5.0
愛するものの目は誤魔化せない
そっくりな従姉妹が入れ替わるという結構設定としてはありがちな話です。でも、読むと心がスッとするしじーんときます。
この物語の登場人物たちは物語の当初どこか盲目で、自分の殻に閉じ籠っていました。
婚約者がいるのに、好きな人しか見えないジョアンナ。
結婚したくない相手のもとに嫁ぐ途中、ジョアンナに身代わりを頼まれなされるがまま生きているジニア。
そして国政を大臣になされるがままになりやる気を失ってしまった王子イシュトバーン。
実はこの似てる従姉妹以上に、この話はイシュトバーンが主役と言ってもいいほと、成長します。
イシュトバーンは成り済ましに気がつきません。
ジョアンナとは政略結婚で愛していないから。
でも、入れ替わったジニアと接していくうちに大臣の好きなようにさせていた国政に目を向け始めます。いえ、本当は胸のうちにあった情熱と勇気をジニアに引き出してもらうという感じです。
とにかく、ジニアとイシュトバーンは様々なことを通して絆を深め、愛し合うようになります。
国政を牛耳っていた大臣も悪事が露見し、ハッピーエンドに向かいます。
が、そこで入れ替わっていたジョアンナが戻り…。ジニアは静かに去ろうとしました。
けど、イシュトバーンは今度こそ見破ります。
ひと目でわかったのです。ジニアとジョアンナの入れ替わりに。
それは彼がジニアを心から愛しているからですよね。
とにかくイシュトバーンとジニアが一緒にいられる事になってよかった。
ちゃっかりジョアンナもうまくいったところも良かったですね(^^)
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