5.0
超人的な人間 VS 人を超えた存在
★5では足りない程の抜きん出た作品だと思います。
御様御用(おためしごよう)として刀剣の試し斬りのために罪人を斬る役目を負った山田浅右衛門を名乗る
一族は史実としてもその存在は知っていましたが ここではそれぞれ個性を持つ武闘派の役人集団として描かれています。浅右衛門側と対をなしてこちらもアクの強い個性と特性を持った罪人が幕府の命で不老不死の薬を探すためある島に送り込まれます。
島にいる人ではない何か、神にしてはおぞましすぎる存在と闘うため 罪人と監視役という関係性から
協力し気持ちを通じ合える仲間へと変化していきます。
圧倒的な強さの天仙様はじめ島の様々な異形の美しさと生々しい気味の悪さを併せ持つ造型や世界観が優れている上に、浅右衛門と罪人達それぞれの持つ強さや身体能力と 気持ちの揺れや成長など戦闘以外の場面もきちんと描かれています。時に幻想や回想も入り混じり渾沌とした中で 真に大事なものは何か 限りある命を生きることなどを問うような展開に引き込まれました。
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