラえもんのしずかちゃんか?ってくらい、三冬さんのお風呂シーンが多いです笑

    • 3
  2. 評価:5.000 5.0

    シンプルイズベスト

    もうクッソ長いタイトルの「令嬢」が「転生」して「暴君」に「溺愛」される、キラキラしたドレスや王子様や設定が出てくるだけのコスチューム漫画にはうんざりだ。
    これはいい。短いタイトルなところもいいけれど、少女マンガと少年マンガの中間くらい、どっちつかずの絵なんだけど、そこがいい。
    冒頭がすごくイイと思う。男だと一瞬思ったけど、そうだった、女騎士だった。確かにリアルに女の騎士がリアルの戦場にいたならこうだよね。宮崎駿の言葉を思い出す。風の谷のナウシカのような映画がヒットすると、女の子が戦場で戦うアニメが増える。より露出度の高いコスチュームを着た、より目の大きな女の子がより大きな剣を振り回して、そういうシーンが盛りだくさんのアニメが。そんなことを言っていた。
    いわゆる「令嬢転生暴君溺愛モノ」はタイトルからして盛りまくりだ。本質ではなく虚飾、ストーリーではなく設定。それを求める需要があるからこ存在しているのだから、別にそれが悪いとは思わないけれど、稀に珠玉の作品もその中にほんのわずかだけど生まれてはいるのだけど、やっぱりちゃんとした漫画だけが生き残ると改めて思う。

    • 94
  3. 評価:2.000 2.0

    クエストで無料分まで読みましたが

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    意外にちゃんと読めた笑
    花瓶割りやがって弁償しろ!が笑えた。外国のワインボトル詐欺じゃないんだから笑 そこでいきなり体売って金返せ!って言ってる時点で千代子さま普通にヤクザの思考回路だしな。(時代考証から考えて確かに四百円もの借金は身売りしないと庶民には無理だけどさ、いいとこのお嬢様はそんなの知らないよ普通)この手の漫画に、ヒロインに嫉妬してエゲツないイジメをする女って星の数ほど出てくるけど、最近のはちょっとエスカレートしすぎておかしくなってるかな…親の仇とか復讐とかならまだわかるけど、純粋に妬み(コンプレックスとか好きな男取られたとか)でここまでアタ◯おかしくなるかなあ。需要がある(読者がより過激で陰湿でむごいシーンを求めてる)と言えばそれまでだけど。異常者がウロウロしてるみたいで怖いよ笑
    で、漫画と関係ないけど、
    今回私がやったこのクエストは、「24話まで読むと50ポイントプレゼント」なんですわ。
    だから24話まで無料なのかと思いきや、無料は16話までなのね。で、16話読んだら、10ポイントもらえた。
    残りの40ポイントもらうには、有料の8話を読まなくちゃならない。この漫画1話55ポイントだから、8×55=440ポイント取られちゃう。いや、50ポイントもらえても、440ポイント課金させられたら意味ないだろ。
    なんなんだろうこのミッション笑
    この漫画にハマらなかった人には、全く意味がないぞ。

    • 5
  4. 評価:5.000 5.0

    日本少女漫画界の金字塔

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    圧倒的スケールの歴史ロマン。なんといっても、「オスカル様」という不世出のスーパースターを生み出した日本の国宝とも言うべき傑作。その魅力と人気は、連載から半世紀を経てなお劇場版アニメ映画化されていることからもわかります。オーストリア皇女とフランス王太子との政略結婚から始まる豪華絢爛なベルサイユ宮殿の一大叙事詩。次から次へと事件が起きて、息もつかせぬ展開、とにかく中身が濃い!本当にこれが単行本たった9巻に見事に過不足なく納まってるのが未だに信じられない。しかしオスカル、アントワネット、フェルゼン〔後半にアンドレ追加)のメインキャラクターの描き方の見事さは言うまでもないけど、脇キャラも魅力的!マリアテレジア女王、ロザリーとジャンヌの姉妹、ポリニャック夫人とシャルロット親子、ベルナールとロベスピエールら革命の志士たち、アランほか衛生兵たち、優男ジェローデル、アントワネット王妃の3人の子供たち、ジャルジェ将軍夫妻、アンドレとおばあちゃん、その他無数に出てくるキャラ、どれも存分に描き切っている。私の推しは何気にルイ16世。初顔合わせで嫁に「どろんとした目」とまで言われちゃう残念な外見の人(でもホント実際の肖像画、どろんとしてる笑)。女性からすると100%「良い人」で終わっちゃうタイプだけど、誠実で心優しくて慎ましくて、良き夫として描かれています。
    しかしフランスの王様や貴族がやりたい放題やった挙句、膨大な赤字や借金を全部一般市民に回してたら、そりゃ経済破綻するわ。今回改めて読み返してみて、当時の貴族や僧侶などの第二階級は税金を免除されてたってのが正直信じられない。仮にも一国の皇太子が亡くなったっていうのに、お葬式を挙げるお金が国庫にないという王族のみじめさ。若い頃のアントワネットがドレスや賭博や離宮での生活などの贅沢ざんまいの浪費のツケが一気にここでやってくる。フランス革命は起こるべくして起こったんだよなあ。
    また、今回読み返してみて、改めて画力の凄さに圧倒されました。特に、線の力強さ、躍動感!絶頂期の池田理代子先生の神がかり的なペンの描線!多くの少女の胸をときめかせた、オスカル様の魔性の目力!香り立つような情熱とエレガンスと詩情、重厚感!
    …残念ながら、先日公開された映画作品はどーにも「薄い」…。別モノとして見るのが正しいですね。

    • 1
  5. 評価:4.000 4.0

    参考にならんかもしれないが書いてみました

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    我が国の憲法では「異世界転生ジャンルの漫画の書名はサブタイトルを含めて20文字以上(上限なし)」と定められておりますが、その点については本作はクリアしていますね。一見表紙絵とタイトルだけでは転生モノとは分からないのですが、「冒頭、目が覚めた主人公が状況把握のためにモノローグで転生前の自己紹介and転生後の自分を語り出す」というセオリーをちゃんと踏襲しています。「ここたぶん異世界だし」とド直球発言も出ました。この、誰に聞かれてもないのに説明しちゃう読者への親切さこそが、異世界転生モノ漫画の醍醐味と言えましょう。
    冗談はこれくらいにして、ざっと読んだ印象は「色んなモンが混ざってるなあ」ということ。表紙の絵、金髪で青緑色の服の「小人さん」を見て、一瞬、りぼん黄金期の名作「銀曜日のおとぎばなし」の主人公を重ねてしまったのは私だけでしょうか。千尋と言えばまんまジブ●のアレだし、金色の髪に何か不思議な力がある赤ちゃんが拉致されるってのも、デ●ズニーのアレでは。
    なんか、惜しい。
    千尋という名前や、ラプンツェルの金髪という既知の設定に、私のような読者がつい引っ張っられてしまうのはもったいない。この作者さんなら、ちゃんと自分のオリジナルのものに咀嚼して送り出す力があると思います。このお話、転生した主人公が前世の記憶や知識を元に、厨房を舞台に料理で活躍する、というのは今までの転生モノになく新しい展開ではないかなと。2、3歳の幼児の中身が実はアラサーのOL。現代日本から中世あたりのヨーロッパの王族の城へとタイムトラベル的な転生の利点が生かされてます。絵は可愛いし、主人公を最初に助けた見習いコックさんをはじめ、人物の表情、とても優しくて良いですね。転生モノはなぜか悪役の表情や台詞の鬼畜っぷりに全精力を集中してるかのよーな作品が多いので疲れることがあります(それ読んで主人公のリベンジ見てスカッとする、という読者もいるだろうから一概に良い悪いは言えないのですが)。これは今のところ優しい世界線で安心して読めますね。ほんの小さなたったひとコマの顔の表情だけでも、作者の人間性はちゃんと出ると私は思ってるんですね。必死で食べる子どもを前にした見習いコックさんの表情、これを見て私はこの作品のレビューを書きました。

    • 8
  6. 評価:5.000 5.0

    いい意味で期待を裏切られました

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    無表情で何を考えてるのか全く読み取れない星先生。回を増すごとにその人物像が少しずつ明らかになっていって、それと同時に、この漫画にハマっていきました。実際の人付き合いと一緒で、第一印象が良くなくても、会うたびにちょっとずつ相手の意外な側面やイイ所がわかってくると、どんどんその人への好感度が加点されていく、あの感覚。特に、初登場シーンから「なんかこの人めっちゃ胡散臭い」と思った小林先生、もはや「この人大好き!」までになりました笑。あと中村先生の描き方とか…生徒の話だけ聞けば教師で毎日酒臭くて無気力とか、間違いなくそいつクズなんですけどね。セツコとの最後のシーンで「あー、この人も色々あるんだろうな」とつい思わせられちゃったのが…。あと、後々出てくる、古森家のお兄さんとか。眼鏡屋さんでの天才的ボキャブラリー、この人に一度接客されたい笑 会話のテンポとセンスも、私の感覚にうまくハマりました。ただ、漫画の「エターナルなんちゃら」はよくわからないというか、ハマらなかったかな…「エターナル」の続編?の回は前衛的というか、正直に言って面白くなかったですね。
    多くのレビューの方も書いてらっしゃいますが、「動物のお医者さん」の佐々木倫子さんの影響を強く感じる作風です。クワガタボーイに選ばれた時の星くんをとりまく同級生のセリフで、「動物の…」のモモンガの回(樹木っほい柄のシャツを着てきてしまったために酷い目に会う二階堂)を思い出しました。

    • 1
  7. 評価:5.000 5.0

    永遠を生きるモノ

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    18世紀末ビクトリア王朝時代、全寮制英国パブリックスクールが舞台。まばゆいほど美しい少年たちと、ブラムストーカーの血みどろの名作ゴシックホラーを絡めてしまうとは!真夜中の子供、墓場をふわふわと舞う「ルーシー」はまさに夢幻の使者。血に飢えた人ならざる悪魔の正体は、まさかの植物…?想像の斜め上をいく「ドラキュラ」新解釈の展開に、目が離せない。

    • 0
  8. 評価:5.000 5.0

    安定の面白さ

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    ド派手な連載陣の中にあると地味に感じるが、あの熾烈なアンケート至上主義の週刊少年ジャンプで5年間の毎週連載をかちとって堂々32巻完結、というのは傑作でなければなしえないことである。ジャンプの作家さんの中では大変珍しいと思うのだが、絵に強烈な個性がない。ファッションや世界観もとにかく普通。逆に言えば変なクセもアクもない。
    夏祭りかなにかで、ヒメコの下駄の鼻緒が切れて、すぐさまヒメコはごく自然にそれをボッスンに渡して、ボッスンが普通ーに受け取ってそれを直す、というシーンがあった。2人の間には、ほとんど会話がない。この光景は、ボッスンに恋している女の子の目線から描かれる。そのあまりにも自然な2人のやりとりに、女の子は自分の恋を爽やかに断念する、という展開だったのだが、この回には感動した。思春期の甘酸っぺえドキドキやイチャイチャもいいけれど、こういうふとした神描写はより長く深く、心に刺さる。

    • 2
  9. 評価:5.000 5.0

    耽美の極致

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    残酷描写かなり多め。まるで中世ヨーロッパの宗教画を見ているようです。(ルーブル美術館にある中世〜ルネサンス期の豪華絢爛な宗教画コレクションには、斬首されたり矢を射られたりしている殉教者や、聖書なら「嬰児虐●」の一節など、目を覆いたくなるような血生臭い絵が山ほどあります)血、糞尿、唾液、人体の熱いエキスが迸るような生々しい画でありながら、繊細で華奢で優美なロココの時代を描くのに、これ以上の漫画家はいないと言い切れる美麗な描写。ベルばら世代には嬉しいことこの上ない、そして尚且つ思い切り旧来のイメージを裏切る衝撃のキャラクター設定!えっ、まさかあのデュ・バリー夫人とシャルルが?!えっ、まさかあのジャンヌとマリーが?!オリジナルキャラ感の強いマリーについては賛否両論ありますが、どう考えても幼児への折檻の仕方がやばすぎるドS婆さんを「ババア!」と罵倒した瞬間から、私はマリーの虜になりました。(史実に即してないというご意見もご尤もですが、それを言っちゃったらオスカル様だって架空の人物ですからね笑)でも本作品の主人公はシャルルのはずなのに、マリーに完全に食われちゃった感は否めません。
    美しいだけでなく、貧困層のモブの絵がまた異常にリアルなところも凄い漫画家さんです。貴族のまとう美しい袖口のレースと同じくらいの精密さとリアリティをもって、パリの最下層の男たちの歯の抜けた汚い口元を描く、その視座が素晴らしい。
    あと、シャルルが路地を馬車で回ってコンドームを夜の女性たちに配ってるところとか、とても良いシーンだったと思います。そこに幼い息子(イノセントだったシャルルの息子もまたイノセント。象徴的)を同行して回ってるところが良いんだな。

    • 3
  10. 評価:5.000 5.0

    臨場感半端ない

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    初めてこの手の漫画を読んだけど、面白い。恐怖やパニックの描き方が素晴らしい。極限状況に追い詰められた人々のやりとりは醜いが、時々、ほんのわずかな希望や信頼や友情が垣間見える時がある。地獄だからこそ、ほんのわずかな光が闇にを照らす。
    しかし、水も食物も装備もなく何時間もきつい登山で疲労しきっている上に、ナタや弓を持った猿がいつ襲ってくるかわからないという、異常な状況。これは実際にその場にいたら、おそらくとんでもなく現実感がないと感じるだろう。山頂から街の灯りが見えて、主人公が「あそこで今のんきにビール飲んでる奴もいるのになー」って思うモノローグが凄いリアル。街の灯り、遠いんだけど自分からちゃんと見える距離ってのが、リアル。見えるだけなんだよね。あの街へ向かって自分たちの状況を伝える手段がないし、今すぐ戻りたいのに絶対にそれが出来ない。臨場感がある凄い漫画。

    • 4

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