2.0
合いませんでした
お薦めの中にあって、扉絵のリップピアスの男の子(栢)にちょっと興味を持ったのが切っ掛け。
ヒロイン嵐子(高校1年)は母の結婚に伴い、義弟が出来ることに。
ただ、それは義父の実子ではなく遠い親戚にあたる子で、
いろいろあって転々としていた。
義父の所にその話があったのが嵐子の母凪子と結婚が決まってからで
最初は断るはずが、母がいっぱいいた方が楽しいと連れてきたとのこと。
実はこの時点で、余りにも考えが浅そうな母親に付いていけないかもと思ってしまっていました。
自分の幸せの為には娘はどうでもいいのかなと。
高1の娘と正直言えば訳も分からない男の子(中学3年)を引き取って、一緒に住むことへの問題や危うさを考えなかったんだろうかと疑問を感じてしまったのです。
それでも丁寧に読んでいくと、嵐子の今考えていることや学校での立場など
少し気弱で引っ込み思案、孤立しているような彼女に寄り添うような気持ちも出てきました。
ただ如何せん栢くんが乱・暴で嵐子に対しても性的な意味合いの行動や言動があったり(私は聖人君子ではありませんが)、
また凪子も一緒に暮らしていけば何とかなるという安易さに
嵐子だけでなく栢君にとっても本来の家庭生活がこれでは送れないだろうと辛くなってきてしまいました。
親の再婚によって義姉弟(義兄妹)と恋に落ちるお話は沢山あって、過去にも読んではいますが、
いつも感じることは親は自分たちの幸せしか考えていないのかなということでした。
それでも、自分が望んだわけでもなかった義理のきょうだいが
心を通わせ手を取り合って苦難を乗り越え幸せになる姿は嫌いではありません。
本作ももう少ししたら、徐々に栢君が嵐子に心を開き始め
嵐子もそれを受け入れて何れはお互いに想い合う仲になることでしょう。
栢君の生い立ちや、二人が寄り添っていく過程など興味はありますが
けれど、ごめんなさい。
それが待てませんでした。
絵はとても可愛く丁寧に描かれ、それぞれの心情も(特に嵐子)分かり易いと思います。
今後栢君が素敵な男の子に変身していくようなので、心に余裕が持てたら
もう一度挑戦してみたい作品ではあります。
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春の嵐とモンスター