5.0
押見さんの他の作品をいくつか読んで、こちらに辿り着きました。どの作品も、怖かったりグロかったりドロドロしていたり変態的だったり…色々ですが、こちらの作品もまた全然違う空気を纏っていて面白かった。
他の作品のいくつかと共通して言えるのは、わたしたちが狂気や非日常に憧れられるのは、安心できる安定した退屈があるからこそなのだ、ということを突きつけられる部分。
素晴らしいのは、説教くさくないこと。「どちらを選ぶこともできる」という前提で、狂気や非日常を選んだ先のリアルを描ききっている。そうして、読後に「退屈な毎日でいいや」とホッとさせてくれるのだ。
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