rokaさんの投稿一覧

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評価1 5% 35
101 - 110件目/全506件
  1. 評価:3.000 3.0

    支離滅裂の魅力

    オリジナリティーという部分では突出している。
    似た漫画がない。

    しかし、「どういう漫画なのか」と聞かれても説明できない。
    「読んでもらうしかない」という種類の漫画なのだが、かといって人に薦めるかというと、私は薦めない。
    面白かったかと言われると首肯しがたい。
    話としては支離滅裂に近い。
    だが、何となく読まされてしまう妙な魅力はあった。
    何の参考にもならないレビューで申し訳ないのだが、そういう作品である。

    ひとつ言えることは、本作に「ホラー」「ダーク」「怖い」などのタグがついているのは百歩譲るが、「ギャグ」のタグがついていないのは絶対に間違っている、ということだ。

    • 2
  2. 評価:3.000 3.0

    ホラーの論法

    怪談において、というか、本当は映画でも漫画でもホラーは全部そうなのだが、「わからない」という部分をどこにどう残すか、というのは、大事な焦点である。

    「訳がわからない」ということは、とても恐ろしいからだ。
    全ての伏線がきちんと回収され、話として綺麗にまとまる、という面白さもあるが、その魅力はミステリのそれであって、ホラーの本質とは別だ。

    本作の語り手は明らかに、その論法を意識して話を作り込んでいる。
    「おー、わかってんじゃん」とは思った。

    ただ、幽霊(的な何か)の描写に、恐怖感がない。
    このあたり、難しいけれど、結局「語り」でやった方が怖いと思う。

    「語られる」ことが前提の怪談の漫画化は、簡単にはいかない。
    これは、本シリーズ全てに共通して言えることだった。

    • 2
  3. 評価:2.000 2.0

    複数の語り手

    単発バラ売り怪談漫画その2。

    いわゆる「ダブル語り手」タイプの怪談。
    (いわゆる、とか私が勝手に言っているだけだが。)

    語り手その1がお遍路の途中である男で、彼が休憩所で出会った女性が語り手その2。
    実際の恐怖体験は語り手その2の女性から語られる。

    こういうタイプの怪談話は、実際に話すときは、話者が複数の語り手を上手く「語り分ける」ことで、一定の効果を生むわけであって、漫画でそれを再現するなら「描き分ける」ことが必要になるのだが、成功しているとは言いがたい。
    そもそも、それを狙ってやっていない。

    • 2
  4. 評価:3.000 3.0

    怪談と漫画と

    怪談の漫画化。
    オムニバスにするでもなく、単発の話で売られているのがよくわからないが、まあ、こういうのもあっていいかとは思う。

    正直、漫画として読む分には、特にどうということもない怪談話だった。
    ただ、これを然るべき語り手が怪談として「語った」ならば、その印象は大きく変わる可能性はあるだろうな、とも思った。

    当たり前と言えば当たり前なのかもしれないが、「語られる怪談」と、「その漫画化」は、全く別のことなのだな、と。
    こういうのを読むと、「原作」の漫画化の難しさを痛感する。

    • 2
  5. 評価:3.000 3.0

    忘れられた設定

    オーソドックスな復讐モノで、特筆すべき点もないが、派手な破綻もなく、わりに丹念に作られている印象は持った。

    ただ、ちょっと気になるのは時代性で、「昭和30年」という設定には首を捻った。
    時代を感じさせる描き込みみたいなものはほとんど皆無で、舞台が現代であると言われても何の違和感もない。
    つまり、昭和30年をまるで描けていない、ということになる。
    というか、作者もその設定、忘れてないか?
    登場人物の一人が「私の株は爆上がりだわ!」とか言ってるし。
    昭和30年に「爆上がり」はないだろう。

    おそらく、舞台となる島が、名家の娘一人に実質的に支配されている、という前近代的な共同体の存在に説得力を持たせるために、時代設定を現代から外したのだろうが、それならそれで、もっとちゃんとしてくれ、という気にはなった。

    • 57
  6. 評価:5.000 5.0

    現在進行形の最高形/600本記念

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    まず、作画のレベルがとんでもない。
    まさしく大胆かつ繊細、という感じで、細やかで可愛らしくてカッコよくて迫力満点、抜群にポップであって、1コマで勝負できる芸術的な構図を連発するその圧倒的な画力は、少年漫画のひとつの理想形ではないかと思う。
    こんなに凄い画をほとんど見たことがない。
    週刊連載だろ?
    何だよこれ。

    バトルシーンは「ジョジョ」からの如実な影響を受けつつ、パリッとオリジナリティーもあって、こういうのを正当な「リスペクト」と呼ぶのだろう、と心から思った。
    最初のバトルシーンでは、唐突な「ジョジョ風」の表出に笑いながらも、そのあまりの素晴らしさに鳥肌が立った。
    いい大人が少年漫画でそんな体験、なかなか出来るものではない。

    題材は一応オカルトなのだが、正直、オカルト愛に溢れる、という感じではなく、あくまでモチーフとして器用に利用している印象ではある。
    偏屈なオカルト好きの私としては、そういうオカルトの扱い方というのはいかがなものか、という性格の悪いことを普段なら言うのだが、漫画としての技量が凄すぎて、どうでもよくなった。
    参りました。

    また、ターボババアやアクロバティックさらさらや邪視などの現代妖怪に付与された独自のバックグラウンドも絶妙で、それが作品に深みとアクセントを与えている。
    これが日本のクラシックな妖怪だと、勝手な後づけは反則感が強くなるが、現代妖怪に照準を合わせたのが巧妙である。
    アクロバティックさらさらの唐突な過去シーンには胸が熱くなった。

    笑いあり、涙あり、全てが高水準で、嗚呼、読んでいて本当に幸せだった。
    私は完全に別世界に連れ去られ、その世界においては、ただの少年でしかなかった。
    私と漫画だけが、その世界にはあった。
    遠い昔だ、そんなふうに漫画を読んでいたのは。
    二度とないだろうと思っていた。
    現在進行形の少年漫画でそんな体験を再び持てたことが、私は心の底から嬉しかった。
    ありがとうございました。

    あ、忘れてたけど、これ、ラブコメだ。
    何だそれ。
    もう、色々と凄すぎる。

    • 50
  7. 評価:4.000 4.0

    なりきれない悪霊

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    事故死して幽霊となったいじめられっ子が、自らの「幽霊の才能」を活かし、悪人を脅かしまくる、という話。
    生粋のホラーではなく、ギャグに振り切るでもなく、ほのぼのとしたテイストの漫画である。

    主人公は人を脅かす度にRPGのようにレベルが上がり、「ラップ音」「髪伸ばし」「巨大化」などのスキルを身につけてゆく。
    この「幽霊のスキル」という発想はなかなか面白く、作品にいいリズムを与えていると思った。

    また、生きている間は決して満ち足りたとは言いがたい生活を送っていた主人公が、幽霊となってからイキイキしている様子も、心地よく読めた。
    どす黒い復讐心に燃えたり、悪意に染まってゆくわけではなく、人間らしい弱さと優しさを持ったままであり続ける彼女の好感度が、作品を支えている。

    いじめを扱った漫画に陰惨な復讐譚が多く見られる中、本作は、とても優しい作品である。
    痛みを知る人間は、なかなか悪人にも悪霊にもなりきれない、それが現実に近いのではなかろうか。
    そのぶん、悪く言えば甘さやぬるさはあるのだが、人格破綻者レベルのいじめっ子すら憎みきれない主人公の、ある種の弱さや甘さが、私はわりに好きであった。

    • 3
  8. 評価:2.000 2.0

    そりゃねえぜ

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    呪いの指輪を巡るホラー。

    恐怖描写にはなかなか気合が入っていて、その点はよかった。

    が、オチが酷すぎる。
    簡単に言うと、「復讐かと思ったら、無差別だったのだ!」である。
    そりゃねえだろう。
    逆だろう。
    ミステリで考えてみてほしい。
    「無差別に発生していたと思われていた事件に、実はこんな繋がりが!」
    これならわかりますよね。
    ところが本作、そうじゃないんすよ。
    「何かしらの繋がりがあると思われていた事件は、実は無差別だった!」
    そんなタコな。

    誤解しないでほしいのだが、無差別の呪い自体を否定しているわけではない。
    むしろ、個人的にはホラーって無差別の方がしっくりくる。
    しかし、いかにも「真相」がありそうなミステリ的アプローチをしておいて、「無差別だった」をサプライズのように提示するのは、あんまりではなかろうか。

    • 7
  9. 評価:3.000 3.0

    交換殺_人の是非

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    それぞれ人生に絶望し、殺したい相手がいる三人の女性たちがインターネット上で知り合い、交換殺_人を実行する話。

    復讐モノというよりは、「こいつを殺さなければ自分の人生が駄目になる」というような相手をそれぞれ殺_すわけであって、このあたり、動機部分にはまずまず説得力があった。
    復讐であれば、「復讐のためにそこまでやる?」という部分にリアリティーを与えるのが難しいのだが、本作はあくまで自分が生きるために、という位置なので。

    ただまあ、プロット自体は平凡で、特別に退屈もしなかったけれど、盛り上がりもしなかった。

    だいたい、この交換殺_人というのは、正直、どうなんだ、と思う。
    縁もゆかりもない相手を殺_す以上、実行犯は疑われない、動機がある人間はその時間アリバイ完璧、となるから、警察の目をくらます、という意味では、不謹慎ながらお手軽な手段なのだろう。
    しかし、強_盗とか保険金目当てならともかく、個人的に怨みがある相手を葬るのに、他人の手を汚す、というのは、いかがなものか。
    私は主人公の女性三人に味方する立場で読みはしたけれど、人を殺して自らの人生を切り開かんとする以上、その相手の血で汚すのはやはり、自らの手であるべきではなかろうか、とは思った。

    • 3
  10. 評価:3.000 3.0

    焦点はどこに

    特にストレスなく、テンポよくサクサク読めた。
    その点はよし。

    ただ、ミステリとしては圧倒的に薄い。
    いや、もちろん、本作がそもそも「本格ミステリ」みたいな路線を志していない、ということは百も承知である。
    しかし、それにしたって、とは思う。

    また、ミステリ的な部分よりも、人の死を巡る人間ドラマとか、人の死を見送る職業の人間がとらえた機微とか、そういう部分が焦点なのだとしても、その掘り下げや広がりも物足りず、特にこれ、といった魅力を見出せなかった。

    • 2

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