5.0
デスゲームもの好きは必読の一作
別途横読みアプリで完読。
謎のゲームに参加したことで後天的に異能が目覚め、戦いを強制されたプレイヤーたちの物語です。
ストーリーの完成度はかなりのもの。設定の矛盾も目立つものはない気がします。世界観の根幹のところで気になった事(ゲーム内のポイントでゲーム外の商品を購入できるなど)はありましたが、諸々ねじ伏せて読者をラストへ牽引するだけの力がある話。展開の緩急があり、ワクワクハラハラがずっと続いて、最後まで面白く読めるのが素晴らしい。
話のスケール感、風呂敷の広げ方畳み方を考えると、「作者や編集者がどうやって話を錬ったか」を何らかの形で後進に残すべきでは、とさえ思います。
ただ、キャラクターが…ちょっと物足りない。
主人公カナメは、真っ当な育ちだろう少年なのに、海外在住の親に連絡しようと頑張ったりしない。ヒロインのシュカについても、独特の話し方や戦闘服、主人公を見初めた時の行動など、個性的な割に肉付けがない。
敢えて他作品の例を挙げます。
呪術廻戦の野薔薇ちゃんに
「制服、実質戦闘服なんだからスカートよりスラックスが良いのでは?」と聞いたら、どんな答えが返ってくるか、読者は想像できるはず。
では、シュカにドレスを着て戦う理由や購入店を尋ねたら?
皆様良くて「はにゃ?」とはぐらかされる想像しかできないのでは。ひょっとしたら作者でさえ。
私が思うキャラクターが生きているかそうでないか、の違いです。伝わると良いのですが…
ある意味、計算で作れる物語の限界とも思える一本。
このマンガにAIが追いつく日が来るなら、それはそれで見たいです。
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ダーウィンズゲーム