3.0
146話までの感想
主人公の見栄も健気さもかわいいし、普通の女子高生らしいキャラや揺れる気持ちが素直に共感を呼ぶと思う。
つきあってからが、オオカミ少女でも黒王子でもなくなってしまうので、物語の土台設定があまり活きてないのが残念。
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13613位 ?
主人公の見栄も健気さもかわいいし、普通の女子高生らしいキャラや揺れる気持ちが素直に共感を呼ぶと思う。
つきあってからが、オオカミ少女でも黒王子でもなくなってしまうので、物語の土台設定があまり活きてないのが残念。
普通の人間だったのに、事故の治療としてグールの体にされてしまった主人公。
心は人間らしいままだから、まず、人間しか食べれないことへの凄絶な苦しみに襲われる。
人間があたりまえに持つ、命の尊厳、人を食べることへの嫌悪、グールとしての飢えと渇き。
人間でい続けようと、もがく主人公。
グールと人間の違いは食べ物と力。
グールだって人間のように心があり、いろんな者がいて、人間を餌としてみる者や、好戦的な者ばかりでなく、人間の命を奪うことを嫌う優しい者もいるし、家族や仲間もいて、種族を超えた大切な絆を築く者もいる。
グールにも人間にも、相手を虫けらのように見下す快楽主義的なのもいる。
グールも人間も変わらない。
補食する側とされる側というだけでなく、心理的な優劣、恨み憎しみなどが複雑に絡み合うグールと人間の関係。
グールと人間がお互いに尊重しあって共存していくことはできないのか?そんなテーマがみえてくる。
そして、猟奇的なグールによる強烈な体験が、主人公を覚醒させる。
4歳児がひとり暮らしでなんでもこなせるというありえない設定だけど、その奇抜な設定が重要な土台になっていて、キャラや物語がうまくできているので許せてしまう感じ。
コタローのオトナすぎる部分の背景にある親との関係や暗い事情と、純粋な子どもらしい部分とアパートの住人の優しさ、そんな明暗の対比がすごく自然にうまく使われていると思う。
コタローのキャラが絶妙というか、周りの人も読者をも優しい気持ちにさせるキャラだと思う。幸せになってほしいと素直に思える。
首をかっきるほどの覚悟をして能力を手に入れるのだけど、どんな能力が手に入るかはランダムで選べない。前世の能力だから、前世に能力がない可能性もあり。
素晴らしい功績を成した偉人の能力とは限らず、罪人の能力の場合もある。
能力を一人前に使いこなすまでには経験を積んでいく必要があり、完全に開花すると見た目がもう人間じゃなかったりもする。そうなると、人間として生活するのは不可能。
最大のポイントは、身につくのは能力のみで、他は元の自分のままということ。
能力に溺れる者、悪しき能力に善の心が耐えられない者、人間らしさを見失う者など、能力を得たことが人生を狂わせる場合も多い。
設定やストーリー構成はおもしろい。
ただ、作者のヤル気の問題なのか、キャラ設定やストーリー展開に、雑な部分と作り込まれた部分の差が目立つのが残念。
いろいろ考えさせられる作品。
さまざまな問題は精神疾患だけが理由になるわけではないけれど、本人もその家族も、抱えるものが重く、闇が拡がると思う。
人間は弱いし、親だってさまざまで、親子の関わりもさまざまで。
心の病気というグレーな病でありながら確実に異常な日常をもたらすものを、現実に受け止めがたいのも、隠したくなるのも、どうすればいいのかわからなくなるのも当然だと思う。
精神疾患に対する世の中の認識、病気だと認めることすら難しいという状況が変わること、専門家のサポートや医療につなげることが必須であり、スムーズに行える仕組みをもっと整備しなきゃいけないとわかる。
本人も家族も社会全体も、風邪ひいたら病院に行くのと同じ感覚に、それが常識になればよいと思う。
ちょっとリアリティに欠けていたり、モヤモヤするところも多いけど、物語としてはおもしろい。
伏線の回収まで時間がかかるというのもあるけど、いろいろクセづけしすぎて明かされても疑問が残るというか。
途中から合流して助けてくれる人が、実は主人公たちを助けてるんじゃなく利用していた、という回収なんだけど、なんかひっかかる。
猿たちの正体も少しずつわかってきたような感じだけど、本当の目的は薬害被害者たちの復讐じゃない気もするし。
なんだか、いろんなことがまだ何かありそうなのに何もない、みたいなモヤモヤ。まだ途中なので最後にいろいろ繋がるのかもだけど、期待できない感じ。
ホンモノの猿が敵の人間に加担している理由や、なぜ一気にヤらずに少しづつなのかが、まだ全然謎のままなんだけど、ちゃんと理由がわかるのだろうか?
家族や婚約者からのひどい扱い、悪い噂の人物との政略結婚、からの、結婚相手は実はいい人ってありふれた設定だけど、伯爵のキャラが斬新だなと思う。
女性慣れしてない不器用すぎる優しい男、恋の進展は、周りの後押しや主人公の方が引っ張っていってる。
ほのぼの感もあり、幸せになってほしいなぁとふたりを優しく見守りたくなるような作品。
男装ものらしいドタバタ感やテンネン主人公、正体を見抜く人物との恋模様など、王道パターンだけどテンポよく楽しく読める。
過去に転生し未来を変えるために動くという設定は、話が進むにつれて薄くなってる気もする。
過去に家族を処刑した暴虐非道な皇太子のはずが、主人公とのやりとりによって、根はイイ奴で変わっていく様子も自然に描かれていて、主人公との恋も応援したくなる。
店主が「古物は使い方しだい」と言ってるけど、人はそもそも欲深いし、目の前の誘惑に勝つのはなかなか難しい。
使い方しだいなら、なぜ売る時に古物の能力の説明をちゃんとしないのだろう?
もちろん、説明しても古物の能力に呑まれる人もいるだろうけど、知らずに使うのと知っていて使うのでは違うと思うし、使い方が変わる人もいるかもしれない。
事前説明の有無に店主の意図があるのか?店主は使う人の幸不幸に興味がないのか?
この店主自体が謎めいていて、興味深いけどちょっとモヤモヤもする。
「なぜ仲良しな友達を?」という疑問から、少しづつ明かされていく真実と想い。
何が目的で、何が嘘で、何が本当なのだろうかと、惹き込まれていく作品。
事件の真相は謎に包まれながらも、確かなものとして伝わってくるのは、静かに深くあたたかい、ミズキのマコへの想い。
欲にまみれた汚い奴ら、信頼できない社会、守りたい尊厳など、現実に起こりそうな題材にリアリティのある心理描写と秀逸なストーリー進行。
ただの美しいフィクションにはならないリアルさが胸を打つのかな。
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オオカミ少女と黒王子