5.0
セーフティネットの実態と限界と
生活保護。受給者は税金で生活する人々、何もしなくてもお金をもらえる特権階級、という見方をする方もいるようですね。中には生ポ、と揶揄する人も少なくないでしょう。
新卒でケースワーカーというハードな仕事に就いた主人公の視線で、社会的弱者たちの過酷な状況が描かれています。マンガなので、読者がついていけない展開は控えめ。実態は推して知るべしかと。
主人公の素直で健全な心が倫理的な碇になっていて、読者はどうにか受給者らの苦境に気持ちが引きずられずに済みますが…自分が実際行政側だったら早々に病みます。
受給者らはもちろん保護が必要ですが、
では彼らを守る公務員を、社会は自治体は、果たして守られているだろうか?
保護の対象とならなかった人々は?その線引きはどこでするべきか?
など、読んでいて視野が広がる作品。
中学高校の図書館に置いて欲しいマンガの一つです。
-
0
健康で文化的な最低限度の生活