色は匂えどさんの投稿一覧

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31 - 40件目/全107件
  1. 評価:5.000 5.0

    小説家と猫と愛猫家たちと

    古今東西数多ある、小説家と猫の組み合わせ。
    日本では夏目漱石とその飼い猫が一番有名ですかね。現代でも、角田光代氏が、迎えた猫の愛くるしさに筆力を爆発させたエッセイを書いていました。
    …しかし断言します。虚実どちらの世界でも、この作品の一組ほど笑いを取った組み合わせはないと!

    眉目秀麗でそこそこ売れているらしい、小説家の宮王太郎。ネタ元のご婦人から猫を押し付けr…猫を飼うよう勧められ、肩を揉ませるつもりで環境を整えたが思うようにいかず、というお話です。

    安定のギャグセン、変で美麗な登場人物たち、いつのまにか整う(?)カオスな状況。前作で否応なく読者の記憶に刻まれた山崎ワールドが、よりシームレスに楽しめる作品です。
    猫飼いの方はもちろん、笑いが足りてない方はぜひお試しください。

    • 0
  2. 評価:5.000 5.0

    DBだけじゃない鳥山明

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    代表作ドラゴンボールでもたまに、人間のタチの悪さに触れていた鳥山先生。バトルより人間の独善に重点を置いたストーリーで一本書いてくださったのは嬉しい驚きです。

    水不足に喘ぐ世界で、悪魔の王子と元軍人が水源探しの旅に出ます。その過程で水を巡る陰謀を知ることとなり…というお話。

    先生ならではの明快な作画、悪魔の王子ベルゼブブの肉弾戦は読む人全ての期待を裏切らないでしょう。更にこの作品では、戦車での戦いがとっても見応えあります。リアルでもあり得る巨悪との対峙は、実際のケースを想起させます。

    もし鳥山明の活躍の場が青年誌だったなら、こんな作品をいくつか出していたかもと、今更な仮定を考えてしまいました。つくづくと惜しい漫画家さんを失ったものです。

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  3. 評価:5.000 5.0

    セーフティネットの実態と限界と

    生活保護。受給者は税金で生活する人々、何もしなくてもお金をもらえる特権階級、という見方をする方もいるようですね。中には生ポ、と揶揄する人も少なくないでしょう。

    新卒でケースワーカーというハードな仕事に就いた主人公の視線で、社会的弱者たちの過酷な状況が描かれています。マンガなので、読者がついていけない展開は控えめ。実態は推して知るべしかと。

    主人公の素直で健全な心が倫理的な碇になっていて、読者はどうにか受給者らの苦境に気持ちが引きずられずに済みますが…自分が実際行政側だったら早々に病みます。
    受給者らはもちろん保護が必要ですが、
    では彼らを守る公務員を、社会は自治体は、果たして守られているだろうか?
    保護の対象とならなかった人々は?その線引きはどこでするべきか?
    など、読んでいて視野が広がる作品。

    中学高校の図書館に置いて欲しいマンガの一つです。

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  4. 評価:5.000 5.0

    2025年1月11日テレ東23時アニメ化

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    ※作者様、集英社、テレビ東京、制作サイド広告媒体声優さん他、どちら様とも一切無関係の一読者です。

    待ちに待ったアニメ化を機に、一人でも多くの人に
    読んで欲しくて投稿します。

    「骸区」で一躍注目され、
    「ロッカールーム」で「世にも奇妙な物語」にて実写化を果たした鈴木先生。
    キャラクターの作り方が上手く、バトルの見せ方がセンス抜群な作者による、アクション漫画が本作です。

    ぱっと見ただの太ったコンビニ店主、しかし前職は凄腕の殺し屋という異色ヒーロー、坂本太郎。
    裏社会のOBでありながら、元バディのシン(テレパシスト)他、古馴染みとの情やら因縁やらで、大小色々な事件に巻き込まれていく、というあらすじです。
    他作品だと、キャラクターが犯した罪の重さに苦しんだり、足を洗うのに必死になったりと悲壮感が出る(どころか主題にもなる)のですが、そのへんはメインはもちろんモブキャラまでも、綺麗さっぱり切り捨ててます。割り切った世界感にすることで、読者がバトルのワクワク感に没入できるようにしているのでしょう。

    主人公も彼の元仲間たちも、どこか感情表現が淡々としていて、浮世離れした印象。実力者ほど「こいつヤバい」というデザイン上の記号は控え、バトルとのギャップで魅せる爽快感に重点を置いた作品だと思います。
    物理的には(多分)有り得ない攻撃がかなりあるので、そこを割り切れる人におすすめします。

    妻子持ちあるあるのコメディパート、強者が揃った世界ならではのちょっとした不調和など、幕間劇も秀逸で捨てるところがありません。
    まずは構図の妙を、次いでセリフの切れ味を、そしてキャラクターの動きを追って堪能してください。
    令和のカッコいいが詰まった作品です。

    • 9
  5. 評価:5.000 5.0

    子ども×ケモミミ×優しい世界

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    癒される度MAXの日常系成長譚。
    狸と狐の夫婦に生まれた子供、ゴンが主人公です。

    作品の舞台は妖怪の里。都市伝説で聞くあの妖怪(の子供)が美少女だったり、化け狸のビッグネームがやたら大きな狸だったりと、怖さは皆無です。表紙の通りの愛らしい画風で、子供ならではのフラットな目線から彼らの世界が描写されています。

    かなりマイルドではあるものの、レイシズムや種族間の分断など、シリアスな話も入ってメリハリがあり、しかも分かりやすいヒールは作らない。配慮が細かいというより作者の人柄でしょうね。セリフも多すぎず少なすぎずで読みやすいです。
    とにかく現実に疲れた人、年齢問わずおすすめします。

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  6. 評価:5.000 5.0

    かわいいは地球を救う?

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    タイトルどおりのSFコメディ。
    地球が宇宙人に目をつけられ、あわや生物が一掃されるかというところで、先遣の宇宙人リザが猫と出会って骨抜きに、というお話。
    その後も犬、ハムスターにハリネズミなど、様々な動物が登場して総出で宇宙人をメロメロに…じゃない、宇宙人が勝手に動物たちの可愛さにひれ伏します。

    最初は宇宙人が愛好家さんらを投影しているのか?とか考えましたが、それにしてはそれぞれキャラが立ちすぎてる。今は何も考えずに笑わせてもらってます。

    飼い主同士のマウント、捨て猫など、ペット周辺の事情も描写されています。
    ひたすら動物たちのカワイイを深掘りして現在10巻まで。
    動物好きな方に感想を聞きたい作品です。

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  7. 評価:5.000 5.0

    夫を顔で選んで何が悪い笑

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    無料分のみの感想です。
    「世間って、資産家の男性が孫かってくらい若いトロフィーワイフを迎えるのは何も言わないのに、男女逆は過剰反応しますよね」
    ってテーマの作品です。多分。

    ライフコンサルタントでドルオタの貴子が主人公。推しが引退して(プラス、テレビカメラの前での失言?で叩かれて)落ちこんでるところに年下イケメンと出会い契約婚、というお話です。
    「裕福な女性が顔のいい男性を養いたい」…これ否定されたらホストなんて仕事成り立たなくない?って思うんですが、実際ハイクラスの女性には異様に風当たり強いのがこの国なんですよね…
    私がお客さんなら、大事な決断は地位を築いて成功した方に相談したいですが、、男性からしたら鼻につく、というのも実際あると思います。

    ヒーローのシュン君は、ルックスも気立ても家事能力もと、申し分ない男性です。日給5,000円?むしろ家事代行やデートサービスなどと比べると相当良心的。本気で貴子にロックオンしている様子も、訳ありらしい匂わせも、序盤からわかりやすく描写されてます。

    分冊試読で先をチラ見すると、それなりに波乱がある展開のよう。完結したら一気見したい作品です。

    • 1
  8. 評価:5.000 5.0

    だいぶ変化球の無双モノファンタジー

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    ほぼ無意識に悪霊、邪念の類いを祓える主人公。
    管理人として田舎の一軒家に住んだところ、まず曰く付きだった家が清められ、本人に興味を持った山神が居つき、芋づる式に他の神様も来て溜まり場に…というすごいお話です。

    柔らかい絵、ほのぼのしたストーリーに癒されます。神様らのデザインも、世界観を崩さず、しかも平易でとっつきやすいのがいいですね。

    30話まで読んだ限りでは、主人公の力については血統由来らしい(お爺さんが見える人だった)こと、くらいしかわからないです。なぜ文字が力を持つのか、悪いものが見えないのかなどは不明。
    きっと終盤で明かされるのでしょうが、
    詳細を知るモノが「教えてやろうか、お前が何者か」と聞いたところで「いえ、俺は俺だからいいです」などと主人公がさくっとゆるっと躱してしまう、なんてのも作品にそぐわしい気がします。

    お家に来る神らがメジャー級ばかりで、そのうち天災の一つ二つ吹き飛ばしてしまいそう。
    「八百万の神の国でそんな大物ばかり来なくても、近所のお稲荷さんとか来たらいいのに…」とはたまに思います。
    主人公のご実家が旅館業なので、神様同伴の帰省が見られたらいいな、とこっそり期待しております。

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  9. 評価:5.000 5.0

    現代社会に妖怪がいたなら

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    「保健室の死神」でも知られる藍本松先生のファンタジー。人外たちのドラマとコメディのバランスが良い作品です。

    怪物(かいぶつ)とかいて「けもの」と読みます。
    不死の妖怪、屍鬼(クーラー)と人間の半妖である夏羽が主人公。一巻表紙の彼が、化け狸の隠神、蜘蛛(の妖怪)の織、雪男の晶、吸血鬼のミハイなど多彩な妖怪たちと共に、妖狐の飯生に立ち向かう物語。出自が海外の人外も出ている為か、「妖怪」ではなく「怪物」と呼称してあります。

    キャラクターそれぞれにがっちりとバックボーンがあり、成長物語の側面もある作品。ファンタジーでありながら齟齬が現状見当たらないです。
    怪物それぞれの個性は主にバトルに集めてある感じ。言葉を持たない、法や約束や時間の概念がないなどという事はなく、かなり人間寄りにしてるのは読者を置いてきぼりにしない為でしょう。

    現在22巻まで出ており、数年前にアニメ化も果たして、物語が最終局面に向かっている様子。
    ファンタジー好きな方はぜひチェックしてみて下さい。

    • 1
  10. 評価:5.000 5.0

    大人の寓話

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    謎の神様、「アンテン様」を巡るオムニバス。
    捧げたものの(捧げる人にとっての)価値と願いが折り合えば願いを叶えてくれる、ただし願った本人が死亡すると願いは成果ごとチャラに…という設定。
    何せ神様なので数百年前らしい話もちゃんとあって、時代劇としても見応えがあります。

    人間性がモロに出るバッドエンドもあれば、追い詰められた人の「もしも願いが叶うなら」と熟考して煮詰めた願いのメリバorハピバもあり、区切りがつくまでどう転ぶかハラハラします。

    アンテン様自身の過去は、終盤で明かされます。
    読了後は自分なら、と考えずにはいられない作品です。

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