かくして彼女は本の世界より彼女の世界に帰って来た。
しかしその世界もわたしたちか読んでいる本の世界。
さてそうなると現在わたしたちが居るこの世界も、 どなたかの御手から成る作品世界なのかも……?
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かくして彼女は本の世界より彼女の世界に帰って来た。
しかしその世界もわたしたちか読んでいる本の世界。
さてそうなると現在わたしたちが居るこの世界も、 どなたかの御手から成る作品世界なのかも……?
いちこさんのお母さんが亡くなったのは二人を引き戻すためだったと思ってしまいました。
以前わたしの従姉妹が夫婦の危機で実家に帰っていた時、夫さんの同居していたお祖母様が急に亡くなってそれをきっかけに婚家に戻れたことがありました。
従姉妹は見合い結婚でしたが、誰よりそのお祖母様だが従姉妹を気に入ってくれて決まった縁談だったと言います。
わたしはいちこさんのお母さん、見ていてあまり好感は持てなかったけれど娘の一大事に娘を導くために身を呈したのかなと感じました。
おとやんの「俺、お母さんのことけっこう好きだったよ。不器用だけど実直で強かった。」という言葉にいちこさんは救われたと思います。
わたし自身夫がわたしに真摯に向き合ってくれていないという不満や引いては夫への不信感から離婚さえ考えたことがあります。
でもそこから夫以外の人に惹かれるという発想はありませんでした。夫も同様だったと確信しています。
だからいくら公認だからといって不倫をすることには嫌悪感も抱きました。ストーリーについていけず中断した時期もあります。
それでもその後の展開が気になってまた再開しました。夫婦という形は取らなくても二人が居心地よく暮らせればいいのではないかというのがわたしの気持ちです。
ついでながら現在は義母の介護に献身的な夫にキュンキュンしています。(介護が萌えポイントになるとは思わなかった!)
夫婦(パートナー)との生活はいつどうなるか長〜い目で見ないとわからないものです。
アニエス嬢がベルナール卿のお母様に抱きしめられて涙を流しているシーンで思わずわたし自身ももらい泣きしてしまいました。
小さいうちにお母様を亡くしたアニエス嬢にとっては自分のことを心配してくれて温かく抱きしめてくれるのは本当のお母様のように感じられて嬉しかったのでしょうね。
義姉さんも彼女の素直さがよく感じられたのだと思います。
アニエス嬢の素直さと謙虚さ、そして常に感謝の気持ちを忘れない性格は周りの人の気持ちも暖かくしてくれます。
ベルナール卿の覚悟が早く整って故郷での結婚式が行われる日が一日も早く訪れるように願っています。
わたしは今話の紫乃さんの気持ち、とてもよくわかります。
大体こういう考え方をするのは自己肯定感が乏しく考え過ぎてしまうタイプです。
まして紫乃さんは婚約を結んだ際に社長令嬢という立場を利用してしまったという負い目があります。
さらに携帯漫画を自分が悪役の方だと解釈して読んでいるために橘さんの自分に寄せる好意も信じられずにいます。そのため言いたいことも自信がなくて素直に言えないのです。
一方で橘さんも自分の中で思っているだけなのに相手に伝わっていると考えているところがあります。
つまりはお互いが言葉足らずで負のスパイラルに入り込んでしまったのだと思います。
こうなったら自分の気持ちを相手に分かって貰えるまで地道に丁寧に言葉を尽くして行く他は無いと思います。
すれ違いや思い込み、周りからの干渉などを乗りこえて自分たちの素直な気持ちを勇気を出してさらけ出す日が一日でも早く来ますように、と祈らずにはいられません。
ヘレナが善良なのは今話でもよくわかったけれど、これまでの発言や態度を見てもエリスとは決定的に分かり合えない感じがする。
それはどちらかが悪いわけではなく今話の食事内容からも察せられるようにクラス(倉橋由美子さん的に)が元々違っているのだと思う。
分かろうとはせずにエリスのようにそういうものなのだと認めてしまうしかないのかも。
この回の紫乃さん、特に好きです。
社長令嬢じゃなくても人は社会と接していれば必ずあれこれ言われます。ただ境遇や才能に恵まれた人ほど良きにつけ悪しきにつけ人の言葉に曝される率は高いと思われます。
紫乃さんにしてみれば自分で望んでその境遇に生まれたわけではなかったでしょう。でも紫乃さんはそれを甘んじて受け入れているのです。逃げるわけでもなく反発するわけでもなく。
それは持っている者、恵まれた立場にある者が負うている義務や責任を覚悟している姿だと思います。
こう言うと悲壮感が出てしまいますが、紫乃さんはもっと軽やかにしなやかにこなしている感があります。それでもいっぱいいっぱいになってしまうことはあります。
同じ境遇を持つ橘さんならわかって上げられる部分がたくさんあると思うので、紫乃さんをこれからも励ましてあげて欲しいと思います。
9話の時に書きましたが、この婚約は紫乃嬢のお父上である社長が紫乃嬢の恋心を利用して、社長が考える本命が現れるまで橘氏に婚約者(という名目のお目付け役)を命じたのだとわたしは考えています。
橘氏の方もその時に提示された出世コースの条件を呑み「手は出さないでナイトとして紫乃嬢の婚約者を務める」ことにしたのではないでしょうか。
彼の言う「昔した自己中全開なこと」はそれを指しているのかも知れません。
密会場所となっていた資料室が婚約と同時に閉鎖されたのも社長のお考えだと思います。
「手を出さない」というのが社長命なので、軽いキスをしても紫乃嬢に「社長にはどうか秘密で」というし、まして8話のような状況になったことを花澤さんに察されたら口止めしないわけにはいかない。
でも一方で3年間もじっと純粋に待っていた紫乃嬢もさすがに行動に出始めます。
紫乃嬢の「ご期待に添」わなくては、と行動を起こした結果「絶対に抱かないつもりだったのにのにな」とか「困ったことにものすごくイイ」ことになって橘氏の心にも変化が出始めのではないでしょうか。
あるいは橘氏も紫乃嬢に元から惹かれるところがあってそれを「自己中」な打算で抑えていたのかも知れません。資料室(今は大会議室)でのキスが「昔の願望を叶えるため」と言うのはそれを指しているのかなと考えました。
とまれ橘氏の自己中な出世欲を音を立てて崩しかかっている紫乃嬢の乙女心、橘氏もそれを察しているからこそ「面倒な婚約者だよ。」と表現したのでしょう。
花澤さんは「打算まみれのわたしの恋心」と反省していましたが、花澤さんの存在がなかったらこの二人の恋は進展しながったかも知れません。少なくとも紫乃嬢の後押しをしてあげたのですから。
この先まだまだ山あり谷ありな予感がする二人の恋から目が離せません!
とんぼ=勝ち虫だと思っていました。
節のある無しでとんぼか勝ち虫かが決まるというのは勉強になりました。ありがとうございました。
それにしても現代の女の子はわたしの娘も含めてめっきり着物を着なくなりましたね。「タトゥー紙」には笑ってしまいましたが。
着物の方も例えば紬の振り袖なんていうのも現れている始末です。
夏のお着物を着る時は下着を無地にすることをお勧めします。あるお茶会でお運びさんの絽の着物から水玉模様の下着が透けて見えていたことがあります。
これは紫乃お嬢様が橘氏に好意を持っていることをお父上である加治屋社長が利用しているのではないでしょうか?
つまり社長は社長のお眼鏡に叶うお婿さん候補の本命が現れるまで橘氏にナイトとしての役目を命じているような気がします。
だから橘氏は積極的なキスも紫乃お嬢様から希望しない限りすることはなかったし「抱くつまりは無かった」。
けれど橘氏もお嬢様に本心では恋心を持っているからか、社長の命令でも絶対服従するつもりは無いからかお嬢様の求めにはお応えしてしまう。
となると花澤さんを追って行った理由は「口止め」ですよね!
紫乃お嬢様は自分を脇役だと考えているようですがどう見ても主人公です。社長令嬢が悪役ではないパターンのピュアな恋愛が叶うよう応援したいです。
作品の完結を受けてもう一度最初から読み直そうと思い立ちました。
けっこう忘れていたところや「え!こんな場面があったんだ!」と驚くところもあり新鮮な気持ちで読んでいます。
わたしはずっとザカリーさんにシンパシーを感じていたのですが、その理由がやっとわかりました。彼はとても夫に似ているのです。
ハンサムでもの静かで不器用だけれど優しいところやわたしに怒られてもじっと堪えるところ、そしてこの回で一緒に歩くと早すぎて小走りにならないとついていけないことを思い出しました。たびたび登場する大きくて骨張って綺麗な手もそっくりです。
我が身の悪妻ぶりも知らされたような気分ですが夫の素敵な部分をあらためて知ることができとても幸せな気持ちになりました。
このような気持ちを思い出させていただいて本当にありがとうございました。
悪女を殺して
102話
第102話 外伝5