5.0
揺さぶられる
読み進める手が止まりません。心をがっちり掴まれます。
宇宙の分野においては、現代でもなお常識が覆される事例があるわけで(冥王星が惑星から外された時はなかなかの驚きでした)、この作品の時代に地動説が提唱された日には、それはもうとてつもない衝撃だったことでしょう。
地球が動いていることを証明しようとする天文学の研究をなんとしても排除したい宗教側と、命懸けで真理を突き止めようとする者たちとの戦いが凄まじい。地動説を支持する者は異端としてごう問され処刑されるというのに、彼らは決して怯まない。それほどに大きな、人生をかけて次に繋いでいくべき発見だから。
信念を貫いて死んでいく者たちのセリフが強烈に記憶に残りました。魂のこもった言葉たちに目頭が熱くなります。
現代ならば突飛な説を提唱しても指をさされて笑われる程度でしょうが、当時は目を潰されたり生きたまま火炙りにされる覚悟でやらなければならない。そんな状況下でも地動説の研究を諦めなかった人々の存在に思いを馳せながら、この先のストーリーを読み進めていきたいです。
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チ。―地球の運動について―