5.0
絶望、希望
BANANA FISHの大ファン、吉田先生の大ファンです。吉田先生の作品の、登場人物のどうにも出来ない孤独な状況や絶望の描き方、そして隙間に少しずつ現れてくる希望の切れ端に心奪われます。
ラストには色々な分野を詰め込んでカテゴライズ出来ない、特上の映画を見た様な気持ちになります。
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BANANA FISHの大ファン、吉田先生の大ファンです。吉田先生の作品の、登場人物のどうにも出来ない孤独な状況や絶望の描き方、そして隙間に少しずつ現れてくる希望の切れ端に心奪われます。
ラストには色々な分野を詰め込んでカテゴライズ出来ない、特上の映画を見た様な気持ちになります。
BANANAFISHを久しぶりに読んで、そのままの流れでつい読んでしまいました。やはり、吉田先生の作品は切なく優しく、なんとも言えない気持ちになります。シンが出てくるのもうれしい。
自意識と存在価値の話が随所にあって、個人としてはBANANA FISHよりも痛くて切実な話。
静と凛の遺伝子的母親(父親は結局言及なし)のエピソードが一番怖くて、
ルー・メイの行動も腑に落ちました。
「二人とも人間よ」「疲れて辛くて当たり前」「温かくて鼓動がして安心するでしょ」
って伝えたかったんだと。
協一郎は気色悪くて有末医師に全面同感。
静がカッコいいんですよね。出世の秘密を抱えた兄妹。切なくなる話ですが最後は兄弟愛を感じられたのがよかったです。
この漫画を読んだあと、過去に読んだ本の一説を思い出した。
「作者は読者の想像力を奪ってはならない」
まあ、人はバンバン死にますしブッ飛んだ設定ですが、とても緻密に練られたストーリーでした。
ただバナナフィッシュと比べてはならず。不満を言えば3つです。
・ひとつめはセイの顔。
髪の短いときは魅力的だったのが、髪が伸びた頃から寄り目になっててマイルドなカイジ(笑)にしか見えなかった。
それでストーリーがスっと入ってこなくて何度読む手を止めたことか…。
この作者さんの絵柄は輪郭が細長いしアゴもとんがってるから余計にそう見えたのかな。
まあ、このひとつめはどうでもいい。
・ふたつめはルー・メイの存在。
ある意味バトルものの漫画に、お色気要員みたいな「女」は必要ないと私は思ってる。
それほど戦闘力があるとも思えなかったし、唐突にカットインするクロサキとのキスシーンや匂わせのエッチも必要なかったのでは?
さらに許せなかったのが、そのあと舌の根も乾かんうちにセイに迫ったこと。
とんでもない遺伝子を持つセイと、そういう関係になったら、もし妊娠したらどういう事になるか──考えもなしで、ああいう事したんかと少々呆れました。
セイにとってはラッキースケベ的で良かったでしょうが、これが後々の「イブの眠り」に響いてくるようなので(読んでる途中)、次作のためだけにセイとの絡みを入れたのだとしたら作者さんにもYASHAファンにも申し訳ないけど陳腐だと思いました。
・みっつめはシンのゲスト出演。
これはバナナフィッシュファンへのサービス精神だったのかな。でもチラッと出演だけでよかったように感じます。もしくはシンでなくてもよかった。
シンの現在の地位・それまでの社会的事情を説明するのはいいと思う。ただ彼のプライベート事情はいらんかった。
これもまた、さっきのルー・メイが聞かれもせんのにぺらぺら一人語りしたのだ。夢を壊さんでくれ。
──というわけで長々と不満ばっかり書き連ねましたが、最後にもうひとつ言わせて。
連作は「YASHA」「イブの眠り」だけにしてほしかった。
賛否両論あるようですが、バナナフィッシュの「光の庭」はなかった方がいい派です。これ以上、読者の想像力を奪わないでほしい。
友情が感じられるなか主人公を取り巻く周りの人周りの人の欲望と、主人公の未知なる能力を駆使して自由を取り戻して行く、これからどんな展開があるのか楽しみです。作者さんの描く漫画は風を感じられる。何にも縛られない原野を風が取り抜ける様も画風と性格の淡々としながら抑えるポイントはきっちりとやり抜いて行くスマートさが良いな。
どの辺りが夜叉になっていくのかまだつかめていませんが、楽しみに読ませてもらいます!この作家さん大好きなので楽しみです!
バナナフィッシュがあまりに凄すぎて、アッシュの亡霊を見続けるのは、読者も同じ。
それがこんな作品になって、まだまだ続くなんて!
本当に吉田先生の世界観には驚くばかりです。
CKVがコロナに重なってしまって、吉田先生まさか予知していたのでは…と思ってしまう。
静がいたらコロナもワクチンがすぐ出来たかも❗️
人間ドラマ的にはbananafishを彷彿とさせる。静と十市がアッシュとエイちゃんに重なる、二人とも幸せになって欲しい。静には絶対死なないで欲しい。
国家レベルの大きなサスペンスと人間臭い人間ドラマが入り交じるとっても読み応えのある作品です。
とても懐かしい物語の感じがします。瓜二つの双子の兄弟?と思いきや実はクローンだった!なんて!味方なのかな?敵なのかな?と少しずつ読んでます!