5.0
安定の面白さ
ド派手な連載陣の中にあると地味に感じるが、あの熾烈なアンケート至上主義の週刊少年ジャンプで5年間の毎週連載をかちとって堂々32巻完結、というのは傑作でなければなしえないことである。ジャンプの作家さんの中では大変珍しいと思うのだが、絵に強烈な個性がない。ファッションや世界観もとにかく普通。逆に言えば変なクセもアクもない。
夏祭りかなにかで、ヒメコの下駄の鼻緒が切れて、すぐさまヒメコはごく自然にそれをボッスンに渡して、ボッスンが普通ーに受け取ってそれを直す、というシーンがあった。2人の間には、ほとんど会話がない。この光景は、ボッスンに恋している女の子の目線から描かれる。そのあまりにも自然な2人のやりとりに、女の子は自分の恋を爽やかに断念する、という展開だったのだが、この回には感動した。思春期の甘酸っぺえドキドキやイチャイチャもいいけれど、こういうふとした神描写はより長く深く、心に刺さる。
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SKET DANCE