赤い雲さんの投稿一覧

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1 - 10件目/全132件
  1. 評価:3.000 3.0

    金木の語彙力はさすが読書家

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    少し前、「人間を食べる異形の怪物と戦う」そんな設定の漫画が次々と世に出てそれぞれが爆発的にヒットしましたね。鬼滅、進撃、(約束のネバーランドも同じ系かな)そして本作。その異形のモノが実はもともと自分たちと同じ人間である、という残酷な設定が最も活かされているのが本作。
    「自分の大切な人やありきたりの日常を奪った憎い敵の正体は、血に飢えた悪魔でなくてはならない。自分たちと同じように愛や優しさや倫理観を持っていてはいけない。生きるために仕方なく人を食べるしかない悲しい生き物であってはいけない。飢餓が限界に達したグールの本能に抗えず、人間であることを一瞬忘れて殺戮に走ってしまった弱い心の人間であってはいけない。全てのグールが、ここに何人かだけ登場するグールのように、殺戮を楽しみ人肉食をなんとも思わない悪鬼であると思いたい。主人公のように、グールを理解してほしいと努力する「人間」のようなグールの存在は絶対にいてはならない」
    それを認めてしまったなら、攻撃できなくなる。復讐ができなくなる。敵だ、と認識した者が多数となり、よく相手を知らないうちに憎しみの勢いを借りて正義とし、問答無用で駆逐する。それが最も楽なやり方で、そこに迷いを生じさせてはならない。その迷いこそがヒューマニズムという名の、人間が持つ一番の徳なんだけれど、人間はこれが最も不得意だ。今までお互いがされたことやしてきたことを全部飲み込み、許しあい、ルールを作り、和解と停戦に合意し、共存するというのは、人類にとって最も困難なことなのだ。それは歴史が何度も証明しているし、相手はグールでもなんでもないのに、リアルの世界でどこかの国は何年もそれを続けている。
    この作品はグール=人類の敵側から見た世界観の漫画なので、その視点が新しいと思う。いつ正体がバレるかわからない、気が抜けないという仮面生活の緊迫感は無いけれど、人間を装うために食事をする練習の苦痛さは、すごくリアリティがあった。
    金木くんが半グール半人間として、人間の中のヒューマニズムを信じて世界を変えようとする努力、それが唯一の本作の希望の光。しかし、人間側とグール側両方に悲哀に満ちたエピソードと理不尽なムードが絶えず付きまとう。ギャグシーンらしいギャグはまだほとんどない(あったかもしれないけど、気がつかなかった)。

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  2. 評価:5.000 5.0

    いい意味で期待を裏切られました

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    無表情で何を考えてるのか全く読み取れない星先生。回を増すごとにその人物像が少しずつ明らかになっていって、それと同時に、この漫画にハマっていきました。実際の人付き合いと一緒で、第一印象が良くなくても、会うたびにちょっとずつ相手の意外な側面やイイ所がわかってくると、どんどんその人への好感度が加点されていく、あの感覚。特に、初登場シーンから「なんかこの人めっちゃ胡散臭い」と思った小林先生、もはや「この人大好き!」までになりました笑。あと中村先生の描き方とか…生徒の話だけ聞けば教師で毎日酒臭くて無気力とか、間違いなくそいつクズなんですけどね。セツコとの最後のシーンで「あー、この人も色々あるんだろうな」とつい思わせられちゃったのが…。あと、後々出てくる、古森家のお兄さんとか。眼鏡屋さんでの天才的ボキャブラリー、この人に一度接客されたい笑 会話のテンポとセンスも、私の感覚にうまくハマりました。ただ、漫画の「エターナルなんちゃら」はよくわからないというか、ハマらなかったかな…「エターナル」の続編?の回は前衛的というか、正直に言って面白くなかったですね。
    多くのレビューの方も書いてらっしゃいますが、「動物のお医者さん」の佐々木倫子さんの影響を強く感じる作風です。クワガタボーイに選ばれた時の星くんをとりまく同級生のセリフで、「動物の…」のモモンガの回(樹木っほい柄のシャツを着てきてしまったために酷い目に会う二階堂)を思い出しました。

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  3. 評価:3.000 3.0

    やる方もやられる方もサイコパス

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    ゴシップ記者の回、ちょっと違和感かな…。
    自分の娘にインタビューする記者、
    そしてその記事売っちゃう雑誌の出版社、
    これはちょっと変。
    自分の娘さえも取材対象にしか見てないどーしようもない鬼畜、と言いたいんだろうけど。でも、いじめをして自殺に追い込んだのは自分の娘なんだから、次にマスコミや世間から弾劾されて白い目を向けられるのは他ならぬ親ある自分だよな。「あいつ自殺しちゃうんじゃないかなあ?!」とかヘラヘラ呑気に笑ってるの、凄い違和感。自分たちが社会的にアウトになる寸前なのに、そこらへんに思い至らないで娘にインタビューする心理、少し描き方間違えてる気がする。
    (そもそも、この記者の娘も、教師に自殺されて慌てて後悔したり泣くようなタマには思えなかった笑 お父さんと娘のお2人でサイコパスデカの山荘に連れてかれるモンだとばかり思ってました)
    出所した猟奇殺●犯、ナンバサークル大学生、人間の心がカケラもない人間=サイコパスたちを、サイコパス刑事が趣味と実益を兼ねてお仕置きしてくれるお話、と思って読み進めてたけれども、ちょっと、この記者、頭悪すぎない? なのでここで少ーし、読む勢いが冷めたかな。

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  4. 評価:2.000 2.0

    やっばりお金持ち高校に見えない

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    やっぱりこれ、やんごとないお金持ちの子女が集う名門校のスクールライフには見えない…。言葉でどう説明されても、絵が追いついてない。往年の「有閑倶楽部」などと比べてはいけないかもしれないけど、もう少しだけ、漫画でしか見せられない夢を見せてくれよ。

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  5. 評価:3.000 3.0

    上手く言えないけど、なにかがチグハグ

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    何度も男に騙されて金を取られて捨てられて、娘を連れて夜逃げして。娘に泣いて謝ってばかりで、それなのにここまでおっとりしててポジティブなお花畑ヘッドの母親、というのはリアリティーがあまり無い。母ではなくただの雌として幼い娘捨てて男に走ってネグレクトなんてのも、母親のろくでもない男から暴力や性的虐待受けてきた、なんてのも、きっとない。ヒロインは見るからに健康的で、母親から愛情だけはたっぷり注がれてまっとうに育ってきた、って顔してる。リアルにこの母親みたいのが同じ職場にいたら、憎めない天然ドジキャラとしてみんなに心配されて、なんだかんだ可愛がられるんだよな。かつて温泉旅館の花形スターとして君臨した若く美しいボールダンサー「みっち」のメンタルは、13年前と今とで少しも変わらなかったんだろう。こういう母親なら、このヒロインは「大人」になるのが早まらざるを得なかったと思う。
    と、ポールダンスには全く関係ないことを色々考えてしまうオープニング。
    ポールダンスの絵は妖艶とかセクシーよりも、爽やかさ女性の体の美しさが際立つ清潔な絵柄。
    よくわからないけど、設定になんだかチグハグな印象があるので、無料版の続きを読みたくはならなかったな…

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  6. 評価:3.000 3.0

    2話目からが面白い

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    もし試し読みが第1話だけだったらそこでやめて続きを読まなかったと思う。初回の主人公のモノローグが説明っぽくなるのは漫画のお約束だからとりあえずそこは仕方ないんだけど、第1話の最初のつかみは全く面白くない。次を読みたいとはあまり思えない。が、第2話、美姫がいい。なぜか主人公のルックスや表情も、ここからいきなり魅力的になる。主人公がどんな子なのか、むしろの第2話が初回でもいいくらい、端的に、わかりやすく表現されている。

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  7. 評価:5.000 5.0

    永遠を生きるモノ

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    18世紀末ビクトリア王朝時代、全寮制英国パブリックスクールが舞台。まばゆいほど美しい少年たちと、ブラムストーカーの血みどろの名作ゴシックホラーを絡めてしまうとは!真夜中の子供、墓場をふわふわと舞う「ルーシー」はまさに夢幻の使者。血に飢えた人ならざる悪魔の正体は、まさかの植物…?想像の斜め上をいく「ドラキュラ」新解釈の展開に、目が離せない。

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  8. 評価:5.000 5.0

    安定の面白さ

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    ド派手な連載陣の中にあると地味に感じるが、あの熾烈なアンケート至上主義の週刊少年ジャンプで5年間の毎週連載をかちとって堂々32巻完結、というのは傑作でなければなしえないことである。ジャンプの作家さんの中では大変珍しいと思うのだが、絵に強烈な個性がない。ファッションや世界観もとにかく普通。逆に言えば変なクセもアクもない。
    夏祭りかなにかで、ヒメコの下駄の鼻緒が切れて、すぐさまヒメコはごく自然にそれをボッスンに渡して、ボッスンが普通ーに受け取ってそれを直す、というシーンがあった。2人の間には、ほとんど会話がない。この光景は、ボッスンに恋している女の子の目線から描かれる。そのあまりにも自然な2人のやりとりに、女の子は自分の恋を爽やかに断念する、という展開だったのだが、この回には感動した。思春期の甘酸っぺえドキドキやイチャイチャもいいけれど、こういうふとした神描写はより長く深く、心に刺さる。

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  9. 評価:2.000 2.0

    面白そうなのに、あまり面白くない

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    生馬の目を抜くような、株の仕手戦と騙し合いが見られるのかと思ったら、うーん。矢作がアメリカに渡って、ルビンシュタインでブイブイ言わせてた10年とか、世界を駆け巡った果てに中国やアラブの投資家のかけがえのないお友達を作ったとか、凄い伝説の持ち主なのはわかった。むしろそっちが読みたい。今現在の日本を復活させる矢作の構想には、なぜかあまりワクワクしないし、それほど知りたいと思わない。ホームレスを集めて会社立ち上げてレストランを電話一本で買って、友人の銀行マンの融資、どう考えても不可能そうだけど、この会議で稟議降りるのか!?まではワクワクしたんだけどな…

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  10. 評価:4.000 4.0

    安定の王道シチュエーション

    …天涯孤独の身となった主人公は、家事全般得意もしくは何かしらの特殊な一芸と、素直で優しい心の持ち主である。「ひょんなことから」同居させてもらうことになったお屋敷の主人は、イケメンand天才クリエイターだけど社交対応に難あり…だけどいつしか主人公にだけは心を開いてゆく…これは星の数ほど見てきました。履いて捨てるほどよくある展開ですが、裏を返せば少女漫画の読者は、今も昔もこのシチュエーションが大好物。この作品も王道をきちんと踏襲していて安心して読めます。あとは絵の好みの問題です。こういうのはイケメンがどんだけ魅力的か、にかかっていますね。

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