3.0
しょぼすぎる新世界の神
不幸な毎日を送っていたアイドルオタクの男が「電人」となる話。
この「電人」というのは、あらゆる電子機器の中を自由に行き来出来る存在で、要するに、ジョジョの四部のレッドホットチリペッパーみたいな人間である。
全ての電子機器を操れるなんて、この現代社会では無敵の存在であり、デスノートじゃないけれど、まさに新世界の神である。
しかしまあ、この男の生きる目的(生きているのかも微妙だが)は、売れない推しのアイドルを世界一にする、というしょぼすぎるもので、またそのやり方が、ライバルになる別のアイドルグループの車を事故らせるとか、動画の再生数を億単位で操作するとか、該当アイドルの悪口をネットに書き込む人間を片っ端から始末するとか、いちいち頭が悪い。
このあたりのアンバランスを「逆にそれがいい」と楽しく読めるか、拍子抜けしてしまうかで、評価が分かれるだろう。
ただ、電人が引き起こす様々な事件の描写には、画としてはなかなか迫力があった。
どうでもいいけど、昔、江戸川乱歩が子ども向けに書いた「電人M」という話があったんだが、タイトルの元ネタはそれかな。
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電人N