5.0
玉に傷
少年漫画として、ほとんど完璧だと思う。
異様な休載の多さを考慮しなければ、私には非の打ち所が見つけられない。
それを「玉に傷だよね」と笑って許せるかどうか。
私は、余裕で許してしまう。
作者がどんなに不誠実でも怠惰でも傲慢でも(本当にそうかは別だけどね)、生まれてくる漫画が、あまりにも素晴らしいから。
- 84
2位 ?
少年漫画として、ほとんど完璧だと思う。
異様な休載の多さを考慮しなければ、私には非の打ち所が見つけられない。
それを「玉に傷だよね」と笑って許せるかどうか。
私は、余裕で許してしまう。
作者がどんなに不誠実でも怠惰でも傲慢でも(本当にそうかは別だけどね)、生まれてくる漫画が、あまりにも素晴らしいから。
毎回、安定的にきちんと怪談話になっている。
ただ、味は、薄い。
小綺麗でよくまとまっているけれど、ホラーとして、過剰な何かがない。
それが長所でもあるのだけれど、個人的には、ホラーにはもっと偏執的な、過剰な何かが欲しい。
漫画なので、やはり、「絵」と無関係には評価できない。
絵の上手い・下手を語れる立場に私はいないが、どう考えても作品に「合う絵・合わない絵」は、ある。
そういう意味で、申し訳ないが、致命的だと思う。
この絵柄のおかげでホラー味がちょうどいい具合に緩和されて…なんてフォローはする気にならない。
例えば、青山剛昌の絵で「スラムダンク」は成立しない。
鳥山明の絵で「闇金ウシジマ君」は成立しない。
荒木飛呂彦の絵で「名探偵コナン」は…嗚呼…ちょっと読みたい。
「人生が記録されたDVDがある」という、「世にも奇妙な物語」的なアイデア一発から、よくここまで広げたな、と感心する。
下手をすれば、一発屋的な打ち上げ花火で終わるか、同じようなパターンの焼き直しに終始する可能性もあったはず。
たったひとつの食材を、ねじ曲げず、腐らせず、ゾッとするほど後味の悪いスリラーから、心暖まるヒューマン・ストーリーまで、多彩に料理してみせた、その手腕に拍手を送りたい。
「こういうふうにしか生きられない」ということの絶望が、古谷実という作家のテーマなのではないかと思っている。
育った環境も幼少期のトラウマも関係なくて、「決まってしまっている」ことは、あるのだ、と。
じゃあどうすればいい?
どうしようもない。
だから、絶望なのであって。
そのテーマを「こちら側」から描いたのが「ヒミズ」で、「あちら側」から描いたのが「ヒメアノ~ル」なのだと思う。
昔、「ラストサマー」というB級ホラー映画があったが、それに近い。
違うのは、「加害者」たちが、十分すぎるくらい同情に値するところ。
そのぶん、感情移入できなくもない。
が、いかんせん登場人物たちが、設定年齢のわりに性的に歪みすぎている気がして、ストーリーに入り込めなかった。
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