5.0
モノローグがいい。
言葉の散りばめ方がお見事。グルメ漫画は星の数ほどあれど、その最高峰のひとつ。食べ物とお酒の絵がすごくリアルで美味しそう、それだけで十分。私は下戸ですが、この漫画は大好き。
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722位 ?
言葉の散りばめ方がお見事。グルメ漫画は星の数ほどあれど、その最高峰のひとつ。食べ物とお酒の絵がすごくリアルで美味しそう、それだけで十分。私は下戸ですが、この漫画は大好き。
ドラマの番宣をなんとなく見たことはあるけど、少女漫画原作とは思わなかった。なんの気なしに読み始めたが、これは素晴らしい。骨組みがしっかりしている。「ウソをついたかどうかが声の違いでわかる」という特殊能力に対して、探偵がどんな内容の嘘なら見分けられるのか、紙に書いた嘘は見分けられるのか、といったいくつかの実験をするところがいい。そして自分のみならず、本人にその才能を把握させる。ギフテッドとしての異能崇拝や神格化をせず、冷静にその特殊性を分析して利用する。合理性とロジカルに徹し、洞察力に秀でた彼はさすが探偵だという説得力がある。そしてギフトを持つがために苦労してきただろうと推察できる優しい目線、もっというとヒューマニズム、人間への敬意がそこにある。謎解きは毎回割とシンプル。性善説を感じる心温まる解決のラスト。素晴らしい能力を持つ探偵なのに仕事の依頼が全然なくてド貧乏、ってのが良い。探偵自ら主人公との問答でそのことを解説したのだが、これがすごく腑に落ちた。確かに、私もウン十年生きてるが探偵に依頼をしようと思ったことなど一度もない。
また、この作品はギャグを「お金がない」に集中させているのもよい。昨日の新聞を拾って嬉しそうにしているのがとても可愛い。
絵にクセがなく、すっきりしていて大変に見やすい。ギャグシーンの絵も割と好み。猫、そして女性の日本髪を描くのが素晴らしく上手い。猫と言うのは、実は身近な動物の中で一番描くのが難しい。この作家さんの猫はどの角度から見た猫もデッサンがちゃんとしていて、猫の丸みやふわふわ感がリアル、思わず触りたくなってしまう見事な猫の絵だ。また、時代劇漫画でも江戸時代の女性の髷がメチャクチャなバランスになっている作画が多いのだが、この作品に登場する女性の日本髪は完璧。
久しぶりにすべて「安心して」読める作品です。
ファンタジーは実はリアリティがあることが最も大事だと思う。コスチューム物の漫画の人物の絵はよく衣装でデッサンをごまかしているが、それがこの作品にはほとんどない。設定にも破綻がない。バトルシーンも美しい。
ただ、弟を殺した犯人の正体を知りたいか?ヒロインの行く末が気になるか?彼女とイケメンたちとのやりとりにキュンキュンするか?次が読みたいか?
と言われたら、不思議なことに全くそれはゼロです。私には合わなかったのですね。
無料分まで読了。盤石と思われた伊勢一族の権勢が、たったひとつの誤算で揺らぎ始めるオープニングのところまで。
少年漫画、そして戦国時代モノにつきものの熱が感じられない漫画は初めて読んだ。天下を取りたいとか無双になりたいとか親兄弟殺されたとか一族滅ぼされた復讐とか平和な世の中にしたいとかのド派手な動機が今後も出てこないような予感がする。男性の闘争本能というよりは、「この時代を文字通り生き延びるために敵対勢力と渡り合うのがごく当然のことだった」「努力した結果、戦国武将として名前が残った」という感じで、そこに歴史漫画の大上段に構えた大袈裟な美学や正義のようなものがないところがとても良いと思う。そしてそのおかげで、まんがとしてすごく地味。ケレン味がない。しかし、そもそも殺傷能力のある巨大な刃物を腰に差して男たちが普通に町を歩いている時代、というのはもうそれだけで現代から見たら物騒で過激な時代なんだけどね。
今のところ、主人公は武力も智謀知略も人間性も特に飛び抜けているようには見えないが、主人公のお守り役のあの一言が、キーワードだと思う。彼の最大の武器と魅力はそれなのだろう。
ロマンとかリアルとかウィンウィンという言葉が台詞に出てくるので、最初は面食らった。ゆうきまさみ氏のようなトリックスターだからやれてしまう、確信犯的オーパーツである。しかし、時代考証ガン無視のド派手な傾き者ファッションや、なんだかよくわかんねえ格好のくノ一が出てくる歴史漫画よりはよっぽどいい。
ところで、解説漫画に出てくる蜷川新右衛門て、寺社奉行のあの人?三代将軍足利義満に仕えてた「しんえもんさん」?ってことは、この先一休さんが出てくるんだろうか。
「私の幸せななんちゃら」と「傷モノの花なんちゃら」と「離縁はいたしかねなんちゃら」を足して3で割ったような設定ですが、逆に言えばこの手のシチュエーションを、昔も今も作者も読者も大好きってことなんですね。これらの作品の違いはどこかを楽しむのも一興かと思います。完全に同じ物なんかないんですから。
この作品の良いところは画力。特に画面のセンス。ただ作者も読者もそれが大好物なのかも知らないけど、最初の咲弥様、そして咲弥様の母親の傍若無人ぶりな逆ギレ加減がなかなかのリアリティのなさ。今は傾きかけた経済状態なのかもしれないが、元華族の家柄つったら世が世ならお姫様ですよ。朔弥様の家が皇族かなんかならわかるけど、どんなにお金持ちの大会社の息子や奥様だとしても、使用人でもまだ家族でもない良家のお嬢さんにこの口の利き方はありえないでしょう。これで貿易会社の社長夫人や取締役?そんだけの立場の人が、社会人として最低限の敬意や礼儀作法は持っていないなんて、ダメでしょうこの会社。旦那様の時代錯誤な暴言からの罪悪感→イチャイチャ。姑の反対と嫌がらせ→夫のカバーと嫁のけなげさ。そういうのを純粋に楽しむ「漫画」なのかもですが、漫画だから何でもアリじゃないだろうと私は思います。
でも、母親の異常な執着を「ハサミを隠して物陰から息子の様子を伺う」というたった一コマのわずかな場面だけで伝えられる、抜群のセンスと表現力を感じます。また、酒屋の源ちゃんの初登場シーンの、源ちゃんの体の向き、それだけで見事な伏線になってる。「あれ、中の様子を伺ってるのかな?犯人?」と一瞬思うんだけど、すぐに清子への挨拶、滝川とのやりとりから和気藹々の流れ。ミスリードがお見事。そういうセンス抜群の漫画家さんなので、無料分は結構楽しく読むことができました。しかし、清子の実の両親と妹は、顔に痣のある家族を厄介者扱いするわ嫁ぎ先から帰ってくるよう嫌がらせして足を引っ張るわ、ろくでなし一家。咲弥の母は息子に依存してるし、父親も咲弥のことしか考えてないし、そのせいか弟は弟で相当兄に対してやべえモン抱えて婚約者を追い出そうとあの手この手を使ってくる。主人公カップルの清らかさ愛の強さを強調するためのシチュエーションだとしても、世界観が偏って陰湿すぎる。こういうのの行く末を、私は読みたくはならない、これ以降の有料回購入は残念ながらないです。
この人の絵はとにかくクセが強い。輪郭線が太くて今どきの絵ではないのに、ハマるとやめられない。ギャグって、絵と同じかそれ以上に相性だから、ハマる人はハマるけどハマらない人は微動もしない。私は面白く読めました。
主人公の友達の恋愛話が出てくる頃に、少し中だるみする。それでも皆いい子ばかりなので、爽やかな読後感が魅力。
命の取り合いをするギャンブラーたちの死闘の後に、女子中学生のカポエイラ?!って最初はびっくりした。画力があるからこそ、これだけの世界観を次々と展開できるというお手本のような漫画。まだ序盤で、横暴な無精髭親父とやや清潔感に欠けるホームレスおじさんしか出てこないんだけど、嘘喰いの夜行様のようなエレガントなイケオジの登場って期待してはいかんのだろうか…イッチーの食べてる顔はくそ可愛いが、この主人公だけではストーリーに引っ張りこむのがチョット弱い。
原作の小説も読んだけど、漫画はかなり変えてあります。琉球のあたりとか。
荒唐無稽だけど、単なる荒唐無稽な歴史物、ってだけでは、三十年間愛され続けていまだにこんなに人気があるということはありえない。原作者と漫画作者の美学がそこにあるんだよね。信長がカッコイイのは当たり前として、サルこと成り上がりヒヒオヤジの秀吉もめっちゃ男前なとこ見せます。またこの漫画は男達の舞う姿がカッコいいのね。秀吉の所望に応えて「さればひとさし」と立ち上がる家康!祭の太鼓をバックにした直江兼続の男っぷり!何もかもふっきれた捨丸が生き生きと踊る「幸若」!能舞台に現れた華麗なる刺客・風魔の小太郎!琉球の美少年の三回転!あと、慶次がお父さんへのはなむけに、雪の中で舞った能姿がとてつもなく美しかったなあ。
「お前はもう…」
「我が生涯に一片の悔いなし」
「退かぬ!媚びぬ!顧みぬ!」
名台詞名シーンだらけ。
南斗最後の将が正体を現した時は、「なるほどなあ、うまく出来てるなあ」と思いました。
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ワカコ酒