3.0
レビューに迷う作品
25話までは見るに耐えない内容。階級意識、差別、女性蔑視等、皇九晟の言動、行動、特にメルに対する仕打ちは、本当に酷い。少女漫画で、ここまで描いてよいの?という感じ。
逆に、それ以降の九晟の溺愛、偏愛ぶりは、少女漫画向き。これでもかっていうほど、メルを甘やかして、最初と同じ話か? でも、九晟が悪いわけでもないよね。そういう環境で、そういう価値観で、そういう育てられ方をすれば、九晟みたいな考え方になっても不思議じゃない。
二人の関係をSMの関係に置き換えると、支配者はSである九晟。けれども、二人の関係を支配しているのは、実はメルのほう。そもそもメルは、立場上、身分上M的な役回りをさせられているけれど、決してMではない。社会情勢と環境、教育によって、人はこんなにも行動が変化するのかという、見たくないものを見せられているよう…。
作者さんがこの漫画を通して、何を伝えようとしているのか、今一つ読み取れない。愛は全てを乗り越える? そんなご都合主義が、今さら通用するとも思えない。好きな作品かと問われれば、諸手を挙げてそうだとは言い切れない。せめて、自分の中に「初めの頃の九晟」が存在しないことを祈りたい。
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