【葵わかな・竹財輝之助インタビュー】ドラマ「年の差婚」W主演が語る、年の差夫婦に大事な“歩み寄り”と“会話”
更新日:2021/01/04 10:00
12月15日(火)より実写ドラマが放送中の「年の差婚」(中間淳生)。20歳差の夫婦をW主演する葵わかなさん(22)と竹財輝之助さん(40)に、本作を通して“年の差婚”の印象は変わったかインタビューしました! 実はお二人、かなりの漫画好きだったようで……。
(左)竹財輝之助さん (右)葵わかなさん
舞衣子の真っ直ぐな姿勢に、共感とトキメキ
──「年の差婚」のドラマ化とキャストが発表された際、主演のお二人が原作キャラクターの舞衣子(まいこ)と晴海(はるみ)にぴったりだ、という声がネット上にあがりました。似せるために何か工夫はされたのでしょうか?
竹財:髪を切りましたね(笑)。
葵:私も髪、切りました(笑)。色も原作の舞衣子に近づけようということで、3回もヘアカラーをして試行錯誤しました。
主人公・村上舞衣子を演じる葵わかなさん
竹財:あと晴海は44歳なんですけど、僕は見た目より若く見られちゃうんで。もっと顔立ちがカリッと、シワが出るように体重を落としましたね。晴海のように走ってみたり……でも走るの嫌いなんで2週間ぐらいでやめちゃいました(笑)。
──内面的にキャラクターに寄せようとしたことはありましたか?
葵:舞衣子とは年齢が近い【※1】からか共感する部分も多くて。わざわざ「ここを似せなきゃ!」と強く意識することもありませんでした。すごくやりやすかったです。
※1 原作コミックで舞衣子と晴海は29歳と44歳だが、ドラマの設定上は22歳と44歳。
もうひとりの主人公・花里晴海を演じる竹財輝之助さん
竹財: 僕も料理やったり体動かしたり、もともと共通項があったので、役作りはそこまでしませんでした。晴海ほど優しくはないですけどね(笑)。あとは今回監督のお一人である廣木隆一さん【※2】が“現場にいること”を重視される方なので、そこは大事にしていましたね。抽象的な表現になってしまいますが、ちゃんと地に足をつけてカメラの前に立って、"そこに存在する”ことを意識するというか。
※2 廣木隆一さん:日本の映画監督。恋愛映画の名手とされ、2010年代以降は「娚の一生」 (西炯子/小学館) 、「ストロボ・エッジ」 (咲坂伊緒/集英社) 、「オオカミ少女と黒王子」 (八田鮎子/集英社) 、「PとJK」 (三次マキ/講談社) 、「ママレード・ボーイ」 (吉住渉/集英社) など、少女漫画原作の映画を多く手掛けている。
──舞衣子について印象に残っているシーンは。
葵:お見合いから3回目のデートで、晴海さんへ自分の想いをぐいぐい押し出してプロポーズしてしまう場面です。舞衣子の攻め方は特殊なほうですが、元気で明るく前のめりな感じがいいです。自分自身、消極的というよりは何事も前に進んでいきたいタイプなので、すごく共感しました。
竹財:僕は舞衣子の「思ったことを口に出しちゃうところ」が好きですね。裏を感じない。なんでも表に出しすぎて、ちょっと!って思うこともあるんですけど。
葵:ふふっ。
竹財:その画策できないところが、チャームポイント。
葵:でも3回目のデートシーンは、原作を読みながら「演じるのが難しそうだな」と感じていました。漫画ではかわいらしいのに、実際に演じてみるとすごく変な人に見えちゃうんじゃないか。視聴者の方々に、舞衣子は変わっている部分はあるけれども、それは一生懸命さの裏返しなんだな、とわかってもらえるか。本ドラマで乗り越えるべきシーンとして、自分なりにドキドキしながら演じました。
竹財:かわいかったよ!
葵:本当ですか(笑)。
大人の包容力と少年の心 晴海の絶妙なバランス
──竹財さんは、晴海について共感した部分はありますか?
竹財:何もしていないのに腰が痛いとか、なんで肩凝っているんだろう、って悩むのはすごく共感しましたね(笑)。本当にあるんですよ、急に階段でコケて「あれ?」とか、頭と体のズレを感じる瞬間が。
──恋愛の部分では、いかがでしょう。晴海は年上ならではのコンプレックスをよく感じています。
竹財:知識がある分余計なことを考えちゃったり、知らないうちに守りに入ったりするのは、晴海の良いところでも悪いところでもあるのかなぁ。相手のためを思ってやったことが、実は苦痛を与えていたり。でも、それを舞衣子さんに指摘されて納得できる寛容さをもっているのが、晴海のいいところですよね。
葵:あと晴海さんのすごいところって、舞衣子より20年も長く生きて多くのことを知っているのに、それを鼻にかけない部分。何か言うにしても、舞衣子がこれから経験してく未来を潰さないでいてくれます。知っていることを教えたくなるのは自然ですが、ダメなときもある。その塩梅がとても上手ですよね。
なのに舞衣子がわたわたしていると「どうどう」って制してくれたり、意外と少年の心も持ち合わせていたり……こんなうまいバランスの44歳男性、いるのかしら!?と年下から見ても思います。
竹財:できすぎですよ。中間先生の願望が入っています(笑)。
葵:少女漫画ですし、女子の願望が詰まっているんですよ。
──女子代表として晴海にキュンときたセリフやシーンはありますか?
葵:舞衣子がお昼休みに晴海さんの会社に押しかけてしまうシーンがあるんですけど。普通だったら迷惑に思われてもしょうがないところを、晴海さんは冷たく突き返すんじゃなく、どうしたのか話をちゃんと聞いてくれるんですよね。お家でも舞衣子の楽しかった話を聞いてくれ、家事もすごくやってくれるし……本当にいい旦那さんだなと思います。
──今回役を演じてみて、「年の離れた方とお付き合い/結婚する」イメージに、変化はありましたか?
竹財:もともと僕は人とのお付き合いに年齢を考えたことがなかったので、違和感はなかったです。ただ今回演ってみて、お互いが歩み寄れれば年の差なんて関係ないんだなと思いましたね。
葵:会話、大事ですよね。舞衣子と晴海さんは家で仕事の話をする場面も多いんです。ちょっと前の夫婦像は結婚したら男性は働き、女性は家にいてというイメージだったと思うんですけど、本作ではふたりとも結婚後はバリバリ働いていて、社会に出ています。それぞれの職場でいろんなことがあるなか、家という新しい居場所で、仕事の話をわかりあえている感じ。
44歳の晴海さんは、自分の父に年齢が近くて。正直今まで20歳上の人とお付き合いするイメージはもったことがなく、現実味がなかったんですけど。今の人なら年の差婚をするとしても、仕事の悩みなど男女で共通する部分を持っていそうです。そして大事なのは年齢じゃなくてお互いを見ていることなのかなと、役をやってみて思いました。
撮影の休憩中も漫画を読む2人 好きな作品は?
──普段から漫画は読まれますか?
葵:読みます……! 少女漫画も少年漫画も読みます。子供の頃からずーっと漫画っ子で。「りぼん」(集英社)や「ちゃお」(小学館)から入って、高校生になってお小遣いが増えたら単行本も買えるようになって。最近は携帯で読むことが多いです。「めちゃコミ」も読んでいます(笑)。
竹財:空き時間とかにけっこう読んでいたよね。
葵:読んでいました。インスタでも毎日作品を投稿している漫画家さんとかいらっしゃるじゃないですか。
──最近ハマった作品はありますか?
葵:お仕事で西炯子(にしけいこ)さんに密着したドキュメンタリー番組をナレーションする機会があって。西炯子さんの漫画は最近すごくハマっています。
竹財:西炯子さんの作品、いいですよねー。
葵:あとは実写ドラマ化した「初めて恋をした日に読む話」 (持田あき/集英社) 。私、子どもの頃から持田あきさんがすっごく好きで大ファンで、作品を集め続けています。
──特に好きな作品はありますか?
葵:えーーーー、悩みますね(笑)。最近連載されていた「スイートソロウ」 (持田あき/集英社) というオムニバス連作が好きでした。西炯子さんも中間さんもそうなんですけど、みなさん女性を魅力的に描くことに長けてらっしゃる印象で。かっこいい女性だったり、誰もが共感できる女性だったり。憧れてこういう人になりたいと思わせてくれるキャラクターがどの漫画にも出てくるところが好きです。
竹財:僕はほぼ雑誌で読んでいます。「週刊少年ジャンプ」(集英社)、「週刊少年マガジン」(講談社)、「週刊ヤングジャンプ」(集英社)、「週刊ヤングマガジン」(講談社)、「ビッグコミック」(小学館)……とかとか。
──お二人ともかなり読んでらっしゃいますね。
竹財:「転生したらスライムだった件」 (伏瀬・川上泰樹/講談社) はずっと好きですね。原作の小説を読んでいるので展開は知っているんですけど、自分の想像とは違う絵を描いてくださるので、漫画で読むとまた違う楽しみがあります。文章だとあれだけ長かったのに6コマで終わらせているの、すげーな、とか。
「ゴブリンスレイヤー」 (原作:蝸牛くも(GA文庫/SBクリエイティブ刊)・作画:黒瀬浩介・キャラクター:神奈月昇/スクウェア・エニックス) もおもしろいですねー。主人公は一切カブトで顔が見えませんが、演りたいですもん。
竹財:あとは「ヒル」 (今井大輔/新潮社) も好きですね。大学生が学校に行っている間とか、住人が不在中の家を渡り歩いて生活している人たちの話なんですけど。ちょっとエグい要素もあるんですが、現実にありえない話でもない、社会問題性もあって。すごく面白かったので、もう少し自分が若かったら演じてみたかったですね。舞台でもやれる作品だと思います。
──最後に、ドラマへの意気込みをお願いします。
葵:漫画原作のドラマなので、ビジュアルなど原作をリスペクトしつつ演じさせていただいているのですが、ドラマオリジナルのキャラクターやストーリーもあります。舞衣子と晴海さんの雰囲気を原作から持ってきつつ、ドラマでしか出せない二人の雰囲気や関係性も描けているんじゃないでしょうか。原作との違いを楽しんでいただけたらと思います。
竹財:タイトルから“年の差”を意識しちゃうと思うんですけど、演じている最中に年の差をまったく感じなくて。晴海と舞衣子さんはすごくかわいらしい夫婦だなと思いました。そのほんわかした雰囲気を楽しんでもらえたらなと思います。僕も漫画が好きなので、実写化って「漫画と違うじゃん」って思うことが多々あるんですけど。実際の人間、生きている二人が演じているのを通して、漫画にはないところを楽しんでいただけたらと思います。
葵さんも竹財さんも漫画が好きだからこそ、ドラマにしかないできないエンタメを作ろうと役に取り組んでいることがひしひしと伝わってきました。漫画版とドラマ版、見比べつつ、それぞれの楽しみ方をしたいですね!
編集:有限会社ノオト
撮影:小野奈那子
プロフィール
葵わかな(あおいわかな)
1998年生まれ。神奈川県出身。スターダストプロモーション所属の女優。 NHK連続テレビ小説「わろてんか」(2017年10月)のヒロイン・藤岡てん役をはじめ、 TVドラマ、映画、舞台、ラジオ、ナレーションCMなどさまざまな分野で活躍している。 ミュージカル「アナスタシア」(2020年3月)ではアーニャ役としてミュージカル初主演。また、2021年にはWOWOW連続ドラマW「インフルエンス」、ミュージカル「The PROM」に出演予定。
◆葵わかな スターダストプロモーション公式プロフィール
https://www.stardust.co.jp/section1/profile/aoiwakana.html
◆葵わかな 公式Twitter
@AoiWakana0630
◆葵わかな 公式Instagram
@aoiwakana0630
竹財輝之助(たけざいてるのすけ)
1980年生まれ。熊本県出身。スターダストプロモーション所属の俳優。2004年に「仮面ライダー剣」の白井虎太郎役で俳優デビュー以降、TVドラマ、映画、舞台、CMと多岐にわたって活躍している。関西テレビ「東京男子図鑑」(2020年5)では主人公・佐東翔太の20歳から43歳までを一人で主演。2018年にボーイズラブ漫画を原作とするFODドラマ「ポルノグラファー」の主人公・木島理生役が話題に。2021年公開の映画「劇場版ポルノグラファー~プレイバック~」で同役を主演する。
◆竹財輝之助 スターダストプロモーション公式プロフィール
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◆竹財輝之助 公式サイト
https://official.stardust.co.jp/takezai/
◆竹財輝之助 公式Twitter
@terutakezai