3.0
30歳シンママにしては常識なさすぎ?
全話読みました。
この作家さんの「冷たい上司」シリーズ好きなのですが、この話はイマイチでした。
主人公の史織があまり魅力的に思えなかったです。
30歳で2歳の娘を持つシンママにしては、フワフワしていて頼りないし、常識がなさすぎる。
渚から忠告されたにも関わらず、街でもらったティッシュに書いてあるような悪徳業者にひっかかっちゃうし。
元旦那に娘を取られると思って夜逃げ同然で家飛び出しちゃうし。2歳児連れなのに無計画すぎ。
10代の若い子ならともかく、いい歳して大丈夫かしらと。
このヒロインは「母親」である前に「オンナ」なんだろうな、というのが随所に見られて、ある意味生々しいです。
お風呂あがりに鏡に映る自分の姿を見つめて「あと何年ひとりなんだろう、怖い」というモノローグが象徴的でした。
このヒロインは愛娘と一緒に暮らしていても、夫なり彼氏なりのパートナーがいなければ「ひとり」だし、「ひとりは怖い」という発想なんだなと。
そういう感覚は、良いとか悪いとかではなく、等身大でリアルだなと思います。
渚は史織を一途に思い続けるのですが、読者からするとそもそも史織が魅力的に見えないので、なんで史織に固執するのか分からない。
物語は10年後に2人が結婚してハピエンです。
裁判はともかく借金返済で10年?
渚はそれまで待ってくれたってこと?
渚は36歳、史織は40歳ですね。
渚は史織と自分との子どもが欲しいとは思わなかったのかな。
借金返済は史織なりのけじめだと思うけど、結局そういう自己満足に振り回されるのは渚なんですよね。
子を成すことが全てではないし、史織にベタ惚れの渚にとっては史織といるだけで幸せなのでしょうが。
やっぱりヒロインが自分本位に見えてしまう。
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