5.0
100話までの感想
十兵衛と猫又のニタを中心にさまざまな猫や猫又とのエピソードが描かれている。
各エピソードが数話で短くもきれいにまとめられており楽しめる。
たんなる猫あるあるや猫好きの話ではなく、江戸情緒あふれる世界で、落ち着いた大人の雰囲気があり、猫又などの妖も登場するちょっと不思議なお伽噺。
十兵衛が猫や猫又と話ができたり、描いた猫の絵に実際に鼠が逃げる効果をもたせられたり、猫たちに育てられてた?ようだったり、不可思議要素に加えて、芯の強い優しさを持つキャラやも魅力的。
登場する猫や猫又たちのキャラや気持ちの描き方も自然で、個性豊か。
江戸庶民たちの生活の中にある、現実の厳しさと人情、人間と猫や猫又たちとのあたたかい交流。上っつらの優しさや美談仕立てではなく、言葉ではわかりあっていなくても、心の深いところで通じ合っている、日常の中にそんなエピソードがたくさんあるのだなぁと、気軽に読めるのに深いあたたかい感覚が広がる感じ。
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猫絵十兵衛 御伽草紙