3.0
13話までの感想
話としてはうまくまとまっていて読みやすい。
主人公が義家族に蔑まれていて、御曹司との契約結婚というよくある設定。
だが、舞台は人間と吸血鬼が共存する世界で、吸血鬼が財閥など社会的に高い地位を占めているらしい。そういう設定はおもしろいと思うが、イマイチ活かされていない気がする。『血の契り』関連以外、ほぼ人間として描かれていて、種族間の問題や争いや身分差とかは描かれていない。
その『血の契り』が契約婚に至る理由なので、作者的にはそれ以外はどうでもよいのかもしれない。
気に入らないのはタイトルがおかしいこと。
タイトルの『疎まれ婚』の意味がわからない。
御曹司の母は人間との結婚に反対しているが、わりとあっさり条件付きで許す。
父はまったく出てこないのだが??
主人公の義両親たちは、財閥の後ろ盾を得られるからと結婚に大喜びで手のひら返し。実の娘の方ではなかったのに、それはいいってのは意外。
イジワル義妹が恨んでそうだが、そこが軽んじられてあまり描かれていないのはどうかと。この手の王道でいえば、後々なにかするんだろうから、伏線はっとくもんじゃないのか。
御曹司は全然冷血ではない。
出会いのシーン、主人公を暴漢から救った時に血の契りによる暴走はあるが、それ以外は品よく紳士的で優しい。
ただ、暴漢の吸血鬼に襲われてる(血を吸われそう)のを助けといて、血のせいによる暴走としても同じように襲っといて謝罪が軽すぎる。
主人公も平気すぎる。見知らぬ男にいきなり襲われたら相当怖いし、助けてくれた人が豹変して襲われたというのに。
主人公がポンコツ。
両親の病院を取り戻したいのに、奪った義家族の言いなりになってるだけで何もしてない。なぜ言いなりに?病院を奪われたのに恨んでないのか?
目的や計画があって家に居座ってるようにもみえず、現代的な世界だし、そこで養ってもらわなくてもいいんじゃないのかと思う。
そもそも、病院を取り戻したいという気持ちも契約婚を持ちかけられた時に初めて明かされるって、物語的にタイミングも遅い。
契約婚に同意を決めてからは、精神的に成長というか、強くなってる気もするので、要するに雑なんだよなぁ。
舞台設定や御曹司のキャラはよいし、話のまとまりや大きな流れとしては、それなりにおもしろいので、いちばんはとにかくタイトルが悪すぎ。
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疎まれ婚~冷血御曹司は寵愛をそそぐ~