5.0
読むべき名作
特殊清掃業をやっている主人公がエンドという謎の猟奇さつ人事件に巻き込まれて行く話。
エンドを捕まえるまでの話かと思っていたが、捕まえてからの話も読み進めるのが辛くなるくらい各々の登場人物の心情描写が丁寧にされていて読み応えがあった。被害者家族、加害者家族、何も関係ない第三者、マスコミ…それぞれがとてもリアルに描かれていた。
臣と柳女については、最初は現場で致してしまうヤバい奴らという認識だったが、話が進むにつれてこんなにも愛着が湧き、胸が詰まる思いをすることになろうとは想像もしてなかった。
また、真人の奥さん(葵さん)の乳がんの話や、柳女の不妊症についても心情描写が丁寧で、作者はおそらく男性だと思うが何故こんなにも女性の気持ちがわかるのか不思議だった。
現実的な話の中に一つファンタジーな要素が入っているが、それもストーリーがしっかりとしているからこそ成立しており、「そういう存在も我々が認識していないだけであるのかもな」と思わせてくれる作品である。
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