【ネタバレあり】緋の闇のレビューと感想

繊細な絵と、ゾワッとくる巧みさ。

30年以上前、オーロラの見える日というコミックスを読んでから、すっかり津雲先生のファンです。繊細なタッチと、ヒロイン達のキラキラの目。
（目の中に星が入ってるような）

…すっかり懐かしい時代になって久しいですが、心理描写を巧みに描かれるストーリーは本当に古さを感じません。
作中に犯罪が絡んでいるものは、オバさんになった今読んでも、やっぱり恐ろしいです。
スマホがあろうがパソコンがあろうが、人が狂っていく過程って、そう変わらないんですよね。

父親による性虐待の話。最初に読んだのは数十年前。当時、これは昔の話で現代にはないだろうと思っていたが、尊属さつ人の法律を変えた実話を元にしたものであっただけでなく、今もどこかで同じようなことが起きていることにショックを受ける。子どもには、200%非はない。狂った支配欲に反吐が出る。周囲の曇った目と自己防衛も。重くきついテーマだが、こうした現実に目を背けてはいけないと訴えかけてくる作品。

これ、実話を元にしているんですよね。これで日本の法律が変わった重大事件。

正直、読むのがしんどいのですが、現在でも起こっている問題。これが少女雑誌に載っていたというのも衝撃ですが‥。丁寧に心情が描かれて、読み応えのある作品です。

緋の闇は昔読んだことあり、あまりにも主人公がかわいそうで購入しませんでした。
風の中のオーバルの雅子さんも、その年代でなかなか経験しないような過酷な運命ですが現実にも吉田のような汚い大人いるでしょうね。漫画の中の話しですが吉田には天罰がくだれと思いながら読みました。

内容がハードでしたが
思わず買ってしまい一気に読んでしまいました。
現代でも起こりうる事件？
のように思われました。