4.0
題名を聞いて、スタンダールの「赤と黒」をオマージュ?とも思いましたが、そうではありませんでした。若すぎた故の、二人の罪と過ち、そして再生の物語です。
この作品は、2008年のものですが、画の線は「野獣〜」や「蜜薔薇〜」より荒い印象があります。けれども、テンポのよいストーリー運びはこの頃から健在で、緊張感を保ったまま、最後まで一気に読めてしまいます。
6年前、偶然に必然が重なってのまさかのすれ違いで、お互いに深く傷付いてしまった綾音と航。19歳と14歳の純粋な二人には、障壁を乗り越える力はありませんでした…前半は、ちょっと読むのが辛いです。けれども、後半に向かうに連れ、6年前の謎が一つ一つ解き明かされ、二人の本当の気持ちも明らかになっていきます。
このお話のBGMは、勿論ジャズ。(ビル=エヴァンス作曲とな) 航のピアノと綾音の歌のコラボレーションを想像しながら、唯一無二のストーリー、お勧めです。
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