赤い雲さんの投稿一覧

投稿
157
いいね獲得
599
評価5 71% 112
評価4 9% 14
評価3 14% 22
評価2 6% 9
評価1 0% 0
11 - 20件目/全135件
  1. 評価:5.000 5.0

    安定の面白さ

    ネタバレ レビューを表示する

    ド派手な連載陣の中にあると地味に感じるが、あの熾烈なアンケート至上主義の週刊少年ジャンプで5年間の毎週連載をかちとって堂々32巻完結、というのは傑作でなければなしえないことである。ジャンプの作家さんの中では大変珍しいと思うのだが、絵に強烈な個性がない。ファッションや世界観もとにかく普通。逆に言えば変なクセもアクもない。
    夏祭りかなにかで、ヒメコの下駄の鼻緒が切れて、すぐさまヒメコはごく自然にそれをボッスンに渡して、ボッスンが普通ーに受け取ってそれを直す、というシーンがあった。2人の間には、ほとんど会話がない。この光景は、ボッスンに恋している女の子の目線から描かれる。そのあまりにも自然な2人のやりとりに、女の子は自分の恋を爽やかに断念する、という展開だったのだが、この回には感動した。思春期の甘酸っぺえドキドキやイチャイチャもいいけれど、こういうふとした神描写はより長く深く、心に刺さる。

    • 1
  2. 評価:2.000 2.0

    面白そうなのに、あまり面白くない

    ネタバレ レビューを表示する

    生馬の目を抜くような、株の仕手戦と騙し合いが見られるのかと思ったら、うーん。矢作がアメリカに渡って、ルビンシュタインでブイブイ言わせてた10年とか、世界を駆け巡った果てに中国やアラブの投資家のかけがえのないお友達を作ったとか、凄い伝説の持ち主なのはわかった。むしろそっちが読みたい。今現在の日本を復活させる矢作の構想には、なぜかあまりワクワクしないし、それほど知りたいと思わない。ホームレスを集めて会社立ち上げてレストランを電話一本で買って、友人の銀行マンの融資、どう考えても不可能そうだけど、この会議で稟議降りるのか!?まではワクワクしたんだけどな…

    • 0
  3. 評価:4.000 4.0

    安定の王道シチュエーション

    …天涯孤独の身となった主人公は、家事全般得意もしくは何かしらの特殊な一芸と、素直で優しい心の持ち主である。「ひょんなことから」同居させてもらうことになったお屋敷の主人は、イケメンand天才クリエイターだけど社交対応に難あり…だけどいつしか主人公にだけは心を開いてゆく…これは星の数ほど見てきました。履いて捨てるほどよくある展開ですが、裏を返せば少女漫画の読者は、今も昔もこのシチュエーションが大好物。この作品も王道をきちんと踏襲していて安心して読めます。あとは絵の好みの問題です。こういうのはイケメンがどんだけ魅力的か、にかかっていますね。

    • 0
  4. 評価:5.000 5.0

    耽美の極致

    ネタバレ レビューを表示する

    残酷描写かなり多め。まるで中世ヨーロッパの宗教画を見ているようです。(ルーブル美術館にある中世〜ルネサンス期の豪華絢爛な宗教画コレクションには、斬首されたり矢を射られたりしている殉教者や、聖書なら「嬰児虐●」の一節など、目を覆いたくなるような血生臭い絵が山ほどあります)血、糞尿、唾液、人体の熱いエキスが迸るような生々しい画でありながら、繊細で華奢で優美なロココの時代を描くのに、これ以上の漫画家はいないと言い切れる美麗な描写。ベルばら世代には嬉しいことこの上ない、そして尚且つ思い切り旧来のイメージを裏切る衝撃のキャラクター設定!えっ、まさかあのデュ・バリー夫人とシャルルが?!えっ、まさかあのジャンヌとマリーが?!オリジナルキャラ感の強いマリーについては賛否両論ありますが、どう考えても幼児への折檻の仕方がやばすぎるドS婆さんを「ババア!」と罵倒した瞬間から、私はマリーの虜になりました。(史実に即してないというご意見もご尤もですが、それを言っちゃったらオスカル様だって架空の人物ですからね笑)でも本作品の主人公はシャルルのはずなのに、マリーに完全に食われちゃった感は否めません。
    美しいだけでなく、貧困層のモブの絵がまた異常にリアルなところも凄い漫画家さんです。貴族のまとう美しい袖口のレースと同じくらいの精密さとリアリティをもって、パリの最下層の男たちの歯の抜けた汚い口元を描く、その視座が素晴らしい。
    あと、シャルルが路地を馬車で回ってコンドームを夜の女性たちに配ってるところとか、とても良いシーンだったと思います。そこに幼い息子(イノセントだったシャルルの息子もまたイノセント。象徴的)を同行して回ってるところが良いんだな。

    • 3
  5. 評価:5.000 5.0

    臨場感半端ない

    ネタバレ レビューを表示する

    初めてこの手の漫画を読んだけど、面白い。恐怖やパニックの描き方が素晴らしい。極限状況に追い詰められた人々のやりとりは醜いが、時々、ほんのわずかな希望や信頼や友情が垣間見える時がある。地獄だからこそ、ほんのわずかな光が闇にを照らす。
    しかし、水も食物も装備もなく何時間もきつい登山で疲労しきっている上に、ナタや弓を持った猿がいつ襲ってくるかわからないという、異常な状況。これは実際にその場にいたら、おそらくとんでもなく現実感がないと感じるだろう。山頂から街の灯りが見えて、主人公が「あそこで今のんきにビール飲んでる奴もいるのになー」って思うモノローグが凄いリアル。街の灯り、遠いんだけど自分からちゃんと見える距離ってのが、リアル。見えるだけなんだよね。あの街へ向かって自分たちの状況を伝える手段がないし、今すぐ戻りたいのに絶対にそれが出来ない。臨場感がある凄い漫画。

    • 4
  6. 評価:5.000 5.0

    モノローグがいい。

    言葉の散りばめ方がお見事。グルメ漫画は星の数ほどあれど、その最高峰のひとつ。食べ物とお酒の絵がすごくリアルで美味しそう、それだけで十分。私は下戸ですが、この漫画は大好き。

    • 0
  7. 評価:5.000 5.0

    エクセレント

    ネタバレ レビューを表示する

    ドラマの番宣をなんとなく見たことはあるけど、少女漫画原作とは思わなかった。なんの気なしに読み始めたが、これは素晴らしい。骨組みがしっかりしている。「ウソをついたかどうかが声の違いでわかる」という特殊能力に対して、探偵がどんな内容の嘘なら見分けられるのか、紙に書いた嘘は見分けられるのか、といったいくつかの実験をするところがいい。そして自分のみならず、本人にその才能を把握させる。ギフテッドとしての異能崇拝や神格化をせず、冷静にその特殊性を分析して利用する。合理性とロジカルに徹し、洞察力に秀でた彼はさすが探偵だという説得力がある。そしてギフトを持つがために苦労してきただろうと推察できる優しい目線、もっというとヒューマニズム、人間への敬意がそこにある。謎解きは毎回割とシンプル。性善説を感じる心温まる解決のラスト。素晴らしい能力を持つ探偵なのに仕事の依頼が全然なくてド貧乏、ってのが良い。探偵自ら主人公との問答でそのことを解説したのだが、これがすごく腑に落ちた。確かに、私もウン十年生きてるが探偵に依頼をしようと思ったことなど一度もない。
    また、この作品はギャグを「お金がない」に集中させているのもよい。昨日の新聞を拾って嬉しそうにしているのがとても可愛い。
    絵にクセがなく、すっきりしていて大変に見やすい。ギャグシーンの絵も割と好み。猫、そして女性の日本髪を描くのが素晴らしく上手い。猫と言うのは、実は身近な動物の中で一番描くのが難しい。この作家さんの猫はどの角度から見た猫もデッサンがちゃんとしていて、猫の丸みやふわふわ感がリアル、思わず触りたくなってしまう見事な猫の絵だ。また、時代劇漫画でも江戸時代の女性の髷がメチャクチャなバランスになっている作画が多いのだが、この作品に登場する女性の日本髪は完璧。
    久しぶりにすべて「安心して」読める作品です。

    • 0
  8. 評価:3.000 3.0

    ネタバレ レビューを表示する

    タイトルと表紙に惹かれて試し読み。期待を持たせるオープニング。不思議な力、それは何なのか。この少年が「夜さん」にどう関わっていくのか。泣いて駄々をこねる子供の絵がいかにもそれですね。

    • 0
  9. 評価:3.000 3.0

    課金には至らないかな

    ネタバレ レビューを表示する

    どこかで見たような世界と設定と登場人物だけど、素晴らしい画力。ジャンプ特有の「友情」。でも続きは別に読みたくならないかな。これだけチャイナな世界なのに、ルカのお父さんが日本の普通のスーツメガネなのが醒める。

    • 1
  10. 評価:3.000 3.0

    ロキが良き

    ネタバレ レビューを表示する

    俺様気質で強引なシーザ王子はこれはこれでファンがつくのでしよう。甘ったれ坊ちゃんは人の愛し方や相手の心を慮ることを覚えて、不器用ながらも主人公と本当に愛し合うようになっていくのかな。赤毛握りつぶし&貧乏国呼ばわり&暴言&従者への差別発言&無理キス等性的DV。やってること割と最低のイケメン王子。
    ロキいいですね。だけどもしグラン王に復讐したいなら会った瞬間に秒でやらないと、すぐ正体バレてる。向こうはいつ敵国の人質を殺しても構わないくらいのこと言ってんだから、グラン王が手を下した過去のあの村にいたことがバレたら、速攻でナカバの身があやうくなるだろ。王の前で派手なことやらずにチャンス伺えばいいじゃん。…と、あら探しをしたけど、とりあえずナカバとロキの主従萌えを堪能しました。
    あら探しもう一つだけ。シーザ王子のもと恋人と、シーザ王子の母親が、王位継承の策略を企てて王子をせっつくシーンな、謀反企ててることそのものはいい。だけど、誰が耳をそばだてていてもおかしくない、王宮の廊下というパブリックスペースで声高にやらかすのはやめとけ。(宝塚とかの舞台ならあるあるのお約束で済まされるけど)一応、最低限のリアリティ残しといてくれ。

    • 1

設定により、一部のジャンルや作品が非表示になっています