5.0
それぞれの「安全基地」を見つけ羽ばたく
同じマンションに住む由奈、朱里、理央、和臣の恋や友情を巡る「ふりふら」。
ですがただの青春マンガではなく、第7巻のPIECE26で、再告白前に由奈が朱里に言った「安全基地」。これがこの物語の核であり、思春期や人生でぶち当たる壁の一つですね。
特に由奈以外の3人は両親のわがままに振り回され、家庭でも苦労し人知れず葛藤しています。毒親育ちの私には胸に刺さるシーンも多々ありました。
それでも負けずに恋愛や友情を通じて自ら「安全基地」を見つけ、同時に自ら誰かの「安全基地」となり互いの苦悩を受け止め、将来に羽ばたく4人が緻密に描かれています。
どの世代が読んでも共感できるはずです。
咲坂先生の作品はストロボ・エッジ以来でしたが、4人の物語が同時平行で進むため、無理に引き伸ばすようなシーンも見られず、読後感もとても良かったです。絵や表情もきれいでかつ表現豊かでした。また何度も読み返します。
4人のその後もまた、いつかぜひ書いてほしいです。
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