「そんなことをしてリフタンが怪我したらどうするんですか」
二度見したよ。どっから出てくるんだよその発想。
すげえなあ。マクシー最強かよ。
そうだね、確かに剣術の才能はあるかもしれない、可能性はゼロじゃない。うんうん。はいはい。その通り。油断大敵。そうそう。わかるわかる。
しかしマクシーの中ニっぷりも凄いけど、もっと凄いのはリフタン先生だよ。マクシーの「そういうとこ」全スルーしてちゃんと指導してる。イヤ、剣を持ったのも抜いたのも人に斬りかかるのも初めてのズブズブど素人なんだよ?挙句の果てに「屈辱だわ」とか言ってるオヒメサマだよ?でもツッコんだりしないし否定もしないし笑いもしないしバカにしたりもしない。普通に教える。淡々と指導する。
「こんなこと本当はさせたくないが、教えるからにはちゃんと」。なにこの溺愛物件。もうホント、目に入れても痛くないやつ。「じいじと孫」レベル。
ルース先生は何かっていうとマクシーを茶化してたし、必ず毎回余計な一言多かったから、アレはアレで見てて面白かったけど、リフタンだとこうなるわけね。
ガヤがざわつきながら見守ってるのが微笑ましいよな。見てる分にはすごくいい娯楽だよ、ハードな旅遠征の息抜きに。皆良くも悪くも「奥様を守んなきゃ」って気持ちを新たにしてくれたよな笑
そうだな、今回もかなり呆れさせてくれたけど、なんだかんだマクシーって人、最後には応援せざるをえない。「寝言は寝て言え」レベルのことほざいてても、なんか憎めないんだよな。不器用なくせに何度も健気に立ち上がられるとな、ほっとけない。
「明日はできるようになってみせる」
その目に、不屈の闘志があるんだよな。燃え上がるような赤毛でその目でキッと見返す時のマクシーが、一番綺麗だと思う。そしてこれがマクシーの本当の姿なんだよな。
魔法や騎士団との交流と一緒で、失敗しながら、泣きながら、転びながら、それでも前を向いて少しずつ剣術も上達していくマクシーはやっぱし綺麗だよな。
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オークの樹の下
106話
第106話