5.0
天才の業、凡才の苦悩
ピアノの天才一家で育った凡才が、母の願いを叶える為、兄弟らに挑むお話です。
音楽で映像を観客に見せる、という破天荒な設定と各々のキャラクターに引力を感じながらも、最後まで物語を掴みきれずに読了しました。一応、才能があるとはどういう事か、凡人が天才と共存するには、などを描いた作品と解釈しています。
芸術に生きる人種とリアルに接点があった作者さんなのか、登場人物の個性が各々別ベクトルに突出していて、無茶苦茶なのに破綻はない(あくまで素人の感想です)。ちゃんと「ああ、こういう人なんだ」と伝わってくるのがすごいです。
絵は賛否分かれそうですね、マンガというよりアートを見る感覚で読みました。
ラッキーは日本の教育体制へのアンチテーゼ、社会の鏡という趣旨のコメントに出会い、腑に落ちました。もったいない終わり方ではあるけれど、作者が「ここだけは」と思うところは描いてあるように思います。特に母親のターン、痺れました。
掲載誌の性格から考えると、編集部サイドからも作者様からも、相当なチャレンジだったろうと拝察します。
読者側の読解力こそ鍛えられる一本かもしれません。
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PPPPPP