5.0
大河ドラマみたい!
矢沢あい展をきっかけに初めて読みました。話題になっていた頃は、「バンド」「薬」「死」等のワードが先行して、気だるい雰囲気のカッコいいだけの漫画だと思い、敬遠していました。
どうしてもっと早く読まなかったかな、自分!
テンポ良く単行本21巻分を読ませるのに、作中の時間はわずか一年という中身の濃さ!時間設定を含めて、物語としての構成がよく出来てるし、人物のキャラ設定もしっかりしています。二人の主人公が一度も会ったことがない人物が主人公の転機に重要な役割を持っていたり、大筋に関係ない小さなストーリーが作品全体に厚みをだしていると感じます。
大河ドラマのようですね。
「人の心は移ろいやすく、目に見えるものはまやかし」とのセリフがありました。そんなにも脆い人間関係の中で、それでも人は生きていけるものだと、思わせてくれる作品でした。
未完ですが、物語の10年後くらいの場面が何回かあり、読者はそれをつなぎ合わせて足りないところを埋めて、それぞれが結末を作れるようになっている、ということで実は完成していると思うのは、深読みしすぎでしょうか。
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