色は匂えどさんの投稿一覧

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11 - 20件目/全37件
  1. 評価:5.000 5.0

    許される不倫があるとしたら

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    小田ゆうあ先生の作品は、まず問題定義があって、そこから相応しいキャラクターを作っているのかと思うくらいに考えさせられるマンガだと思います。
    「斉藤さん」では保育園周りの大人たち、最新作「かろりのつやごと」ではルッキズム。この「ふれなばおちん」では不倫のボーダー、純愛と不倫の境界といったところでしょうか。
    「いいお母さん」でいる事に全てをかけているヒロインが、夫の策略で元俳優の男と出会い、物語が始まります。夫は妻に女らしさを取り戻して欲しくて「妻を誘惑してほしい(妻のまわりにいて、妻が意識するように動いてほしい)」と男に持ちかけ、見返りに社宅入居の便宜を図ります。側から見れば「自分たち夫婦の仲が深まるように当て馬になれ」と言っているも同然の傲慢な申し出。男(若くはないけど色気があり、モテるタイプとして描かれています)は夫への反感もあって、妻の籠絡に乗り出すのですが…という話。
    まず、そもそも夫の浅はかな行動がなければ二人は出会わず、恋に落ちることもありませんでした。妻に意識させたければ、自分を磨いていい男になる事もできたはずなのに、妻にだけ求める。仕事は妻もかなりのレベルでこなしている、というか妻は同性から見て相当なデキる女です。
    一応、形だけは夫の目論見は当たります。限られた予算で時間で、妻は自分の外見に手を入れ、夫目線でも美しくなるのですが、それはもちろん男の為。
    夫は女としての妻を失います。

    キスはしたものの男女の仲にはならず、互いに思い合うだけの恋。しかも発端は夫という、なかなかに珍しい不倫劇です。
    あなたから見て、この恋は罪ですか?という作者様の問いかけが聞こえるような作品です。

    • 1
  2. 評価:5.000 5.0

    いくえみ先生史上一番好きかも!

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    40歳の女性マンガ家が主人公。見た瞬間「え、まさかモデルはご自身か…?」ってなりました。多分違いますね…。
    コメディ寄りな自分のキャラクターに飽きてしまい、キラキラの少女マンガを書こうとするも、筆が全く進まない。気分転換に行ったカフェでだいぶ年下のイケメンに出会ったり賞をもらったりイケメンのお父さんと出会っていい感じになったり。するんですが…しかも結構美女なんですが…!
    そう、もう色恋で世界が回る年じゃない。諦観とも大人の落ち着きともつかない空気が心地よい作品です。

    • 0
  3. 評価:4.000 4.0

    一巻で切るのは早いかも

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    理不尽な扱いを受ける主人公が、置かれた環境を出て新天地で評価と地位を得る。悪役令嬢と同様最近よく見るパターンで、やや強引な導入も散見されるのですが、この作品の場合は読者の慣れを逆手に取ってミスリードしているかもしれません。

    ここから具体的なネタバレします。
    調剤工房で働いていた主人公ルジェナは、
    ①祖母や母が作れた万能薬を作れない
    ②同僚リリアの手柄を横取りしている
    という理由で解雇されます。①については事実ですが、主人公の解雇で改善するものではなく、②については事実無根。にもかかわらず、同じ工房で働く薬師フランツは訂正するどころか、ルジェナの薬を手直ししたと証言します。
    ルジェナは働き口を追い出され、タイトル通り再就職して、元いた工房は人手不足に陥るのですが、結論として雇用主もルジェナの有能さを知っていました。解雇の理由はルジェナへの嫉妬で、フランツの証言も彼がお金を渡してまで偽装したものだった、
    というところまで読みました。
    こうなるとフランツの思惑が気になります。現場で働く人なら、ルジェナの仕事の皺寄せは予見できたはず。どうして自分の首を締めるようなことをしたのか、更にリリアは何を狙っていたのか。まだまだ色々出てきそうです。

    • 0
  4. 評価:5.000 5.0

    生々しい人間ドラマ

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    いくえみ先生の作品は読者を甘やかさないと思います。基本的に王子や騎士、姫は出てこないので甘い夢は見られない。みなさんトイレに行くし失敗するし、傷つくし傷つける。
    息を呑むようなタイトルの、こちらも血肉が通う人間ドラマです。兄ばかり可愛がる母、母が鬱陶しい兄、漫画家の友人、友人の恋人、誰も彼も自分なりに手一杯でリアルです。もし実写化するなら曇天の下、実力派で端役まで埋めるのが合いそう。
    ありきたりのハピエンに飽きた方におすすめです。

    • 0
  5. 評価:5.000 5.0

    青春40%、サスペンス30%、ラブ30%

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    という感じがしましたが、あくまで個人の感想で一般的かは分かりません。
    テレパスだとオープンにしているイケメンと、ごく普通の女の子のお話です。
    一話目から読者の疑問がサクサク片付き、コマ割りも最初から縦読み前提なので、まー読みやすい!
    伏線がある作品は縦読み分冊は合わないという思い込みを覆されました。
    気になる方は最初の一話だけでもどうぞ。

    • 0
  6. 評価:5.000 5.0

    似たもの夫婦の人間ドラマ

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    大正期の上流階級?の婚姻譚。当然のように男性優位、家ありきの社会での、訳あり同士の夫婦愛です。
    妾腹ながら才覚ある夫、背中にあざがあり婚期を逃しつつある妻。現代では些事とも言えることをあげつらわれても流されず、自分の基準で生きる二人が小気味いいです。
    お座敷遊び始め、当時の風俗を垣間見られるのも嬉しい作品です。

    • 0
  7. 評価:4.000 4.0

    家族が酷い笑

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    無料分のみの感想です。
    みなさん言われているとおり、家族があんまりですね…人倫は言うに及ばず、何とも頭が悪いなあ、と思ってしまいました。リスク管理が甘い。
    主人公は人間なのですから、普通に暮らしていても怪我や病気で命を失う可能性があるのに、湯水のごとく予言を欲して大事にしない。どこにも行かないよう甘やかし、攫われないよう監視をつけて軟禁する方がまだ理解できる、と言ったらあんまりですかね。
    姉が本当に賢いなら、記録をどうにか修復して、主人公と情報を独占すると思うのですが…誰も主人公への依存に気づいていないのが、一周回ってリアルな気もします。家族なんてそんなものかも。
    機会があれば続きも読もうと思います。

    • 0
  8. 評価:3.000 3.0

    絵は綺麗、話は少し惜しい

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    虐げられている女の子が嫁入りで幸せになる。手垢がどれだけつこうと需要のある設定なので、そこを言う気はないのですが、辻褄が合わないと思うところがあります。
    例えば、売るようにして辺境に送るなら、もらうお金に相応しい女性に仕立てないとです。メイドとして雇ってもらうからといって、(本人の意向としても)お嫁に行く貴族の令嬢に、メイド服を家から出る時から着せるのはさすがにどうかと思いました。最悪替え玉を疑われるか、本人ではなく家が嘲笑されるのでは。同じ意味で、従者を勝手に帰らせるのも良くないです。
    少し気を遣ってもらえたら随分と読み易くなりそうなのですが、今は少し惜しい感じです。

    • 0
  9. 評価:5.000 5.0

    青臭い程の青春

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    集英社を代表する漫画家の一人、河原和音先生の出世作という認識です。始めの方こそ他の先生の影響が見える絵ですが、徐々に「河原和音」になっていく、その過程を見られる貴重な作品だと思います。

    先生を好きになる女子高生の話、いっぱいありますが、こんなにも瑞々しい作品は今後出るかどうか。
    読み手が高校生であれば主人公の響に、少し大人になって読み返したら先生に共感する作品です。
    (言うて先生も三十路前、限界があるのです)
    更に大人になって読み返したら?「ふふ、どっちも若いなぁ」「あー、このくらいだとこんな感じだよね」って、微笑ましく読めます。

    • 0
  10. 評価:5.000 5.0

    ケンカップル好きにイチオシ

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    「岬くんの不器用な溺愛」で里村先生を知り、芋づる式にこちらを知りました。
    高校の時付き合ってケンカ別れし、以降お互い気持ちを引きずる状態で職場で再会した覆面両片思いカップルのラブコメです。マンガでしかありえないような人物も状況もなく、ファンタジックなご都合がダメな方にもおすすめできる良作です。
    拗れたきっかけまで青いというかピュアというか、初々しいです。周囲の人々も自然な感じで、世界に入りやすい。コンパクトに楽しみたい方にいいと思います。

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