赤い雲さんの投稿一覧

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21 - 30件目/全135件
  1. 評価:5.000 5.0

    淡々としているところが新しい

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    無料分まで読了。盤石と思われた伊勢一族の権勢が、たったひとつの誤算で揺らぎ始めるオープニングのところまで。
    少年漫画、そして戦国時代モノにつきものの熱が感じられない漫画は初めて読んだ。天下を取りたいとか無双になりたいとか親兄弟殺されたとか一族滅ぼされた復讐とか平和な世の中にしたいとかのド派手な動機が今後も出てこないような予感がする。男性の闘争本能というよりは、「この時代を文字通り生き延びるために敵対勢力と渡り合うのがごく当然のことだった」「努力した結果、戦国武将として名前が残った」という感じで、そこに歴史漫画の大上段に構えた大袈裟な美学や正義のようなものがないところがとても良いと思う。そしてそのおかげで、まんがとしてすごく地味。ケレン味がない。しかし、そもそも殺傷能力のある巨大な刃物を腰に差して男たちが普通に町を歩いている時代、というのはもうそれだけで現代から見たら物騒で過激な時代なんだけどね。
    今のところ、主人公は武力も智謀知略も人間性も特に飛び抜けているようには見えないが、主人公のお守り役のあの一言が、キーワードだと思う。彼の最大の武器と魅力はそれなのだろう。
    ロマンとかリアルとかウィンウィンという言葉が台詞に出てくるので、最初は面食らった。ゆうきまさみ氏のようなトリックスターだからやれてしまう、確信犯的オーパーツである。しかし、時代考証ガン無視のド派手な傾き者ファッションや、なんだかよくわかんねえ格好のくノ一が出てくる歴史漫画よりはよっぽどいい。
    ところで、解説漫画に出てくる蜷川新右衛門て、寺社奉行のあの人?三代将軍足利義満に仕えてた「しんえもんさん」?ってことは、この先一休さんが出てくるんだろうか。

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  2. 評価:3.000 3.0

    無料分は結構楽しめましたが

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    「私の幸せななんちゃら」と「傷モノの花なんちゃら」と「離縁はいたしかねなんちゃら」を足して3で割ったような設定ですが、逆に言えばこの手のシチュエーションを、昔も今も作者も読者も大好きってことなんですね。これらの作品の違いはどこかを楽しむのも一興かと思います。完全に同じ物なんかないんですから。
    この作品の良いところは画力。特に画面のセンス。ただ作者も読者もそれが大好物なのかも知らないけど、最初の咲弥様、そして咲弥様の母親の傍若無人ぶりな逆ギレ加減がなかなかのリアリティのなさ。今は傾きかけた経済状態なのかもしれないが、元華族の家柄つったら世が世ならお姫様ですよ。朔弥様の家が皇族かなんかならわかるけど、どんなにお金持ちの大会社の息子や奥様だとしても、使用人でもまだ家族でもない良家のお嬢さんにこの口の利き方はありえないでしょう。これで貿易会社の社長夫人や取締役?そんだけの立場の人が、社会人として最低限の敬意や礼儀作法は持っていないなんて、ダメでしょうこの会社。旦那様の時代錯誤な暴言からの罪悪感→イチャイチャ。姑の反対と嫌がらせ→夫のカバーと嫁のけなげさ。そういうのを純粋に楽しむ「漫画」なのかもですが、漫画だから何でもアリじゃないだろうと私は思います。
    でも、母親の異常な執着を「ハサミを隠して物陰から息子の様子を伺う」というたった一コマのわずかな場面だけで伝えられる、抜群のセンスと表現力を感じます。また、酒屋の源ちゃんの初登場シーンの、源ちゃんの体の向き、それだけで見事な伏線になってる。「あれ、中の様子を伺ってるのかな?犯人?」と一瞬思うんだけど、すぐに清子への挨拶、滝川とのやりとりから和気藹々の流れ。ミスリードがお見事。そういうセンス抜群の漫画家さんなので、無料分は結構楽しく読むことができました。しかし、清子の実の両親と妹は、顔に痣のある家族を厄介者扱いするわ嫁ぎ先から帰ってくるよう嫌がらせして足を引っ張るわ、ろくでなし一家。咲弥の母は息子に依存してるし、父親も咲弥のことしか考えてないし、そのせいか弟は弟で相当兄に対してやべえモン抱えて婚約者を追い出そうとあの手この手を使ってくる。主人公カップルの清らかさ愛の強さを強調するためのシチュエーションだとしても、世界観が偏って陰湿すぎる。こういうのの行く末を、私は読みたくはならない、これ以降の有料回購入は残念ながらないです。

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  3. 評価:3.000 3.0

    設定メチャクチャなのに面白い稀有な作品

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    最初の夜会で襲われた→キズモノにされたとかそーゆーのならまだしも、男遊びしてるだらしない娘って噂にどうやったらなるのか全く謎。令嬢モノにありがちだが、この作品も衣服の時代考証が適当。政略結婚で貧乏公爵家を援助してあげた側の嫁に対して、この旦那の逆ギレ態度は完全にどうかしてる。ステラが黙って身を引いてド貧乏暮らししてる性格の良い子ってんなら、まだ嫁ぎ先の屋敷全員でが奥様をいびりまくるのもわかるけどな。結婚した後も旦那の隣の部屋に幼馴染の女を住まわせてるの、どう考えてもアウトだろこの屋敷の倫理観。余命いくばくもないとかそう言う問題じゃないよ。どう考えてもこの娘の今後の展開からして、親に反抗できたはずのタマだからストーリーに説得力がない。娘を厄介払いする態度のくそオヤジ、完全に後付け設定でミダス王の生まれ変わりくらいのカリスマ扱いになっとるし、めちゃコミック史上稀に見る無能設定の旦那様だし、とにかくメチャクチャ。
    それなのにこれ、21話から突然面白くなるのよ。何をどう目論んでるのか、気になって課金して読んだら、凄い展開だった。マネジメントの鬼。旦那様や使用人のクソぶりを冷静に立て直してゆく。ここはめっちゃ面白いんだけどな笑

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  4. 評価:5.000 5.0

    相性

    この人の絵はとにかくクセが強い。輪郭線が太くて今どきの絵ではないのに、ハマるとやめられない。ギャグって、絵と同じかそれ以上に相性だから、ハマる人はハマるけどハマらない人は微動もしない。私は面白く読めました。

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  5. 評価:5.000 5.0

    甘酸っぱいやねー

    主人公の友達の恋愛話が出てくる頃に、少し中だるみする。それでも皆いい子ばかりなので、爽やかな読後感が魅力。

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  6. 評価:5.000 5.0

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    命の取り合いをするギャンブラーたちの死闘の後に、女子中学生のカポエイラ?!って最初はびっくりした。画力があるからこそ、これだけの世界観を次々と展開できるというお手本のような漫画。まだ序盤で、横暴な無精髭親父とやや清潔感に欠けるホームレスおじさんしか出てこないんだけど、嘘喰いの夜行様のようなエレガントなイケオジの登場って期待してはいかんのだろうか…イッチーの食べてる顔はくそ可愛いが、この主人公だけではストーリーに引っ張りこむのがチョット弱い。

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  7. 評価:5.000 5.0

    推しはやっぱり直江兼続

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    原作の小説も読んだけど、漫画はかなり変えてあります。琉球のあたりとか。
    荒唐無稽だけど、単なる荒唐無稽な歴史物、ってだけでは、三十年間愛され続けていまだにこんなに人気があるということはありえない。原作者と漫画作者の美学がそこにあるんだよね。信長がカッコイイのは当たり前として、サルこと成り上がりヒヒオヤジの秀吉もめっちゃ男前なとこ見せます。またこの漫画は男達の舞う姿がカッコいいのね。秀吉の所望に応えて「さればひとさし」と立ち上がる家康!祭の太鼓をバックにした直江兼続の男っぷり!何もかもふっきれた捨丸が生き生きと踊る「幸若」!能舞台に現れた華麗なる刺客・風魔の小太郎!琉球の美少年の三回転!あと、慶次がお父さんへのはなむけに、雪の中で舞った能姿がとてつもなく美しかったなあ。

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  8. 評価:5.000 5.0

    推しはやっぱりトキ様

    「お前はもう…」
    「我が生涯に一片の悔いなし」
    「退かぬ!媚びぬ!顧みぬ!」
    名台詞名シーンだらけ。
    南斗最後の将が正体を現した時は、「なるほどなあ、うまく出来てるなあ」と思いました。

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  9. 評価:5.000 5.0

    名作です。

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    別冊マーガレットの黄金期、この作者さんの存在は絶対に欠かせない。「愛してナイト」のやっこちゃんから本作品の琴子まで、ほとんどのヒロインが全部似たり寄ったりなんだけど、この作者だけはそれでいい。安定のワンパターンキャラクター。安定の吊り目イケメン。しかしこの作品の最終話には本当に驚かされた。私は「そのこと」を全く知らずに、大人になってから図書館で単行本全巻を読んだのだが、とにかくラストが衝撃的だった。当時のリアルタイム連載を読んでいた多感な世代の少女読者は、どんだけ度肝を抜かれたことだろう。このラスト、まさに「えっ?」なのだ。最後のひとコマまで、この作者の織りなす世界を守るために奮迅したスタッフと、編集部の粋な演出に、ただただ感謝するしかない。

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