みんなのレビューと感想「鬼虫」(ネタバレ非表示)

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- 全62話完結(53~58pt)
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5.0
この人間くささがたまらなくいい!
火山活動がある小さな島のお話。
荒波がたって、小舟だと転覆してしまう為、殆ど誰も近寄らない、閉鎖された空間。
昔の人はもちろん「神様が怒っていらっしゃる」としか思わない。
そんな中、昔海に流されて死んでしまったヒロインの姉に似た人が流されてくる。
その流されてきた女が、本土から流れてきたので、知識も豊富で、いつか本土に帰る野心に燃えていて、島の人間を利用する。
最終的に島の人は大きな船を作り、島を脱出するのだけれど、そこまでのやり取りがとても人間臭くて、心理描写がとても心に迫る描き方で、引き寄せられます。
他の作品も読んでみたい。by となりのトロロ-
8
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4.0
面白い。
ここまでの性悪女(悪女)を見たのも久しぶり。ワルっぷりと言うか悪人っぷりが際立ってる。映画やドラマにしたら、完全に主人公が食われてしまうほどの存在感になると思う。(脚色されず、忠実に描かれたら、の話)
あの悪女にスポットを当てたストーリーであれば、ただただあの島を出て育った都(故郷)に帰りたかっただけなのかもしれない。トラゴの愛情と思いやりと想いが、結果的にそれを阻んでしまったのも、運命の悪戯だろうか…by 匿名希望-
7
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4.0
認めるしかない
以前、この作者の「花園メリーゴーランド」という作品に星五つをつけたのだが、はっきり言って私は「花園メリーゴーランド」が全く好きではない。
好きではないのに星を五つつけた漫画、というのは、そんなにないと思う。
本作を読んではっきりしたことは、ミもフタもない言い方で申し訳ないが、私はこの作者の漫画が全然好きではない、ということだ。
しかしながら、この人の漫画の技量は、認めざるを得ない。
「花園メリーゴーランド」は、前近代的で閉鎖的な村社会における人間たちの姿を描いた。
本作はさらに舞台が退行(差別的な言い方だが)して、文明ほぼ皆無の島社会である。
何がすごいって、作者がどんな人生を送ろうが閉鎖的な村社会と島社会の双方を「経験」したはずはさすがにないと思うのだが、どちらも異様なリアリティーと迫力をもって描かれている点である。
いったいどういう種類の想像力を持ち合わせているのか、マジでわからない。
何でこんなものが描けてしまうのか。
「花園メリーゴーランド」も、本作も、表現されていることは、基本的には同じだ。
それはつまり、人間という存在の、薄汚くて生臭い、綺麗ごとでは済まない生命力みたいなものだと思う。
作者がそれを肯定しているのか皮肉っているのか、私にはイマイチ、わからない。
おそらくそのどちらでもなくて、人間というものを、ただ見つめる、というのに近いと思う。
また、「花園メリーゴーランド」も本作も、一見すると現代社会とは縁遠く見える特殊な社会の人間模様を描くことによって、結果的に、現代社会の本質を照射する、というような、何だか社会学の論文みたいなことを漫画を通じてやっている気がするのだが、そのへんはもう、難しすぎて、私にはわからない。
いずれにしても、この作者の表現方法というものが、個人的には決して、好きではない。
それでも、この異常な想像力と筆力は、どういったって認めるしかない。by roka-
3
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5.0
こういう中世日本のなかで原始を感じるような世界観が大好きです。昔は今よりずっと地方間で文化の違いがあったんだろうな。進んでるとか遅れてるとかではなく、「違う」。
作品は初めの頃の大自然相手に逞しく生きる島の生活の雰囲気から徐々に対自然ではなく対人間でしのぎ合い争う感じ、自然そのものが驚異になるも感じ、スピード感もあり一気に読めました。
絵については男女とも色っぽくて好きです。特に唇。by 匿名希望-
2
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5.0
文明の衝突
都市と地方というモチーフが前作の「花園町メリーゴーランド」と同じなのですが、前作が都市から地方の村社会に来た異端者の視点だったのに対して、こちらは都市の文明社会から訪れた異端者に振り回される原始的な孤島の住民たちの視点で描かれています。
時代が平安時代とはいえ、稲作もないような絶海の孤島と、先進文化が発達していた都では文明の発達レベルが違う。
まさしく文明と文明の衝突です。
そして自然災害という危機が重なり、人間のエゴイズムや欲望がむき出しになっていく。
非常に壮大な物語といえます。by ジーン・ハワード-
0
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5.0
人物描写と生命力と躍動感と
柏木ハルコ先生の「花園メリーゴーランド」の常識を破壊する感覚とエロスという名の生命力が心地よかったので、「鬼虫」も全話読みました。こちらの話も抽象的にストーリーは同じです。要は、我々の現実とは違う文化を営んでいる集団に、我々の現実と近しい人間が放り込まれたことによって起こる騒動の人物描写と生命力、躍動感が素晴らしいです。
by おちょぼん-
0
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5.0
女性が力強く美しい
タラゴの心の美しさと強さが何と言っても魅力的。理解しやすいストーリーで一気読み。姉ぇが流されるのは最初から衝撃的、そしてラストも後味が良いわけではない。火山が爆発して舟で島を脱出する際は人間の本質が見える。
この作者さんの作品って独特だなー。by 匿名希望-
4
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5.0
歴史漫画
柏木ハルコ漫画ではこれが一番好きです!子供の時に海へ流されてしまった姉…後に島に流れ着いた女性は姉なのかどうかは謎のままですが、この女、とってもしたたか!それに従う男も男。最後は何やってんだよ、もう!って言いたくなるけど、人口が増えたのってもしかして…とか色々想像しちゃう。形から見て、島も実在するあの島ですよね?とか…
by ドレッチ-
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5.0
飢えと信仰
花園メリーゴーランドが好きで同じ作者が描いたこの鬼虫。
読んで損はないから是非一読を。
先が見えない究極の状態での一途の光を求めるも者。変化を嫌い昔からの伝統を守る者。
知識も他の世界を知らない者たちが新しい世界へ一歩を踏み入れる時ってこんな感じなんだろうと思う。
よそ者は敵な事が多かったんだな。by hmksn-
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5.0
おもしろいです!
花園メリーゴーランドを読んで、他の作品も気になって読みました。
幼い頃に海に流されたトラゴの姉。その姉にそっくりな女が島に流されてくる。すると島にいろいろな災難が…。流されてきた女が何者なのか気になって夢中で読みました!終わり方も秀逸。一気に読んでしまいました。by ベラリゲス★-
1
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