rokaさんの投稿一覧

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評価1 5% 35
491 - 500件目/全756件
  1. 評価:4.000 4.0

    奥様は怨霊

    どういう経緯かはわからないが、妻が怨霊である、という夫婦のホラー・コメディ。

    ホラー映画の典型みたいな描写や展開を逆手にとって、巧みにギャグ化している。
    怨霊である妻の行動は、「幽霊が頭につける三角のやつを洗濯物として干す」「夫が忘れた弁当を届けに会社のトイレの鏡から現れる」など、かなりキレがあり、細かい着眼点が面白い。

    B級ホラー映画がしばしば「こんなのギャグじゃねえか」と感じられるように、もともと、ホラーとギャグは紙一重みたいなところがある。
    そういうホラーの特性を上手く利用した、なかなか斬新で、楽しい漫画であった。

    • 3
  2. 評価:3.000 3.0

    普通に奇妙

    「世にも奇妙な物語」的な連作短編。
    一話完結(サイトだと二話)で、私はこういうサクサク読める話は好きである。

    ただ、いたって、普通。
    普通の、奇妙な物語。
    「世にも奇妙な物語っぽい漫画だよ」と紹介されてあなたが想像するとおりの漫画だと思って間違いない。
    まあ、こちらとしてもそれ以上の何かを期待して読んだわけではないから別にいいのだけれど、本当に、普通。
    よく言えば安心感があるし、悪く言えば驚きがない。
    もう一度言うが、普通。
    そんな本作に捧げる星は、三つ。

    • 2
  3. 評価:1.000 1.0

    B級ホラーの致命傷

    ヒッチハイカーを拾ったら、そいつがとんでもないサイコ野郎だった、という話。

    アメリカの一昔(どころじゃないけど)前のB級ホラー映画にいくらでもあったような話であり、身も蓋もない言い方で申し訳ないが、今さらこれを漫画で読んで何になるんだ、と思った。
    これを読むくらいなら、TSUTAYAで懐かしいB級ホラー映画を借りてくるべきだった。

    ちょっと凝っているのは、ヒッチハイカーを拾う主人公の夫婦が互いに険悪で、キャラクターとしてもまるで好感を持てない、という点。
    この設定を活かして、破綻した夫婦が足を引っ張り合うか、雨降って地固まる的に協力してサイコ野郎を撃退するか、どちらか(またはその両方)の展開になると思うけれど、どちらにせよ、信じられないくらい興味が湧かない。
    だいたい、この類のB級ホラーで、襲われる側に何の感情移入も出来ないというのは致命的である。

    • 6
  4. 評価:4.000 4.0

    強く儚い私たち

    昔、coccoの「強く儚い者たち」という歌があった。
    誓い合ったはずの愛の不確かさを綴った、悲しい歌だった。
    この漫画を読んで、それを思い出した。

    バカリズムのコントで、「運命の人というのは、そのときたまたま好きになった人」なのだ、というくだりがあった。
    ロマンチックラブを皮肉った、素晴らしいコントだった。
    この漫画を読んで、それを思い出した。

    確かに、そうかもしれない。
    私たちは弱いから、いや、強く儚いから、意外にあっさり運命的な恋に落ちたり、別の運命的な恋に流されたりするのかもしれない。
    その過程を、とても丹念に、ひどくリアルに描いた、実に嫌な漫画であった。

    でも、ねえ。
    頭ではわかっているのだけれど、理性は「愚かだ」と叫ぶのだけれど、どうせ強くて儚いならば、愛なるものの「強さ」の方を、私なんかは信じてしまいたくなるのだが。

    皆さんは、どうですか。

    • 12
  5. 評価:4.000 4.0

    漫画のセーフとアウト

    度を超した毒舌だが腕はピカイチ、というスーパー美容外科医のストーリー。
    エピソードは一話完結(サイトだと二話)で、サクサク読める。

    顧客の容姿を必要以上に罵りまくる主人公のキャラクター設定がぶっ飛んでいて、面白かった。
    こういうのが楽しいのは「漫画ならでは」の典型であって、私は「こんな医者が現実にいたら…」という突っ込みどころは気にならなかった。
    「漫画だからセーフ」と「漫画とはいえアウト」の境界線は、読者の判断になるし、難しいところなのだけれど、この作品に関しては、私は「セーフ」として単純に楽しめた。

    主人公がいきなり読者に話しかけるという演出も、このキャラクターに合っていて、上手く機能していると思った。

    ただ、ちょっと引っかかったのは、整形のエピソードが「成功譚」ばかりであることだ。
    主人公がスーパー美容外科医という設定上、施術を失敗しろとは言わないが、「美容整形は成功したけれど、それがその人の人生にとって本当によかったのかはわからない」というエピソードがもっとあったなら、作品により深みが出たのではないかと思う。

    美の追求は素晴らしいことだが、同時に、怖いことでもあると私は思う。
    だから、美容整形の明るい側面にばかりスポットが当たっている展開には、ちょっと浅はかさを感じてしまった。
    限度を見誤れば、美への欲求は致命傷になる。
    作品冒頭の「富は海の水に似ている。それを飲めば飲むほど喉が渇いていく」という引用は、まさにそういうことだと思うのだけれど。

    • 22
  6. 評価:3.000 3.0

    展開が速い

    何かを失って何かに気づく。
    失ったものの大きさに気づくこともあれば、大して尊くもないものにしがみついていた自分の小ささに気づくこともある。
    この漫画の「気づき」は、現代的でポップで、湿っぽくなく、悪くないと思った。

    しかし、どういう制約があった作品なのかはわからないけれど、いくら何でも展開が速すぎやしないだろうか。
    テンポよく読めた、というよりは、急かされたような気分になった。

    • 3
  7. 評価:3.000 3.0

    何か、意味が

    作者自身の子ども時代を描いたエッセイ漫画。
    虐待する母親、「何もしない」という間接的な暴力を行使する父親、傷つけられ、追いつめられて、それでも親を嫌いになれない子どもたち。
    読んでいて、胸が痛んだ。
    客観的にはどんなに酷い親であろうと、ある時期の子どもにとっては、親が世界のほとんど全てなのだ。
    これほど悲しいことが他にあるか。

    私は、漫画の読者としては、この作品を評価できない。
    酷い言い方で申し訳ないが、この漫画を読んだことは、私にとっては、意味はなかった。
    こういう家族は世界中にいて、その中に一人として私が救える子どもなどいはしないのだという現実を、私はとっくに知っているし、そんなことをわざわざ漫画を読んでまで思い知る必要はなかった。

    しかし、だからといって、作品に何の意味もないか、と言えば、違う。
    つまり、「誰にとって」意味があったのか、という問題だ。
    それは、「作者にとって」だ、と私は思う。

    こういう種類の過去の傷は、おそらく、完全に癒えることはない。
    けれど、それを漫画として「表現」できた時点で、そこには何%かの救いが、既にあったのではないか。
    表現とはそういうものだと私は思う。

    私は、わがままな一人の読者だから、漫画の作者には、読者のことを考えてくれや、という身勝手な要求をする。
    しかし、この世には、どんな読者のためでもなく、まず作者のためにある、という作品も、あっていいのではないか、とも思っている。
    そういう場所から出発した作品が、巡りめぐって、作者と似た地獄を抱えた人に、光を当てることも、あるだろう。

    だから、この漫画には、あった、と思う。
    少なくとも、誰かにとっては、何か、意味が。

    • 33
  8. 評価:1.000 1.0

    お前ら正気なのか

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    表題作と「妻の携帯を覗いたら…」の二つだけ読んだ。
    というか、よく二つも読んだ、と自分を褒めたい。
    どちらも、あまりの酷さに乾いた笑いが込み上げてきた。

    まず、表題作だが、てっきり、最近あるらしい彼氏ないし彼女レンタルのビジネスの話かと思ったら(誰だってそう思うだろ)、そうではなかった。
    容姿に自信のない主人公のOLが、憧れの課長(実はギャンブル狂いの横領犯)の時間を金で買う、という話。
    ラストは何やら美談めいた雰囲気を出しているが、金に困っている課長に対して「一時間、一万円で私とテレビを見てくれませんか」とソッコーで持ちかけたのは主人公の方であり、自己評価が低いとかどうとかいう次元を飛び越えて、完全にいかれている。

    二つ目の話は、主人公のサラリーマンが、同僚の密告を受けて妻の携帯を覗いたら、浮気が発覚して離婚するのだが、実は妻の浮気は同僚が「別れさせ屋」に頼んで仕組んだものだった、という話。
    衝撃的なのが、この同僚は自分が妻に浮気されて離婚した経験から歪んでしまい、他人の家庭を壊すためだけに次々に別れさせ屋を動かしていた、という点。
    おいおいおいおい。
    もう何から突っ込んでいいかわからないが、そんな動機で何百万も金を使う奴がいるわけねえだろ。
    反社会性人格障害とかいう次元を飛び越えて、パーフェクトにラリっている。
    この同僚は、魔人ブウやディオ・ブランドーやヒソカを超えて、私が読んだ全ての漫画の中で史上最悪の悪党である。
    だから何だよ。

    • 23
  9. 評価:3.000 3.0

    いつの時代も

    序盤から不快になったが、作品の性質上、読者をそういう気持ちにさせることも、一種の力なのだろうと思う。
    まあ、その不快を引き受けてまで読む価値のある何かがあったか、と言われると、正直、微妙なのだけれど…。

    私自身は、インターネットを通じての出会いには否定的である。
    危険性を考慮して、というよりは、単に、好みの問題としてだ。
    いずれにせよ、ネット上の出会いというひとつの大きな流れは、いくらその危険性が声高に叫ばれたところで、もう、変えられない気がする。
    出会い系だのマッチングアプリだの、時代に応じたキャッチーな姿を標榜しながら、今後も勢力を持ち続けるだろう。

    ネットがらみの事件は現代特有の問題だが、いつの時代でも、大人の寂しさにつけこむ犯罪は、必ず存在する。
    これだけ出会い系にまつわる事件が溢れている現代に、それでも常に一定の利用者がいるという事実は、人間という存在がいかに寂しさに弱いか、ということの証左かもしれない。

    この漫画の主人公も、何か決定的な動機があって、事件に巻き込まれたわけではない。
    人はそれを「出来心」とか呼ぶ。
    しかし、その出来心にこそ、狡猾な人間は網を張っているわけだ。
    そういう意味では、リアルな漫画だった。

    そのような落とし穴への防衛手段は、結局のところ、寂しさに強い人間になることくらいしかないように私は思う。

    • 2
  10. 評価:5.000 5.0

    原作への愛情

    今まで、「原作あり」の漫画には、ほとんど星五つをつけてこなかった。
    当たり前だが、漫画は、絵と、話だ。
    その「話」の部分がオリジナルでない作品に対して、最上級の評価をするというのは、正直どうなんだ、と思っていたからである。
    しかし、これは文句なしに例外だ。
    素晴らしい。

    京極堂シリーズの小説は、「姑獲鳥の夏」「魍魎の匣」「狂骨の夢」までは学生時代に読んだけれど、それ以降は、何しろ長すぎて、私の読むスタミナが落ちたこともあり、完全に脱落していた。
    未読の「鉄鼠」を漫画でクリアしてしまおう、という魂胆で読んだのだが、大当たりだった。
    小説版が喚起するイメージとあまりにぴったり合致したキャラクターたちがそこにいて、京極夏彦の小説を漫画化するならこれ以上は望めないだろう、という再現度の高い世界観がそこにはあった。

    それにしても、こんなの、よく漫画にしようと思ったな。
    「姑獲鳥」くらいならともかく、この「鉄鼠」は、難解な禅の世界、複雑極まりない仏教の宗派とその歴史がベースにあり、とても漫画として成立させられそうなストーリーではない。
    だいたい、次から次へ出てくる大量の坊主たちを、わかりやすく完璧に描き分けるだけでも大したものだ。

    正直、「原作あり」の漫画の中には、売れる題材を「利用」しているだけだわな、と感じられてしまうものもある。
    もちろん、商売だから、そういう面があって然るべきなのだけれど、原作のファンとしては、そんな思惑が透けて見えるような作品には、寂しさも感じる。
    だが、私が「鉄鼠」から感じたものは、全く違った。
    半端ではない原作への理解度の深さと、絶対にこの小説を再現してみせるのだという圧倒的な意志力が、紙面から立ち上っているようだった。

    この漫画を成立させたのは、当然、技術的な面もあるけれど、一番大きいのは、原作に対する漫画家の強烈な愛情、それ以外にはないと思う。
    その愛情の深さに、私は感動した。
    原作にとってこれほど幸福な漫画化の例を、私は他に知らない。

    • 24