3.0
モノノケ庵を通じた妖怪との楽しいお話
モノノケ庵は小さな茶室で、現世(うつしよ)と隠世(かくりょ=妖怪の世界)を結ぶ場所になってます。
茶室特有の小さな戸と普通の大きさの戸があって、小さい方は隠世に通じ、普通の大きさの方はドラエモンのどこでもドアみたいに現世のいろんな場所に通じていて、読んでいて楽しいアイデアになってます。また、モノノケ庵自体に意思があって、掛け軸に言葉が浮き出て会話ができます。
このモノノケ庵の主(阿部)と奉公人(芦屋)の、妖怪との関わりを描いているわけですが…、
芦屋に懐いている「モジャ公」は可愛いけれど、その他は、一話目に出てくる妖怪以外は、妖怪としてのインパクトが乏しくて、形が人間と少し違うだけで行動も話す内容も人とあまり変わりません。隠世の様子もちょっと変わった普通の古い町並で現世と雰囲気が大して違いません。
そんな妖怪たちと阿部たちとのやり取り(微笑ましい平和な話になってます)が延々と続いて、お化けや妖怪&ホラー好きな私としては、異世界の雰囲気を楽しめず満足できませんでした。
でも、星5や4の評価の人が沢山います。心の優しい不思議な生き物たちとの触れ合いの物語として、人によっては大変魅力的な温かい良い作品なのだと思います。
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