5.0
何度も読み返したくなる名作です。
若い男性小説家の家に、縁あって住み込み家政婦として暮らすことになった高2の女子。偏屈にも見える若い作家と、父親の借金で帰る場所もお金もない少女。でも彼女は、頑張り屋で逆境にも関わらず、学校に通いながら、しっかり家事をこなして、まずそれが立派。彼女の切り盛りのおかげで、不規則だった作家も、きちんと食事を食べるようになり、ふたりに関わる人々も交わって、お互いが支えになる中で、気持ちが通じ合ってゆくのが、繊細に描かれています。
自分では無意識なのにジゴロの魅力を持った作家の先生が、面白く美しく描かれているのが良いです。先生の表情や服装が、少しづつ変化してゆくのは、感動です。
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椿町ロンリープラネット