チールーさんの投稿一覧

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1 - 10件目/全396件
  1. 評価:4.000 4.0

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    幾重にも謎が

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    子供の頃は両思いだった男女が、その後大きな事件を経て互いの関係性を変えてしまうストーリー。

    主人公の女性は放火犯で、懲役を終えたばかり。しかしなぜ放火をはたらいたのか、そもそも彼女がやったのか、詳しいことはまだ何も語られていません。
    ふとした時にひどく怯える様子や、体中にできた痣などから、彼女には何か深刻な事情があるのではないかと想像します。

    お相手の男性は、主人公に裏切られたと主張しています。それがどんな経緯でなのか、そしてそこも真偽のほどはわかりません。
    彼には特殊能力が備わっており、相手の記憶を見ることができます。そこが物語の鍵になっていくでしょうか。

    序盤は全体的に謎が多く、これもそれも理由がわからない、本当なのかもわからない、といった展開が続きます。謎がひとつひとつ明かされていくことに興味を持って読む楽しさはあると思いますが、一方では「?」が多すぎて物語に入り込みづらい印象も。

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  2. 評価:5.000 5.0

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    揺さぶられる

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    読み進める手が止まりません。心をがっちり掴まれます。
    宇宙の分野においては、現代でもなお常識が覆される事例があるわけで(冥王星が惑星から外された時はなかなかの驚きでした)、この作品の時代に地動説が提唱された日には、それはもうとてつもない衝撃だったことでしょう。

    地球が動いていることを証明しようとする天文学の研究をなんとしても排除したい宗教側と、命懸けで真理を突き止めようとする者たちとの戦いが凄まじい。地動説を支持する者は異端としてごう問され処刑されるというのに、彼らは決して怯まない。それほどに大きな、人生をかけて次に繋いでいくべき発見だから。
    信念を貫いて死んでいく者たちのセリフが強烈に記憶に残りました。魂のこもった言葉たちに目頭が熱くなります。

    現代ならば突飛な説を提唱しても指をさされて笑われる程度でしょうが、当時は目を潰されたり生きたまま火炙りにされる覚悟でやらなければならない。そんな状況下でも地動説の研究を諦めなかった人々の存在に思いを馳せながら、この先のストーリーを読み進めていきたいです。

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  3. 評価:5.000 5.0

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    苦しみながら読む

    グサグサくる内容です。無知で愚かな若かりし過去に、何かしらの心当たりがある読者の方も多いのでは。
    私にもあります。若かりし頃の心当たりが。置いてけぼりで、場違いで、今思えば感じる必要などなかった焦燥をジリジリと感じて、自分で自分をどんどん貶めてしまった過去が。

    若さゆえの経験不足で、無知を無知と言えない、言っちゃいけない場面なのだと信じ込んでしまう。そして手玉に取られて騙されたりする。まさにこの作品の主人公の状況です。
    とてもリアルだなと感じました。一定の年齢になれば自然に身につく処世術がまだ習得できていない、けれどもう大人として世に出ていかなくてはならない、危うい年齢。愚かで、不器用で、自分の置かれている状況に苦しさを感じながらも、必死に辻褄を合わせて、いや自分はなかなか悪くないんだと言い聞かせる。そのひずみが、じわじわと自分をみじめにしていく。

    彼に無条件の愛情を持って、守り導いてくれる大人がいてくれたなら。お金も思想も何も関係ない、無条件の。

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  4. 評価:3.000 3.0

    読んでいてしんどい

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    タイトルが物語っています。この飲み方はやばいの一言。
    出勤前に飲む。職場でこっそり飲む。彼氏の目を盗んでトイレで飲む。お酒をお守りと呼ぶ。
    周囲に知り合いがいない場所では所構わず飲む。コンビニで買ったお酒を、店を出た途端にその場ですぐ飲んで、店員にギョッとされる。
    非常にやばいです。

    主人公は元々は純粋にお酒が好きだったんでしょうね。良いお酒の味もわかるようだし。
    なんなら飲めることを職場で隠す必要なんてなかったんだと思います。『あまり飲めない人』を装ってしまっているから、職場の飲み会で周囲が気を利かせて烏龍茶を注文してくれる。主人公はみんなが飲むのを見て内心羨ましくて仕方がない。でも飲みたいとは決して言えず、後で1人になった時に爆発的に飲むことになってしまう。

    嘘を重ねるとどんどんしんどくなる法則。心を開いているはずの彼氏に対しても、主人公は嘘で塗り固めてしまいます。大量のお酒の空き缶をクローゼットに隠し、それが見つかった時にも『本当のことを話すと捨てられるかも知れない』とばかり考えてしまう。

    誰にも本当の自分を見せられず、自然体で過ごす居場所が無く、人間関係の全てがストレスになっている主人公。それを紛らすために、アルコールに手を出す。
    現実にも多くの方が経験していらっしゃるかと思います。お酒は合法ですが、飲み過ぎれば本人の大切な生活を壊します。周囲の誰かが気づいて医療に繋げられますように。

    • 0
  5. 評価:5.000 5.0

    期待を込めて

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    美しき皇帝と勇ましい妃嬪の、謎解きミステリー。

    たくさんの武具と共に後宮入りした、たくましい主人公。性格は明るく誰にも分け隔てなく、いつも前向きな姿勢に好感が持てます。
    ところが実は、主人公は悲しい運命のもとに生まれていて……。

    主人公のこの性格の良さは、強く大らかに育ててくれた老師と、いつも美味しい料理を作ってくれた侍女の明明の存在があったからこそ。また、引き離される運命にありながらも娘の無事を願った母親の愛にも護られたのかなと感じました。

    陛下が見目麗しい。まつ毛がお美しいです。
    高貴なお方ながら気さくな陛下は、溌剌とした主人公をお気に召したご様子。今はまだ男女の雰囲気ではありませんが、この先の恋愛要素にも注目していきたいです。

    陛下は主人公の勇ましさを見込んで、とある事件の調査を依頼します。後宮で起きている不穏な出来事の真相は? 今後の謎解きに期待が膨らみます。

    • 8
  6. 評価:4.000 4.0

    しんどい実話

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    こんなむごい育てられ方で大人になる辛さに、やりきれない思いで読みました。

    我が家も子供たちが小さい頃にはおもちゃや洗濯物が散乱して大変なことになっていましたが、どんなに散らかっていても、ゴミ捨てを滞らせることはありませんでした。
    世間にあまたある『散らかった部屋』と『汚部屋』との決定的な違いは、そこにあるのかなと思います。

    ゴミを捨てずどんどんと積もっていって汚部屋になる、その過程には、家人の精神の病みが関わっているのでしょう。主人公の母親が娘を支配しようとする行動にも異常性が見られ、単に性格に難ありというだけでは片付けられないいびつさが印象的でした。

    主人公は非常に辛い子供時代を経験しながらも、
    努力で東大に合格し、そこで友人から親身な助言をもらえたことが本当に良かった。自分では気づくことのできないひどい境遇を誰かに気づいてもらうこと、見つけてもらうことは、そこから抜け出し新しい人生を歩むための希望の光になりますね。

    • 0
  7. 評価:4.000 4.0

    きっかけは人違いでも

    勇気を出して好きな人に(背後から)告白するも、振り返ると人違いで……というストーリー。

    私は思います。これは必然だったのではと。元々、主人公はこっちの彼と縁があったのだと。それを違う相手に告ろうとするものだから、運命が人違いをさせて導いてくれたのだと。

    そんなふうに思えるような素敵な出会いです、結果。

    • 0
  8. 評価:4.000 4.0

    手を握ると見える運命の相手に興味が湧く

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    全体的には、ありがちな恋愛漫画だと思うんです。主人公がひょんなことから年下男子と知り合い、その男子にはどうやら同年代に好きな女子がいて、でもその子には彼氏が……といったストーリー。

    他の恋愛漫画と大きく違う点は、主人公に『手を握るとその人の運命の相手が見える』という特殊能力が備わっていること。その設定により、物語の進行にワクワク感があります。新たな登場人物が出てくる度に、この人の運命の相手は誰だろう、主人公はいつこの人の手を握るのかな……と、興味津々で読み続けることに。作者様にまんまとしてやられました。笑

    タップ読みでちょっと読みづらいですが、慣れればなんとか。

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  9. 評価:4.000 4.0

    だがしかしパパは読まないんです。

    皆さん思ってらっしゃる。『この漫画を、育児をしない全パパに読ませたい』と。私もそう思います。

    だがしかし、読まないんです。残念なことに。

    もう、『ファザーシッター』というタイトルからして警戒しているわけですよね、相手は。そしてサブタイトルを見た日にはもう、作中に自分のような父親のことが描かれていると、そして糾弾されていると、確信するわけです。

    この漫画が目につくところに置いてあっても、当該パパは読みません。ましてやママが「読んでみて」などと言ったら、もうそれだけで責められていると思って読みません。

    残念ながらこの作品は、ママたちが共感してスカッとするためだけに読まれます。本当に残念です。

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  10. 評価:5.000 5.0

    文学作品のような漫画

    耽美で退廃的な小説を読んでいるかのよう。ホラーでもあり、ミステリーでもあり。

    主人公は鹿ノ子だと思いますが、視点は様々な登場人物に移動します。それぞれの過去や心の内が少しずつ晒され、物語の全容が徐々に見えてきます。

    どこかおかしい人、どう見ても異常な人、暫定的に正常だと思われる人、もうこの世にいない人、そして人ではないモノ……各々の関係が絡み合いながら進んでいくストーリーは謎だらけで、それが少しずつ明かされていくにつれ、人物たちの深い闇に引きずり込まれていく感覚です。ハマるとなかなか抜け出せない。

    絵は個性的で、人物が突然に鳥肌が立つような不気味な表情を見せることがあり、夜中に一人で読むと想像以上に怖いです。

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