3.0
24話までの感想です。
シンデレラストーリー?シンデレラに失礼ってくらい浅いです。ペロー版はともかく、元々はとっても強かな女性ですから。
この物語は、登場人物全員が舞台の書き割りのように感じます。学芸会の劇で、木やら背景やらを表現する、ベニヤ板に絵の書かれたアレです。
妖怪の頂点に立つ、鬼の頭領であるはずのヒーローは嫁のことしか考えない。ヒロインはただもてなされて職場からも学校からも切り離されて、戸惑うものの反発はしない(客観的には軟禁です)。妹は妹で、花嫁歴長い割にはあやかしの序列を軽視してて、妹の婚約者?も洗脳されてるのかってくらいに言いなり。
この設定なら、少し頭の回る花嫁が出たら「人外が君臨する国で、有能な人材が居つく訳がない。必要な人から海外へ流出します。人の世界は人に返して」くらいは言えそうなのに。
また、猫又とか妖狐とか鬼とかいう割に、人の姿で固定されてるし性格も価値観もほぼ人なのも興醒め。これじゃ単なる超能力者の特権階級。
この物語の主役は、読者にウケる状況そのものです。キャラクターたちは状況を作る為のパペットといってもいいくらい、みんな自分を持ってない。
絵は一見綺麗ですが、人物デザインのパターンが少なく、表情の幅もテンプレっぽい。四流役者の劇中劇を連想しました。
一応、「陰謀論の世界が実際あったら」「お金の力学も選挙権も届かない影の権力があったら」などの裏テーマがある可能性も考えて星3の評価にしましたが…
売れているのを喜べない作品の一つです。
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鬼の花嫁