東京03インタビュー(前編): “究極のリアル系コント”で観客を魅了!漫画から情報収集する飯塚さんやトリオのネタの作り方とは?
更新日:2019/06/11 10:00
卓越したコントで観客を魅了し続けるお笑いトリオ・東京03。コント職人の飯塚さん、音楽畑(?)の角田さん、プロレス好きの豊本さんと、独特な個性を持つ三人が選んだ珠玉の漫画作品やコントと漫画の関連性とは?
飯塚さんは週刊誌派、豊本さんは単行本派、角田さんは…漫画を読まない!?
東京03
――みなさんは普段どんな漫画を読まれますか?
飯塚:ものすごく好きでたくさん読むというわけではないですけど、ぼちぼち読んでいます。
昔は、「週刊少年ジャンプ」(集英社)「週刊少年マガジン」(講談社)「週刊ヤングジャンプ」(集英社)「週刊ビッグコミックスピリッツ」(小学館)と、ひと通り読みました。
豊本:僕はリアルタイムで連載されているものよりも、ちょっと遅れて読んでいます。年々、週刊誌で読むより単行本である程度出揃ってから読みたくなってきたので。
角田:僕は昔からあまり漫画を読まないんですよ。漫画雑誌を皆が読んでいたときも、自分では買ったことがなくて。文庫本になってる「北斗の拳」(武論尊・原哲夫/NSP 1983)とか「キャプテン翼」 (高橋陽一/集英社) とか…。
飯塚:まず文庫本って言わないからね! 単行本だから!
角田:ああ…単行本か。
豊本:文字の本しか読んでないから分かんないんだよ(笑)。
- 少年漫画 キャプテン翼
- 4.3 (486件)
東京03
――漫画読む派と読まない派で2対1の構図なんですね。
飯塚:だから角田さんとは、まあ話が合わないんですよ。
豊本:そうそう。子どものころに見ていたテレビとか、そういうのも全然角田さんとは話ができない。どこかに隔離されてたんじゃないかって疑惑もありますね…。
角田:真っ白な部屋とかにね。
飯塚:テレビなんかも、僕らはずっとお笑い番組を見て育ってきたんです。それこそダウンタウンさんとか、とんねるずさんとか、ウンナンさん(ウッチャンナンチャン)とか。でも角田さんは何も見てないんですよ。
豊本:もともとミュージシャンになりたかった方ですからね。音楽畑の人間だから、畑が違うんですよ。
角田:そうなんですよ。音楽から入って、今では東京03やらせてもらってるんですけどね!(笑)。
「勧められた漫画は結構読む」――音楽に愛された男・角田晃広!
東京03 角田晃広
――普段は漫画を読まれないという角田さんですが、今回のインタビューをきっかけに「ピアノの森」 (一色まこと/講談社) を読んでいただいたと伺いました。
角田:はい、めちゃコミックさんの無料試し読みコーナーにあったので、それをきっかけに読ませていただきました。面白くなりそうだな…というところでいま止まっていて、まだ全部は読みきれてないんですけど。
飯塚:どんな内容なのか教えてよ。
角田:小学校があって森があって…。
飯塚:小学校があって森があって…。
角田:森にピアノがあって…。
飯塚:森にピアノが…って! 森にピアノがあるの!?
角田:そうなんだよ。
飯塚:小学校にあるんじゃなくて?
角田:そうなんだよ。
飯塚:すげー面白そう!
――そうなんです。本当に森にピアノがあるんです(該当ページを3人にお見せする)。
- 青年漫画 ピアノの森
- 4.5 (1207件)
森のピアノは、その少年を待っていた――。捨て去られたピアノ。壊れて音の出ないピアノ。いま、ひと...
飯塚:あ!マジで 森にピアノがあるじゃん!!
角田:これが普通の人には弾けないピアノなんだよ。
豊本:音が鳴らない…壊れてるんだよ。
飯塚:でも、それを奏でられる人がいるんでしょ?天才が。
角田:そう、天才がいる。
飯塚:ピアノに選ばれた人間が。
角田:そう。…でももしかしたら人間じゃないかもしれない(笑)。まだ面白そうっていうところで終わってるから。
――「ピアノの森」 (一色まこと/講談社) は、やはりタイトルに惹かれたんですか?
飯塚:まあ、音楽畑だから、ね。
角田:ピアノへの憧れはあったんですよ。弾きたいなっていう。楽器の名前を出されたら読んじゃいますよね。
豊本:音楽の漫画と言えば、「BECK」 (ハロルド作石/講談社) は読んだの?
角田:他の人から聞いて、ちょっと読んだ。「BECK」 (ハロルド作石/講談社) は面白いねー。
- 少年漫画 BECK
- 4.2 (296件)
誰にでもいつか“目覚め”の刻が来る……!!! 果てしなく続く、穏やかで退屈な中学生活。それは、...
――自分からはあまり読まなくても、人から勧められたら読むんですね。
角田:勧められたら結構読みます。お笑いの世界って、漫画を読む人がすごく多いんですよね。「SLAM DUNK」(井上雄彦/集英社)も30歳過ぎてから読みました。面白過ぎて一気読みしちゃった。
――芸人の仲間から勧められることが多いんですか?
角田:勧められるというか、会話に出てきたり…小耳に挟んだりとかですね。
飯塚:小耳に挟んだ?
角田:「何か漫画のタイトルっぽい言葉が出てきてるな」って。
飯塚:それ、完全に輪の中に入ってない! 盗み聞きしてるよね。勧められてないじゃん!
インプットを意識して「週刊少年ジャンプ」に戻った――稀代のコント職人・飯塚悟志
東京03 飯塚悟志
――飯塚さんには「約束のネバーランド」 (白井カイウ・出水ぽすか/集英社) を挙げていただきました。
飯塚:「約束のネバーランド」 (白井カイウ・出水ぽすか/集英社) は面白いですね~。あんな設定は思いつかないですよね。
――ひとつの大きな謎とともに小さいネタもたくさん入っていて…あれだけ引き込ませる漫画はなかなか無いですよね。
飯塚:序盤から最新刊までずっと面白いですよね。
週刊少年誌で連載してるというのも、びっくりです。リアルタイムで読んだ子はどう育つんだろう。
角田:大人な感じのストーリーなの?
飯塚:大人も楽しめる込み入ったストーリーというか…子ども向けの漫画と思えないくらい深いんだよ。最初の方で大きなネタばらしがあるんだけど、そこで完結しちゃってもおかしくないくらいの。そこからどうやってストーリーをつなげていくんだろうって思ったんだけど、中だるみもせずずっと面白いから作者さんはすごいですよね。
- 少年漫画 約束のネバーランド
- 4.4 (5641件)
母と慕う彼女は親ではない。共に暮らす彼らは兄弟ではない。エマ・ノーマン・レイの三人はこの小さな...
――コントを作られるときに、漫画作品をヒントにされることはありますか?
飯塚:直接そこから、というのはあまりないですけど、どこか発想の元をもらっているとは思います。
具体的にここがこうとかないですけど、「約束のネバーランド」 (白井カイウ・出水ぽすか/集英社) からも、どこかしらヒントを貰ったりしてると思います。
――ネタ作りのために意識して情報のインプットをされていますか?
飯塚:5年くらい前、40歳になった頃から週刊誌を毎週買うようになったんですけど、理由はそれですね。年を取るにつれて、ボキャブラリーが減ってきてる気がしたんですよ。東京03のネタはサラリーマンの設定が多いんですが、インプットが足りてないな、と思うことが多くて。「週刊少年ジャンプ」(集英社)一冊読んだだけで、普通に生活していたら全く触れないような単語や世界設定が出てくるので、いいインプットになってます。
――コントのシナリオは、どこで書かれているんですか?
飯塚:決まったファミリーレストランで書いています。僕と角ちゃんの二人で書くことが多いですね。
東京03
――豊本さんは?
飯塚:豊本は昔からネタ作りには参加してないですね。元々はコンビでやっていて、そこでダメだったから角ちゃんを入れて今三人になってるんですけど、コンビ時代から僕一人でネタを作ってました。ネタを書かない人にいてもらっても、「ああ、帰りたいだろうな」「今つまんないだろうな」とか気になってしまうじゃないですか。僕自身が結構人に気を遣っちゃうタイプで、一度気になり始めるとネタに集中できなくなるので、できればその場にいて欲しくないですね(笑)。
――角田さんは一緒に作るんですか?
飯塚:角ちゃんとは一緒にネタを作ってます。角ちゃんが出した設定で書いたりもしますし、僕が考えた設定で角ちゃんのセリフは自分で書いてもらったりもするので、いてもらえるとありがたいです。でも、最初は二人で完全に半々でやってたんですけど、どんどん僕の割合が大きくなっていて…。
角田:その方がいいネタが出来上がるんでね!
飯塚:サボるんですよ、角ちゃん。
東京03 飯塚悟志
――普段はどういうところを意識して、どこからネタを仕入れていますか?
飯塚:単独ライブでは毎回新しいネタを書くので、そのためにどんな情報が必要なのか?とか、必要な情報の取捨選択とかはしています。
「このセリフ響くな」とか「何かいいな」とか、直感的に良いと感じたセリフは、漫画に限らずよくメモったりしますね。それで、どこかに使ったりしています。
――豊本さんや角田さんは、メモを取られますか?
豊本&角田:取らないです。
角田:あ、「ONE PIECE」 (尾田栄一郎/集英社) もいいセリフをメモったものを反映させてる、って言うのは聞いたことありますよ。
飯塚:それを聞いたことがあるうえで、自分はメモを取らない。
角田:うん、まあね!
東京03 角田晃広
- 少年漫画 ONE PIECE
- 4.4 (6897件)
時は大海賊時代。いまや伝説の海賊王G・ロジャーの遺した『ひとつなぎの大秘宝』を巡って、幾人もの...
写真:下山展弘
プロフィール
東京03 (とうきょうぜろさん)
飯塚悟志・角田晃広・豊本明長の三人からなるお笑いトリオ。2003年結成。究極のリアル系コントと呼ばれる、徹底した日常系コントを武器に、キングオブコント2009では初出場で王者の座に輝いた。単独公演は毎年すぐにチケットが売り切れてしまうほどの人気っぷり。
◆東京03 プロダクション人力舎 公式プロフィール
http://www.p-jinriki.com/talent/tokyo03
◆TOKYO 03 Company-東京03オフィシャルアプリ
https://itunes.apple.com/jp/app//id1328847843?mt=8
◆東京03 飯塚悟志 公式Twitter
https://twitter.com/iizuka03
◆東京03 豊本明長 公式Twitter
https://twitter.com/toyo03
◆東京03 角田晃広 公式Instagram
https://www.instagram.com/akihiro_kakuta/
※上記リンクは外部サイトに接続します
小学生編(1):サッカーボールを友達に育った少年、大空翼は小学6年生。南葛小に転校してきた翼は...