色は匂えどさんの投稿一覧

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21 - 30件目/全101件
  1. 評価:5.000 5.0

    高校生マンガ家とその仲間たち

    意中のコワモテ男子に「好きです」が言えず、「ファンです」と婉曲表現したらサイン色紙をもらった。そう、彼は人気漫画家だったのです!しかも少女マンガ家!
    ……なかなか見ない導入で始まるラブコメです。

    締切前後の体調、全く経験がない分野をマンガにする(ヒーローは少女マンガ家でありながら恋愛未経験)、手先の器用な人(≒アシスタント候補)へのアンテナの張り方など、マンガ家さんあるあるなんだろうなーと思われるネタがてんこ盛りで楽しい作品。ちょっとしたネタの膨らませ方がすごくて、終始笑えます。

    クセのない絵柄が万人受けするでしょうし、
    ラブ<<<コメディの内容にそぐわしい。
    キャラクター達も、それぞれとっても個性的でちゃんと人間くさいです。4コマなので空き時間のリフレッシュにも向きそう。
    煮詰まった時に読みたい作品です。

    • 1
  2. 評価:5.000 5.0

    ファン→性転換して新人アイドルに!

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    こちらでいう7話までの感想です。
    普通の女の子が、他人ではなく自分のまま性転換。ちょっと類似の設定が思い出せないです。

    男性アイドルのファンであるヒロインが、自分もアイドルになろうとオーディションへ。その会場で担当とは違うメンバーと事故キスしてしまい性転換、という導入。
    たまたま同日開催だった、推しのグループの新メンバーオーディションを受けられて見事合格、男性アイドルとしての生活が始まります。

    突拍子もないようですが、ヒロインが推し活+オーディションに向けた準備をした布石があるので案外入り込めます。男性化したヒロインのビジュアルも良く、既存のメンツと被らないキャラなので無理がないです。声変わりもちゃんとフォローがあり、少女マンガにありがちな雑さがないのが読みやすい。
    (さすがにトイレシャワー問題は流し気味です笑)
    そして何より、男性キャラの書き分けがしっかりしているのが素晴らしい。目元コピペの作家さんも珍しくないジャンルで、各メンバーしっかり印象が違います。

    あとは家族や、性転換の謎をどこまで追うかなんですが、こればかりは終盤でないと見えませんね。
    最後どう締めるか、見てみたい作品です。

    • 1
  3. 評価:4.000 4.0

    料亭を巡る人間ドラマ

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    主人公補正、不釣り合いなスパダリ、予定調和のハピエン、「そのためだけにいる」当て馬。時代劇のジャンル違いみたいなラブストーリーに、食傷してる方には目先が変わる作品です。

    時は戦後。料亭の長女いち日は、料理人だった夫を戦争で亡くします。家を守るため再婚しますが、来た婿はかなり若いクセ者というお話です。

    見どころはシナリオと周くんの設定の秀逸さ、これに尽きます。
    主人公を甘やかさず、その時代ならではの苦難がきちんと物語に組み込まれている。個人の幸せの総和より家の存続が優先される時代を擬人化したような伯母、女が厨房に立っただけで目くじらを立てる社会や板長。あるべきトラブルをちゃんと描くのは、物語と真摯に向き合う作者だからこそでしょう。
    19才の婿、周くんは、料亭にとってはスポンサーからの回し者でもある若者。先を読む力はあるけど分相応に世間知らず、しかもいざとなれば帰る家がある三男坊。自然、(悪気はないものの)料亭「桑の木」を経営の実験台にします。文句を言われても自分が強い駒である自覚があるので聞き流す、可愛げ皆無のおぼっちゃま。
    彼の存在が、何がどう転ぶかわからないハラハラ感を作品に出していて、先が読みにくくなっています。

    お仕事マンガ、お料理マンガの側面もある作品なので、
    物資がやや充実しすぎな気がする(新巻鮭ならまだしも初物の鮭を京都で食べられたの?)のは少し気になりました。
    そして絵のバリエーションが物足りないです。顔の輪郭が老若男女日本人アメリカ人で大差ないのは、本来編集者が物言いすべきところでしょう。メディア化は実写化で正解だったと思います。

    • 0
  4. 評価:5.000 5.0

    好きな何かがあるということ

    連綿と続いてきた知的遊戯、将棋。数多の天才ら愛好家らが、各々の寿命と頭脳の限り、勝ち筋を磨いてきました。
    中にはきっと、晩年思った人もいたはずです。
    「ああ、自分に、あるいはあの将棋指しに、無限の時間と健康な体があったなら!どんなにか素晴らしい対局が生まれたことだろう」と。

    この作品の主人公は吸血鬼。フィクションでは時間を持て余し、自ら命を断つ展開すら散見される魔物が、将棋に魅せられ必要に迫られ、現代の天才らに挑むお話です。
    吸血鬼ならチート展開かと思いきや、昼は活動できず一箇所に留まれないしお金もないと、寿命の分設定の縛りがキツめ。主人公をチートにせず、あくまでも「単純に時間がある凡人」に止めるという作者の強い意志が伝わってきます。

    登場人物のほぼ全てが将棋好きなので、画面全体の熱量がすごい。各キャラクターのバランスも良くて、最後まで飽きずに読める。人間関係もいいエッセンスになっています。
    将棋はざっくりしたルールしか知りませんが、充分楽しめる作品です。

    無限の命を持つ凡才は、人間の天才に勝てるのか。
    一話見て面白いと思ったら、ぜひ結末まで見届けてください。

    • 0
  5. 評価:5.000 5.0

    小説家と猫と愛猫家たちと

    古今東西数多ある、小説家と猫の組み合わせ。
    日本では夏目漱石とその飼い猫が一番有名ですかね。現代でも、角田光代氏が、迎えた猫の愛くるしさに筆力を爆発させたエッセイを書いていました。
    …しかし断言します。虚実どちらの世界でも、この作品の一組ほど笑いを取った組み合わせはないと!

    眉目秀麗でそこそこ売れているらしい、小説家の宮王太郎。ネタ元のご婦人から猫を押し付けr…猫を飼うよう勧められ、肩を揉ませるつもりで環境を整えたが思うようにいかず、というお話です。

    安定のギャグセン、変で美麗な登場人物たち、いつのまにか整う(?)カオスな状況。前作で否応なく読者の記憶に刻まれた山崎ワールドが、よりシームレスに楽しめる作品です。
    猫飼いの方はもちろん、笑いが足りてない方はぜひお試しください。

    • 0
  6. 評価:5.000 5.0

    DBだけじゃない鳥山明

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    代表作ドラゴンボールでもたまに、人間のタチの悪さに触れていた鳥山先生。バトルより人間の独善に重点を置いたストーリーで一本書いてくださったのは嬉しい驚きです。

    水不足に喘ぐ世界で、悪魔の王子と元軍人が水源探しの旅に出ます。その過程で水を巡る陰謀を知ることとなり…というお話。

    先生ならではの明快な作画、悪魔の王子ベルゼブブの肉弾戦は読む人全ての期待を裏切らないでしょう。更にこの作品では、戦車での戦いがとっても見応えあります。リアルでもあり得る巨悪との対峙は、実際のケースを想起させます。

    もし鳥山明の活躍の場が青年誌だったなら、こんな作品をいくつか出していたかもと、今更な仮定を考えてしまいました。つくづくと惜しい漫画家さんを失ったものです。

    • 0
  7. 評価:5.000 5.0

    セーフティネットの実態と限界と

    生活保護。受給者は税金で生活する人々、何もしなくてもお金をもらえる特権階級、という見方をする方もいるようですね。中には生ポ、と揶揄する人も少なくないでしょう。

    新卒でケースワーカーというハードな仕事に就いた主人公の視線で、社会的弱者たちの過酷な状況が描かれています。マンガなので、読者がついていけない展開は控えめ。実態は推して知るべしかと。

    主人公の素直で健全な心が倫理的な碇になっていて、読者はどうにか受給者らの苦境に気持ちが引きずられずに済みますが…自分が実際行政側だったら早々に病みます。
    受給者らはもちろん保護が必要ですが、
    では彼らを守る公務員を、社会は自治体は、果たして守られているだろうか?
    保護の対象とならなかった人々は?その線引きはどこでするべきか?
    など、読んでいて視野が広がる作品。

    中学高校の図書館に置いて欲しいマンガの一つです。

    • 0
  8. 評価:5.000 5.0

    2025年1月11日テレ東23時アニメ化

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    ※作者様、集英社、テレビ東京、制作サイド広告媒体声優さん他、どちら様とも一切無関係の一読者です。

    待ちに待ったアニメ化を機に、一人でも多くの人に
    読んで欲しくて投稿します。

    「骸区」で一躍注目され、
    「ロッカールーム」で「世にも奇妙な物語」にて実写化を果たした鈴木先生。
    キャラクターの作り方が上手く、バトルの見せ方がセンス抜群な作者による、アクション漫画が本作です。

    ぱっと見ただの太ったコンビニ店主、しかし前職は凄腕の殺し屋という異色ヒーロー、坂本太郎。
    裏社会のOBでありながら、元バディのシン(テレパシスト)他、古馴染みとの情やら因縁やらで、大小色々な事件に巻き込まれていく、というあらすじです。
    他作品だと、キャラクターが犯した罪の重さに苦しんだり、足を洗うのに必死になったりと悲壮感が出る(どころか主題にもなる)のですが、そのへんはメインはもちろんモブキャラまでも、綺麗さっぱり切り捨ててます。割り切った世界感にすることで、読者がバトルのワクワク感に没入できるようにしているのでしょう。

    主人公も彼の元仲間たちも、どこか感情表現が淡々としていて、浮世離れした印象。実力者ほど「こいつヤバい」というデザイン上の記号は控え、バトルとのギャップで魅せる爽快感に重点を置いた作品だと思います。
    物理的には(多分)有り得ない攻撃がかなりあるので、そこを割り切れる人におすすめします。

    妻子持ちあるあるのコメディパート、強者が揃った世界ならではのちょっとした不調和など、幕間劇も秀逸で捨てるところがありません。
    まずは構図の妙を、次いでセリフの切れ味を、そしてキャラクターの動きを追って堪能してください。
    令和のカッコいいが詰まった作品です。

    • 9
  9. 評価:5.000 5.0

    子ども×ケモミミ×優しい世界

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    癒される度MAXの日常系成長譚。
    狸と狐の夫婦に生まれた子供、ゴンが主人公です。

    作品の舞台は妖怪の里。都市伝説で聞くあの妖怪(の子供)が美少女だったり、化け狸のビッグネームがやたら大きな狸だったりと、怖さは皆無です。表紙の通りの愛らしい画風で、子供ならではのフラットな目線から彼らの世界が描写されています。

    かなりマイルドではあるものの、レイシズムや種族間の分断など、シリアスな話も入ってメリハリがあり、しかも分かりやすいヒールは作らない。配慮が細かいというより作者の人柄でしょうね。セリフも多すぎず少なすぎずで読みやすいです。
    とにかく現実に疲れた人、年齢問わずおすすめします。

    • 0
  10. 評価:5.000 5.0

    かわいいは地球を救う?

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    タイトルどおりのSFコメディ。
    地球が宇宙人に目をつけられ、あわや生物が一掃されるかというところで、先遣の宇宙人リザが猫と出会って骨抜きに、というお話。
    その後も犬、ハムスターにハリネズミなど、様々な動物が登場して総出で宇宙人をメロメロに…じゃない、宇宙人が勝手に動物たちの可愛さにひれ伏します。

    最初は宇宙人が愛好家さんらを投影しているのか?とか考えましたが、それにしてはそれぞれキャラが立ちすぎてる。今は何も考えずに笑わせてもらってます。

    飼い主同士のマウント、捨て猫など、ペット周辺の事情も描写されています。
    ひたすら動物たちのカワイイを深掘りして現在10巻まで。
    動物好きな方に感想を聞きたい作品です。

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