東京03インタビュー(後編): 豊本さんが作った唯一のコントは漫画からインスピレーションを得ていた!?角田さんの熱い音楽魂ルーツも明らかに!!
更新日:2019/06/18 10:00
卓越したコントで観客を魅了し続けるお笑いトリオ・東京03。コント職人の飯塚さん、音楽畑(?)の角田さん、プロレス好きの豊本さんと、独特な個性を持つ三人が選んだ珠玉の漫画作品やコントと漫画の関連性とは?
幻の名作コントは「銀河鉄道999」の影響大!?――豊本明長
東京03 豊本明長
――豊本さんには「銀河鉄道999」 (松本零士/小学館) を挙げていただきました。
豊本:ちっちゃいころからすごく好きな作品です。再放送のテレビアニメが流れていたから、小学校から帰ってきたらいつも見ていました。当時は、僕からすると冒険ものやSFを楽しむ感覚で見ていたんですけど、ある日原作漫画があると知って興味が湧いて、本屋で全巻買ったんですよ。
――まとめて買われたんですか?
豊本:まとめて買いました。アニメはあんなに何度も見ていたのに、実は最終回を見たことがなかったんですよね。周りの友達も「銀河鉄道999」 (松本零士/小学館) は見ていたけど、最終回は誰も知らなくて。だから、漫画で初めて最終回を読んだときはびっくりしました。999号が停車する星のひとつひとつも面白かったので、大人になって読んでも楽しめる漫画だと思います。
――特に印象的だった星はありますか?
豊本:夜になると身体が光る体質を持った人たちが住む星です。全身綺麗に輝ければ輝ける人ほど、その星での地位が高い。逆にまだらに光ったりする人は、醜いと虐げられる。そんな星に、アニメーションの演出家を目指している女の子がいて、その子はまだらにしか光れないから地位が低いんだけど、いつか自分で描いた絵コンテを映画化して地位を築きたい、と考えてるんです。
飯塚:へえ、面白そう。
豊本:主人公の星野鉄郎(ほしの てつろう)は、その子と仲良くなって、彼女の描いた絵コンテを評価してお金をあげる。そしたら、その回のエンディングで彼女の作品が上映されて、そのタイトルの横には“星野鉄郎君に、この一遍をささげる”…というような記述があったというんです。
- 少年漫画 銀河鉄道999
- 4.4 (229件)
飯塚:「銀河鉄道999」 (松本零士/小学館) って、結構昔の作品ですよね。そんな昔から、こんな名作があるんだ。子供の頃は銀河を走る鉄道、ってところだけに食いついて、ストーリーの重さや深さなんてわからなかったですからね。今改めて読んだら面白いのかもしれない。
東京03
飯塚:…そして、今ふと思い出したんですが、豊本と二人のコンビ時代に単独ライブを一回だけやったことがあって、そこで一本だけ豊本が書いたネタをやったことがあるんですよ。そのコントが『機械の体』っていうタイトルで、思いっきり「銀河鉄道999」 (松本零士/小学館) からインスパイアされてたんだなと思いました。しっかりアウトプットしてんな!
豊本:してますね(笑)。
飯塚:豊本が書いてくれたから一応やったけど、めちゃめちゃパクリじゃん!
――そんなところに松本先生の影響が…。
豊本:かなり直接的ですけどね。
飯塚:松本零士先生から。
豊本:バケツリレーのように。
飯塚:確かに、完全にバケツリレーだわ(笑)。
東京03
――豊本さんには「東京都北区赤羽」 (清野とおる/Bbmfマガジン) も挙げていただきましたね。
豊本:ちょうど人から「面白いよ」と勧められて読み始めたタイミングで、たまたま作者の清野とおる先生とお仕事でご一緒する機会があったんです。そしたら清野先生は何と東京03のDVDを全部持っていると言ってくれて、それから仲良くしてもらってるので…癒着の宣伝も込みで挙げてます(笑)。
豊本:東京の赤羽エリアに住んでいる不思議な住民たちを、本当に愛情をもって描かれていて。フィクションとノンフィクションの間というか、こういうジャンルの漫画もあるんだ、という意味でもびっくりしました。読むと何とも言えない不思議な感覚になる漫画ですね。
――大のプロレス好きで知られる豊本さんですが、やはり子どもの頃はプロレスの漫画も読まれていましたか?
豊本:はい。「プロレススーパースター列伝」(梶原一騎・原田久仁信/グループ・ゼロ)とかを読んでワクワクしてました。地獄突きという技は、石を焼いたところに手を入れて、耐えながら鍛えるんですよ! 「プロレスラーって、マジでこんなことしてるんだ…」と驚きました。
東京03 豊本明長
――音楽畑の角田さんは、どんな音楽遍歴を辿られたんですか?
角田:最初は『ザ・ベストテン』や『ザ・トップテン』とかの歌番組を見て、歌謡曲が好きになりました。特に杉山清貴さんがすごく好きで、最初に買ったカセットテープも杉山さんでした。その後、長渕剛さんが主題歌を歌うテレビドラマ『親子ゲーム』や『親子ジグザグ』を好きになったんですけど、『親子ジグザグ』の主題歌が「ろくなもんじゃねえ」だったんです。すごくかっこいいなって思って。特に、歌詞にある「ぴいぴいぴい」の歌い方が斬新で、「なんだ?『ぴいぴいぴい』 って!? 聞いたことない!カッコイイ!!」って、そこから長渕さんに憧れたんですよね。
――歌番組の『ザ・ベストテン』にはたくさんアイドルも出てましたが、「アイドルになりたい」っていう方向にはならなかったんですね。
角田:そういうのはなかったですね。長渕剛さんのライブビデオで、コンサートが終わった後のオフショットが収録されるんですけど、ホテルの部屋の窓を開けて、適当にギターを弾いてるシーンがあったんです。そのとき外が曇りで「Wo~Wo~クラウディ~♪」とか長渕さんが即興で歌ってるんですけど、ふっと振り返ってスタッフに「あれ?クラウディって曇りだったっけ?」と聞く…その感じがたまらなくかっこよくて。そこから、ギターを覚えたいと思って始めたんです。
――飯塚さんや豊本さんとは随分温度差がありますね。
角田:別の道を通ってきちゃったんでね!
――角田さんという新しい要素が加わったからこそ、活動が軌道に乗ったという面もあるんでしょうか?
飯塚:完全にそうですね。豊本と僕の二人で活動してきて、そこに足りなかったものを角ちゃんに補ってもらっている感じがします。「なんかダセえな、この人!」と思う瞬間が多いので、それをネタにさせてもらってるというか。今の音楽の話も丸々ダサかったじゃないですか。
角田:そんなことない! カッコいいじゃないの。ずっと憧れなんだから。
飯塚:まず“クラウディって曇りだっけ?”っていうのに憧れて…というのがまったく共感できなかった。で、そこから“俺ギター覚えたい!”って流れがもう。角ちゃんのこの感じが「ずっとダサくて面白いな~」って思ってます。
東京03
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インタビュー中も、角田さんと豊本さんのコメントにツッコミを忘れない飯塚さん。まるで生コントを特等席で見ているかのようでした。漫画を始め、さまざまなことからのインプットを怠らない東京03さんの、今後の活躍に目が離せません!
写真:下山展弘
プロフィール
東京03 (とうきょうぜろさん)
飯塚悟志・角田晃広・豊本明長の三人からなるお笑いトリオ。2003年結成。究極のリアル系コントと呼ばれる、徹底した日常系コントを武器に、キングオブコント2009では初出場で王者の座に輝いた。単独公演は毎年すぐにチケットが売り切れてしまうほどの人気っぷり。
◆東京03 プロダクション人力舎 公式プロフィール
http://www.p-jinriki.com/talent/tokyo03
◆TOKYO 03 Company-東京03オフィシャルアプリ
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◆東京03 飯塚悟志 公式Twitter
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◆東京03 豊本明長 公式Twitter
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◆東京03 角田晃広 公式Instagram
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