みんなのレビューと感想「あそびあい」（ネタバレ非表示）

削ぎ落とされた共感

「恋のツキ」から飛んできた。

「恋のツキ」同様、この作品も、一般的な意味での「共感」を削ぎ落としたヒロインで勝負している。
普通、「いかに登場人物に共感・感情移入させるか」で勝負するものなんじゃないか。
そういう意味では変化球もいいところなのだが、それでも読ませる力量は本当に大したものだと思う。

ヒロインの小谷は、通常の価値観からは外れてはいるけれど、そこに、一貫性はある。
ぶれていないのだ。
だからだろうか、私は、小谷を嫌いにはなれなかった。
まあ、好きにもなれなかったが、そんなのは作者の想定内だろう。

そして、山下である。
こいつも本当に駄目なのだか、この少年の小谷への想いは、恋愛のひとつの本質を突いてもいる。
周りは、言う。
「そんな女、やめとけ」と。
読者も、言う。
「もっといい娘がいるじゃん」と。
でも、そんなの、関係ないのだ。
「だって俺は小谷が好きなんだもん」、ということだ。
愚かである。
しかしその愚かさは、私のものであり、もしかしたら、あなたのものでもあるのではないか。

誰に何と言われても、あるいは自分自身ですら、「この娘とじゃ幸せにはなれそうもないな」とわかっていても、それでも、この人がいい。
「この人と幸せになりたい」、それも、恋だろう。
けれど、「不幸になるとわかっていても、この人がいい」、それも、恋じゃないのかな。
私はそう思うから、山下の愚かさを、笑えなかった。

絵は古風なのに、内容は今の若者をうまくとらえていると思います。
私には共感できないけど、こういう感覚の女の子って、多いんじゃないでしょうか。
恋のツキは、浮気をしないと思っていた女性が、状況に飲まれて、逡巡しながらも新鮮な環境に惹かれて流れてしまう様子がうまく描かれてますが、こちらは悪気のないタイプ。そこまでの魅力があるかどうかは別にして、近くにいたらイヤですね…

高校時代の。

高校生のころ、和風で少しキツめの美人のクラスメートがりました。モテました。彼氏は作らない。「1人に決めたら、オトコが寄ってこないでしょ」彼女は軽く言いましたけど、女子は眉間に皺よせてザワザワ。私の母は、「ソレは正論だ。」と。彼女、あれからしあわせになれたのかな。親戚なんだけど遠縁で。そんなことを思い出しました。

男女

この作家さんの作品は面白くて好きです
今回は、高校生の生々しい関係が面白くて
小谷さんは、好きでもない相手と関係をもってしまう
誰にも執着しないタイプの子みたいです
こういうタイプの子が増えてるんですかね？
専門家の先生ならどんな分析するんでしょう？

人それぞれの倫理観

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周りの目とか、相手への罪悪感とか、恐怖心がまさって自分は小谷みたいな行動は取れないけど、理性を捨てて好奇心とか経験値とかしか考えない人間になったら小谷みたいな行動とるのかなって思うと怖い。たまたま好きになった人が倫理観バグってたら最悪だなって思った。

難しい

私は小谷さんみたいな感覚は持っていないので共感はしにくいけど、自分の心に素直に生きてるんだろうなぁというのはわかる。そんな小谷さんが好きで、振り回されても「だって好きなんだからしょうがない」ってなっちゃう山下くんの気持ちもすごくわかる。難しいですねえ。

この方の作品は独特

この方の作品のヒロインって独特で、きっとまだまだ理解されない部分があると思うし、確かに不快と思う人もいると思う。けど反面、こーゆー人間もいるのかな、それも悪くないのかな、と考えたりもする。

いるいる

こういう女の子リアルにいますよ。友達には絶対したくないです。男とられますから。山下くん、目を覚まして！！！って思いながら読みすすめちゃいました。あ、でも山下くんも中々…この下世話な感じが面白い作家さんだと思います。

性にだらしないと言えば聞こえが悪いけど、本能のままに行動する子だと思う。
きっとこんな子は本当に男性から好かれるんだろう。
だって女性特有の、変な仲間意識とかネチネチギスギスがないから。
私は嫌いじゃない。

奔放な女の子けど憎めない

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色んな男の人とエッチしてしまう女の子。普通だったら嫌われるけど、不思議と憎めない。そんな彼女を本気で好きになってしまった男が可愛かった。