5.0
臨場感半端ない
初めてこの手の漫画を読んだけど、面白い。恐怖やパニックの描き方が素晴らしい。極限状況に追い詰められた人々のやりとりは醜いが、時々、ほんのわずかな希望や信頼や友情が垣間見える時がある。地獄だからこそ、ほんのわずかな光が闇にを照らす。
しかし、水も食物も装備もなく何時間もきつい登山で疲労しきっている上に、ナタや弓を持った猿がいつ襲ってくるかわからないという、異常な状況。これは実際にその場にいたら、おそらくとんでもなく現実感がないと感じるだろう。山頂から街の灯りが見えて、主人公が「あそこで今のんきにビール飲んでる奴もいるのになー」って思うモノローグが凄いリアル。街の灯り、遠いんだけど自分からちゃんと見える距離ってのが、リアル。見えるだけなんだよね。あの街へ向かって自分たちの状況を伝える手段がないし、今すぐ戻りたいのに絶対にそれが出来ない。臨場感がある凄い漫画。
- 1
モンキーピーク